2017.03.06 Mon UPDATE FASHION

スーツをカッコよく着るには絶対に押さえておきたい!ビジネススーツ「色・柄・素材」の基礎知識 2

仕立てやシルエットももちろん重要だが、スーツの見た目の印象をまず第一に左右するのが「色・柄・素材」。ここでは、意外とうろ覚えになってしまっている、それぞれの基礎知識を今一度おさらい。この春夏のトレンドや生地の魅力などを、スーツに精通しているプレスに解説してもらった。

Material 生地・素材

主にスーツに使われる天然素材はこの3つ

WOOL ウール

オールシーズンで使えるスーツ素材の代表
保温・吸湿性の高いウールは、冬は暖かく、夏は涼しい万能素材。シワになりにくく、ナチュラルな伸縮性を持ち併せているのも優秀だ。リネンや化繊との混紡素材のベースとしても使われる。

 

LINEN リネン

表情豊かで涼しげな風合いが魅力の夏素材
リネンは通気・吸湿・発散に優れているため清涼感があり、真夏でも快適な着用感が味わえる。ただ、シワになりやすいデメリットもあり、スーツに使われる場合はウールと混紡されることが多い。

 

COTTON コットン

ややラフなムードを醸すカジュアル向け素材
肌触りがよく、通気・吸水に優れているのが魅力だが、ウールに比べるとカジュアルな印象。それゆえ着用する職種やシーンは限られてしまうが、逆に休日スタイルに取り入れられるというメリットも。

上のコーディネイトはすべて共通で、シャツ9800円、タイ9000円/ともにアバハウス(同・ラストワード原宿店)

 

ウールには織り方の違いによってさまざまな生地があるんです


サージ 3シーズン対応
綾織り(ツイル)のサージは、光沢感やヌメリ感といった見た目の高級感が出やすい。毛羽立ちがなくて目が詰まっているのも特徴。

 


ギャバジン 3シーズン対応
元々は作業服の生地として用いられていた。密に織られているため、光沢がありながらも丈夫でしっかりした生地感に仕上がっている。

 


トロピカル 春夏向け
梳毛を平織りにしてクリアカット仕上げを施した素材。トロピカルは“熱帯地方”の意。薄手で軽く、サラッとしたドライ感が特徴だ。

 


サキソニー 秋冬向け
簡単にいうと、サキソニーはフランネルを薄手にしたもの。元来はメリノウールだったが、近年は他の種類のウールも使われている。

 


フランネル 秋冬向け
別名“フラノ”とも呼ばれ、厚手で保温性が高く、ソフトな肌触りが楽しめる。かのウィンザー公も愛用したクラシカルな生地だ。

 


ツイード 秋冬向け
スコットランド発祥のざっくりとした素朴な味わいのある厚手の毛織物のこと。カントリー感が強く、カジュアルな印象を与える。

 

温度調節機能を持った快適素材

アウトラスト

衣類内を常に快適に保つ
画期的な温度調整素材

米国NASAのために開発されたアウトラストは、快適と感じられる31〜33℃に肌の表面温度を常にコントロール。その秘密は、繊維内に配合されたマイクロカプセル。これが暑い時は身体から余分な熱を吸収し、寒い時は蓄えていた熱を放出してくれる。

 

アイスセンス

高機能素材と思えない
品のある風合いにも注目!

イタリアの生地メーカー〈レダ社〉が開発したアイスセンス。特殊染料を使用することで、ウール100%でありながら太陽光を反射して生地の温度上昇を抑制。それでいてウール本来のしなやかでエレガントな風合いをキープしているのが秀逸だ。

 

クールマックス®ファブリック

高温多湿の日本の夏でも
涼しく快適性を促す救世主

1986年に発表されたクールマックス®ファブリックは、汗を吸い上げて素早く蒸散させる機能を備えているため、暑い夏でもドライで快適な着心地を実現。さらに外部から空気を取り込み、冷却して乾燥させる効果もあるので涼しさも感じられる。

 

 

Column “スーパー○○’S”ってなんのこと?

生地の上質さを測る
バロメーター的な単位

原毛の太さのことで、数字が大きくなるほど糸は細く繊細に。ただ、繊細な糸になればなるほど耐久性が落ちる。電車通勤などを考えるとスーパー100’Sくらいがベスト。なお、この表記が適用されるのはウールのみ。天然の獣毛でもカシミアやアンゴラ、モヘアには使用されない。

 

 

覚えておきたい代表的生地メーカー


カノニコ

コスパの高さは生地メーカーの中でも随一
高品質ながらもプライスが良心的という、コストパフォーマンスの高さが魅力。軽くて滑らかな肌触りで発色がいいという、イタリアらしい生地を展開している。日本のテーラーのほか、セレクトショップやブランドにも支持されている。

 


チェルッティ

ほかと一線を画す柔らかな光沢ある生地が魅力
イタリア・ビエラで1881年に産声を上げた〈チェルッティ〉。最大の特徴は、他とはひと味違う独特な光沢感にある。普段は控えめにエレガントさや高級感を演出しつつ、光に当たると艶やかな光沢が現われて存在感が高まるのだ。

 


ドーメル

英・仏の魅力を融合させた生地を発信
1842年にフランス人のジュール・ドーメルが、イギリスから毛織物を輸入してフランス国内で販売したことが始まり。イギリスならではの重厚感ある風合いながら、どこかエレガントさも感じるのはフランスの感性も融合されているからだ。

 


ロロ・ピアーナ

気品漂う最高級の生地をラインナップ
イタリア生地の最高峰と称されている〈ロロ・ピアーナ〉。ウールだけでなく、カシミアの品質も最高級との評価が高い。原料の仕入れから仕上げまでを一貫して自社で行なうことによって、高いクオリティを保つことに成功している。

 


エルメネジルド・ゼニア

イタリアを代表する世界最高峰メーカー
1910年に創業し、厳選された希少なウールのみを使った最高級の生地を生み出している。ちなみに業界ではじめて生地の耳にブランドネームを織り込んで品質を保証したのもここ。〈ロロ・ピアーナ〉同様、自社工場で一貫して行なっている。

 


レダ

格上げにもつながるドレープの美しさがウリ
自社で一貫して管理することで生産ラインの効率化につながり、高品質ながらもお手ごろなプライスを実現。着用時のドレープがとりわけ美しく、さらに得意な表面加工によるしなやかな光沢や耐久性の高さも特筆すべきところ。

 

 

[ 教えてくれたのはこの2人! ]

テーラーフィールズ
プレス
木村顕治さん

基礎知識からトレンドまで、スーツのあらゆることに造詣が深い。

 

シップス
プレス
相田正輝さん

スーツスタイルのトレンドをキャッチする敏感さはシップス随一。

 

Photo:HIROAKI KAWATA

Styling:TATSUHITO YONAMINE

Text:KYOKO CHIKAMA

« 一覧