もともとは<ナイキラボACG>のコレクションから今年の5月に発表された「ACG.07.KMTR」というモデルがありまして、その派生型として発売されたのがこちら。
<ナイキ スポーツウェア>のナイキ コミューター SE1万5000円(ナイキ カスタマーサービス➿0120-6453-77)
ベースになった「ACG.07.KMTR」をデザインしたのは、<ナイキラボACG>を手がけているエロルソン・ヒュー。機能的で革新的なアパレルで知られるブランド、<アクロニウム>の創立者です。スニーカーのデザインにも「機能は美しさを損なうべきではない」という彼の信念が反映されています。「ナイキ コミューター SE」に落とし込まれた大きな特長は、こちらの3つ。①甲にマグネット式のクロージャー、ヒールにケーブルポートを装備した画期的な脱着システムにより、軽快な履き心地が素早く得られます。②タンとボディが一体化したラッピングタイプの構造により、靴の内部に砂や水が侵入するのを防ぎます。アウトドアシューズに多用されるガゼットタンと同じ作りです。③ナイロンアッパーには撥水加工が施されていて、サイドからヒールにかけてのオーバーレイはリフレクティブ仕様。少しくらいの雨も夜道でも安心です。
マグネットが仕込まれたバックル付き幅広ベルトが甲に、アッパー内部に張り巡らされたケーブルの端がヒール部分にあります。履く時の手順は、こちらの3つ。①カカトのケーブルポート部にあるトグルのボタンを押しながらタンを垂直方向に立ち上げて(これによってアッパーの内部に張り巡らされたコードが緩む)、履き口を広くしてから足入れ。②ケーブルの端を留めているスナップボタンを外し、トグルのボタンを押しながらケーブルを引っ張ります(これによってアッパーの内部に張り巡らされたコードが締まり、タンが甲を包み込んでフィット)。③最後にベルトで固定。
見た目と機能性はもちろん、履く手順までがフューチャリスティックでテンションが上がりますね。バックルのマグネットがカチッと留まった瞬間に心のスイッチが入るような。荷物を用意して、服が決まって、身支度の総仕上げとなる靴がそういう役割を果たしてくれると気持ちのいい一日になります。
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:NAOYA KANAI
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)