2018.09.24 Mon UPDATE 腕時計王

デキる男は知っている!話のネタになる腕時計の基本用語集 vol.3

時計マニアなら知っておきたい腕時計についての基本用語を、機構や素材、加工など各種ジャンルからピックアップして紹介して行く連載企画。知れば今まで以上に時計の魅力を理解できるだけでなく、さり気なくウンチクを披露すれば、デキる男アピールだってできるかも。色々な場においても話のネタになることうけあい。覚えておいて損は無しだ。今回は「サ行」編をお送りします!

●サ行

 
サイクロップレンズ
サファイアクリスタルなどのガラス面に凸状のレンズを貼り付け加工。虫メガネを近づけて見るのと同じように、日付けなどを拡大して確認することができるレンズ部品。およそ2〜3倍に拡大される。

 
サテン仕上げ

ケースやブレスレットなどの金属表面にランダムに細い線を入れる加工方法。加賀美のようにピカピカに磨き上げるポリッシュ仕上げと異なり、光の反射を抑えてシックな装いに時計を演出することができる。ヘアライン仕上げと似ているが、ヘアラインは一定方向に整然とラインが刻まれるのに対し、サテン仕上げはラインがランダムという点が異なる。

 
サファイアクリスタル
時計用のガラスとしては、現在最も多く採用されている素材。人口サファイアの粉末を高温で溶かして結晶化した物質で、モース硬度9、ビッカーズ硬度2300という優れた耐傷性能を誇る。近年はその耐傷性に注目が集まり、スマホ画面などにも採用されている。

 
GMT

ダイアルを24時間(12時間の場合もある)で一周する、GMT針(このモデルでは赤い針)と呼ばれる専用針を装備。GMT針は時計とは別に単独で(時計より)プラス2時間やマイナス8時間などに調整できるので、時針でホームタイム、GMT針でセカンドタイムなど(時差のある)2カ国以上の時刻を同時に表示することができる。

 
シースルーバック

裏蓋の中央部をガラス加工にし、内部のムーブメントを見られるようにしたモデル。「裏スケ」などと呼ばれることもある。

 
自動巻き
ローターと呼ばれる半円形の部品をムーブに設置。ローターが重力で常に下方向へ向かうことを利用して、その回転力でゼンマイを巻き上げる機構。腕に装着して普通に生活していれば自動的にゼンマイが巻き上がるという利便性に優れた機構で、現在の機械式腕時計には多く採用されている。

 
GPSウオッチ
高度2万200kmの軌道上を周回するGPS衛星から位置情報や時刻データなどを受信。時刻や日付けなど表示に誤差がある場合は、これを自動修正してくれる機能を持った電波時計の進化系モデル。

 
ジャンピングアワー
ダイアルに「時」を表示する窓を設置。回転するディスク盤で毎時ごとに「時」をデジタル表示する時計(分は通常のように針でアナログ表示)。毎時ごと、ディスク盤がジャンプするように瞬時に切り替わることから命名された。

 
18K
宝石や高級腕時計のケースやブレス素材として、広く利用されている合金。純金(純度100%)を24Kとした場合の金の含有率を示す表記で、18Kとは24分の18=75%の金を含んだ合金であることを示している。残りの25%には、金の硬度や色みを変化させるため、銀や銅、パラジウムなどが加えられ、その成分比率や色みによってWG(ホワイトゴールド)、YG(イエローゴールド)、RG(ローズゴールド)、PG(ピンクゴールド)などに分類されている。

優美なロンジンのレコード。こちらは18Kローズゴールド製ケース

 
ジュネーブサロン
リシュモングループを中心に、独立系ブランドなどが参加して年に1回ジュネーブで開催される新作発表会で毎年1月中旬に開催される。カルティエやヴァシュロン・コンスタンタン、IWC、パネライなど同グループに属するブランドをはじめ、その他の有名ブランドなども参加。

 
ジュネーブ・シール
古来から高級時計を製造してきたスイスのジュネーブ。その伝統を正しく継承しているか、歯車やバネなど部品の素材や仕上げ、組み立てや調整工程などを、公的機関であるジュネーブ時計製造マイクロ工学研究所が厳密に審査。全ての要件を満たした時計に認可されるシール。1886年に制定された時計界最古の規格で、世界で最難関の時計規格としても知られている。

 
シリアルナンバー
製造された時計ひとつひとつについて記される製造番号。通常はケース裏やムーブのブリッジ部に刻印され、前者の場合はケースナンバー、後者の場合はムーブメントナンバーとも呼ばれる。

 
シリコン
元素記号Siで示される結晶体物質。金属状やゴム状、ジェル状などさまざまに加工され、医療や美容をはじめ、航空産業など多分野に活用。固体として活用する場合は、耐傷性や耐磁性に優れ低摩擦なことから、時計部品にも採用。アンクルやヒゲゼンマイなど、特に耐磁性や低摩擦が要求される部品に活用されている。

 
スーパールミノーバ
放射性物質をいっさい含まない蓄光性(明るい場所で光を蓄積し、暗闇でそれを放出する)夜光塗料。日本の根元特殊化学が開発した「ルミノーバ(N夜光)」をベースに、同社とスイスのRCTRITEC社がジョイントした「ルミノーバ AG スイスランド」が製造する蓄光性夜光。現在、スイス製腕時計の夜光塗料としては圧倒的なシェアを誇っている。

 
スプリットセコンド・クロノグラフ
クロノグラフの計測用秒針を2本装備。途中計測(ラップタイム)や二人のランナーのタイムを個別に測定できる機能などを搭載したクロノグラフ。機械式時計の中ではハイコンプリに属する複雑機構で、製造できるブランドも限られている。イタリア語では「ラトラパンテ」と表記される。

 
スモールセコンド

ダイヤル内に配された「秒」を表示する小さなサブダイアルのこと。

 
セラミックス
陶器やガラスなど、窯の中で燃焼形成された物質の総称。時計のケースやベゼルなどには窒化ケイ素やジルコニアなどを高純度で配合し、硬度や耐食性を高めた(ビッカーズ硬度1000〜1200程度)ファインセラミックスが主に採用されている。

 
ゼンマイ
機械式時計の動力源となる部品。香箱と呼ばれる円筒状の部品に収納され、その上部にある香箱車と呼ばれる歯車が、ゼンマイの力で回転。その回転が各種歯車を介して針を動かす部品類やテンプなどの調速・脱進機構に伝わるようになっている。

 
ソヌリ
「時」を知らせる鐘の音を鳴らす機構を総称してストライキング機構というが、ソヌリとはその一種で、レバーやボタン操作で(手動で)鐘を鳴らすリピーターとは異なり、15分や30分、毎正時ごとに自動で鐘の鳴る機構のこと。

 
Text:Akihide Toyama (TOY’S HOUSE)

 
〜次回は“タ行&ナ行編”を紹介します!〜

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