2018.01.17 Wed UPDATE FASHION

〈コロンビア ブラックレーベル〉がファッションの歴史を塗り替えていく。アウトドアブランドのアウターが傑作なワケ 32選 #14

<コロンビア>は、アメリカのポートランドを本拠地にしているアウトドアブランド。創業者のポール・ラムフロムが1938年にドイツからアメリカに移住してきて、小さな帽子問屋の権利を買い取ってビジネスを開始したのが起源です。ブランドのアイコンになっているフィッシングベストは’60年代に登場しています。これまでにアウトドアのフィールドで培ってきた機能素材やディテールを背景にしながら、タウン・ビジネス・トラベルといった日常のシーンに向けてのライフスタイルウエアを展開しているのが<コロンビア ブラックレーベル>。2016年の秋冬にスタートして、今季が3シーズンめとなります。

<コロンビア ブラックレーベル>のマカロラベイジャケット


コロンビア ブラックレーベル>のマカロラベイジャケット2万9000円(コロンビアスポーツウェアジャパン☎0120-193-803
 
こちらのジャケットは、アウトドアテイストがむき出しになった1着ではありません。思い出されるのは、1921年にアメリカのニューヨークで創業したマックレガー社のドリズラージャケット(1945年に発表)であり、1937年にイギリスのマンチェスターで誕生したバラクータ社のG9(1948年に発表)です。メンズファッションの永久定番として受け継がれる、いわゆるスウィングトップのデザインがベースになっているのです。
 

 
スウィングトップのスタイルを継承しつつ、使用している素材は最新鋭というのが<コロンビア ブラックレーベル>らしいところ。3層構造になったマイクロリップストップ生地には、<コロンビア>が独自に開発した防水透湿機能オムニテックが投下されています。ウエアを構成するパーツの縫い合わせ部分から衣服内に水が侵入してこないように、すべての縫い目は裏面がテープによって止水処理されています。これは、本気のマウンテンパーカなどに見られる仕様です。
 

 
スナップボタン留めのフラップが付いたポケットには、止水仕様のジップもプラスしています。

ファッション界のレジェンドといっていいスウィングトップを見事にアレンジした今作のように、<コロンビア ブラックレーベル>は過去と未来をブレンドしていく編集能力がマイスター級。ファッションの歴史が塗り替えられる心地いい瞬間を味わってみませんか。
 
 
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YUTA FUKAZAWA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)

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