2017.01.17 Tue UPDATE FASHION

デザイナーが語る!春の最新LOOK解説【MR.OLIVE(ミスターオリーブ)】

本誌で人気の高い3ブランドの2017年春夏コレクションから主要ルックをピックアップし、デザイナーの解説コメントともにご紹介!
第1回で取り上げるブランドは〈ミスターオリーブ〉。デザイナーの長尾 亘氏に春夏コレクションのスタイリングについて解説してもらった。

 

◇LOOK 01

長尾:「淡く春めいたカラーパレットのセットアップを主軸に据えつつ、開襟シャツやデニムジャケットで武骨に着くずすことによって上品な男らしさを表現しています。足元にはあえて履き込んだデッキシューズを選定して、ほど良いヌケ感もプラスしています」

 

◇LOOK 02

長尾:「ところどころに小技の効いた都会的スタイルを構築。主となるアイテムの色調を揃えることで確固たる統一感を生み出し、計算されたレイヤード術によって立体感と奥行きを表現しています。ベーシックなアイテム構成だからこそできる好バランスな足し算の装いですね」

 

◇LOOK 03

長尾:「柄物や色物を幾重にもレイヤードさせていますが、サイズ感を極力タイトにまとめることでガチャガチャ感をなくし、洗練されたストリートスタイルを表現しています。やんちゃなスケータースタイルを独自の解釈で認識し、再構築してスタイリングに反映しました」

 

◇LOOK 04

長尾:「刺しゅうが特徴的なスーベニアシャツを際立たせるため、他のアイテムはワントーンで統一。その一方、シームや細かいディテールワークにアクセントのあるアイテムを使用しているので、奥行きの感じられる仕上がりになっています」

 

◇LOOK 05

長尾:「スポーツミックスを〈ミスターオリーブ〉なりの解釈でタウンユースに昇華。都会的な要素とリアルクロージングな薫りが混在したアーバンライクなコーディネイトです。使うカラーを3色に絞ってスタイリングし、落ち着きを与えているのもポイントです」

 

◇LOOK 06

長尾:「フォーマル感の強いダブルブレスト仕様のジャケットをカジュアルな装いに落とし込むべく、引き算を意識してスタイリング。パンチの効いたインナーや小物使いなどで、間延びさせることなく都会的に仕上げています」

 

◇LOOK 07

長尾:「タイトなサイズ感を活かし洗練されたワークスタイルを表現。ボトム、トップス、キャスケットにはブランドでもっとも得意としている“デニム素材”を使って統一感を意識しています。パジャマシャツをはおることで生まれたヌケ感も、昨今のファッションシーンには欠かすことのできないポイント」

 

◇LOOK 08

長尾:「トレンドを意識しながら〈ミスターオリーブ〉の範疇で表現したスケータースタイル。今季いちばん人気の高いコーディネイトですね。インナーで使用したデニムジャケットはハードな加工感ですが、タイトなサイジングに落とし込むことで収まりが良く汎用性を高めています。アウターはレトロな配色のナイロンブルゾンですが、現代的なサイズバランスで仕上げているため“モダン”と“いなたさ(野暮ったさ)”が良い意味で混在していて、スタイリングを格上げする役割を担っています」

 

◇LOOK 09

長尾:「クラシカルな雰囲気を表現していますが、実はカジュアルライクなアイテム群で構成したスタイリングです。オーセンティックな革靴やツバ広帽を上下に据えているので落ち着いたムードがありますが、全体的に堅くなり過ぎないよう小物や着くずしで適度な遊びを加えて小粋な装いを意識しています」

 

 

今回解説してくれたのは…

〈ミスターオリーブ〉デザイナー:長尾 亘

1973年生まれ。福島県出身。ヴィンテージコレクターであるトーマス・オートマンの1960~1970年代のコレクションに共感し、リスペクトしてファッション業界に入る。 トーマス・オートマンがデイレクションするブランド〈ニューリパブリック〉の東京ストアマネージャー、商品企画を経験したのち、2003A/Wシーズンに〈ミスターオリーブ〉を立ち上げた。

 

MR.OLIVE 公式HP
http://www.mr-olive.net/

 

 

Text:MASAHIKO TAIRA[pop*]

 

図2

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