トップス、パンツと全体のワイド化に伴って、アウターもビッグシルエットにシフトしている今冬。“脱シンプル”を標榜する弊誌としても、サイズのみで変化が付けられるこのトレンドは大歓迎!とはいえ、ただアウターだけサイズアップすればいいというほど簡単な話ではない。コーデとのバランスや色使い…etc、ゆるくカッコよく着こなすためのセオリーをここに記した。
Photo : DAISHI SAITO/Styling : YOHEI SHIBAYAMA/Hair & Make : KEN〔Avgast〕/Model : SEN
ゆったりした身頃とドロップショルダーが描き出す柔らかく落ち感のあるフォルムが、リラックスムードの源。濃色でまとめられたインナー&パンツとのトーンの対比もこれにより明確化。ジャストサイズの際に感じられていた“キレイめ”という枠組みから一歩踏み出すことで、コーディネイトに新たなリズムが生まれた。
チェスターコート8万円/エチュード(ナノ・ユニバース カスタマーサービス)、バンドカラーシャツ3万4000円/ロンハーマン(同)、スウェット1万3500円/キャナル ニューヨーク(アダム エ ロペ)、ジーンズ3990円/無印良品(同・有楽町)、スニーカー1万5000円/アディダス オリジナルス バイ ホワイトマウンテニアリング(アディダスグループ お客様窓口)
ジャストサイズならばご覧の通り、すっきりとした縦のラインが形成されて上品な印象。とはいえ教科書通りすぎて、そこに面白みがないのも事実。これをどう着くずすかが腕の見せ所だ。
(※アウター以外は右と同じ)チェスターコート5万9000円/ラブレス(同・青山)
肩まわりの差異がゆくゆくは、シルエット全体にも影響を及ぼす重要なポイント。王道のジャストは、自分の肩幅に合わせてキッチリ収めることで品の良さを演出。対するビッグシルエットは、ドロップショルダーであえて肩を落としたゆるい空気感が魅力。
首の付け根に当たる部分から、肩を通って袖口までの長さが[裄丈]。となれば肩幅が広くなるに従って、ここも長くなるのは必然。コートの場合なら通常は手首を隠すくらいがセオリー。ゆえに手の甲まで隠れるだけで新鮮な印象が手に入る。
一見すると着丈には大して差がないように感じられるだろうが、腕の高さを見てもらえれば分かるようにジャストはヒザ上、ビッグはヒザ下。すっきりまとめるのなら前者だが、ロング丈のコートが注目されている今なら後者。ゆるりとなびくドレープも見所だ。