旬を意識してアウターを選ぶことは大事。けど、本物を知る大人なら流行り廃りとは無縁な完成された名作を1着は持っておきたいもの。ここで紹介するのは、時代を経ても変わらない魅力を放つマスターピース。年齢を重ねても最高の相棒であり続けるはずだ!
マッキントッシュ
MACKINTOSH RUBBERIZED COAT
18万5000円(マッキントッシュ 青山店)
英国を代表するコートブランド〈マッキントッシュ〉の象徴と言えばゴム引きコートだ。2枚の生地の間に溶かした天然ゴムを塗り圧着した独自の「マッキントッシュクロス」で仕立てられ、高次元な防水性を誇る。しかもハリのある生地ゆえシワにも強いのだ。なお、ゴム引きコートが誕生したのは1823年のことで、現行品のひとつであるこの「GR–095」も当時の伝統製法を守り生産。縫い目にはシームテープが施され、ステッチから水が侵入する恐れもない。
袖口にはブラックのラバーテープがあしらわれ、さり気ないアクセントとして機能。
表地の上質なウールにはハウンドトゥース柄が配され、ブリティッシュムードをさらに高める。
ゴム引きコートはやや湿気が溜まりやすいという難点が。しかし、脇下にベンチレーションホールを設けることでウィークポイントを解消した。
フロントはボタンがキレイに隠れる比翼仕立て。すっきりとした印象だ。
バブアー
Barbour HORSE RIDING JACKET
(左)4万9000円、(右)4万3000円(ともにバブアー 渋谷店)
ロイヤルワラント(英国王室御用達)の称号を持つ〈バブアー〉。「インターナショナル」や「ビューフォート」など名作は数多いが、もっとも有名なのは1980年発表の「ビデイル」だろう。乗馬用のオイルドジャケットとして生まれ、現在ではビジネス〜カジュアルまで幅広く愛される。
左の「ビデイルオリジナル」は誕生当時の仕様となった復刻作で、表地には撥水性の高いワックスドクロスを使用。対する右の「ビデイルSL」は洗練のモダンフィットで、こちらはノンオイルとなっている。
グローブを着用したままの状態でもジップの開閉が容易に行なえるように、リング状の大ぶりな引き手をデザイン。細部にも機能美が宿っている。
裏地を彩るのは品行方正なハウスタータンチェック。
サイドベンツにはスナップボタンが付いていて、シルエット&フィット感を好みに応じてコントロールできる。
隙間風の侵入をシャットアウトするべく、リブは袖の内側にセッティング。