1988年に発売された「M576」と90年代後半に発売された「M574」の間には、知られざる“幻の574”があった。このモデルは「M576」の次に90年代前半に作られたと推定され、オフロードランニングシューズの系譜である500番代に属するモデル。やや広めの履き口や、「M576」と比べて小さなNマーク、スエードとステッチの色が異なるコントラストステッチが特徴。また、調査の結果、初期の「M576」に採用されていた安定性重視のSL-2ラスト(靴型)のソールユニットが採用されているにも関わらず、アッパーはスリムなSL-1ラストを採用している可能性があることが判明。ソールとアッパーを異なる木型を元に製造する、というチャレンジが成されたシューズでもあった。また復刻の参考にしたプロトタイプのサンプル番号がライニングに印字されるなど細部にもこだわりを見せている。
カラーはオリジナルを再現したネービー、バーガンディとブラックは初期のスエード/メッシュ「M576」からインスパイアされたカラーを採用し、ブランドを象徴するカラーを継承。