撥水性のあるアウターと中綿入りで保温性の高いインナーをひとつにまとめたのが<ザ・ノース・フェイス>の「トリプルエックストリクライメイトジャケット」。アウターとインナーがジップでつながっていて、別々にするとそれぞれを単体で着ることもできます。モデル名にある「トリクライメイト」というのは、「TRI=3」と「CLIMATE=気候」を組み合わせた言葉。アウターとインナーをセットで着たり、ソロで着たりすることによって夏を除いた3シーズンに対応するというシステムの名称です。
<ザ・ノース・フェイス>のトリプルエックストリクライメイトジャケット3万7000円(ザ・ノース・フェイス原宿店☎︎03-5466-9278)
アウターの生地は、アクリルコーティングで撥水性を持たせたナイロン。フードはクルクルッと丸めてスナップボタンで襟の中に収納可能です。
首周り、裾、袖口にリブがあしらわれたインナージャケットには高機能中綿のプリマロフトが仕込まれていて温かいのが利点。プリマロフトは、グースダウンの代替素材として米国陸軍・海軍の寒冷地用防寒着にも採用されている超微細マイクロファイバーです。羽毛のように軽くて温かいだけでなく、羽毛にはない撥水性を持ち合わせています。この夢のようなマイクロファイバーを開発したのは、スペースシャトルの断熱材なども製造しているアルバニーインターナショナル社。1983年に米国陸軍から依頼されて、それまで軍の寝袋などに使われていたグースダウンに替わる素材としてプリマロフトを開発しました。
カーキカラーでMA-1のような見た目なので、このインナージャケットからはミリタリーのテイストが漂っています。こういったタイプのウエアにセットされるインナーは単体で着るにはちょっと頼りない(デザイン性に乏しいというか、ダサめというか‥‥)ルックスのものが多かったりしますが、こちらなら安心。単体で着回すのが楽しみになります。
いずれにしてもです。3万円台で2着が手に入り、夏以外の長期間に渡って着用していけるのですからうれしい限り。
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YUTA FUKAZAWA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)