2018.02.03 Sat UPDATE FASHION

ゴアテックスの話の続き#2 マーモット編。 アウトドアブランド傑作選 #23

これまでに1月29日公開の記事では<ザ・ノース・フェイス>の「マウンテンライトジャケット」、2月1日公開の記事では<モンベル>の「アルパインサーマシェルパーカ」を紹介してきました。どちらにもゴアテックス素材が使われているのですが、それぞれの違いや特性がどこにあるかについて考察してきました。

今回は、<マーモット>の「ゼットピィーコモドジャケット」になります。

<マーモット>のゼットピィーコモドジャケット


マーモット>のゼットピィーコモドジャケット2万4000円(デサントジャパンお客様相談室☎0120-46-0310

「ゼットピィーコモドジャケット」には、「ゴアテックスパックライト」と呼ばれる素材が使われています。前回紹介した<モンベル>の「アルパインサーマシェルパーカ」に採用されている「ストレッチゴアテックスファブリクス3レイヤー」は、防水透湿性のあるゴアテックスメンブレン(膜)が表地と裏地でラミネートされた3層構造でした。これに対して、「ゴアテックスパックライト」は2層構造。<モンベル>の「アルパインサーマシェルパーカ」は裏地が起毛加工されたポリエステルだから防寒性があるという話をしましたが、こちらの「ゼットピィーコモドジャケット」に使われているゴアテックスには、そもそも裏地がありません。裏地をあしらわず、その代わりにポリウレタンコーティングを施しています。ゴアテックスメンブレンがむき出しの状態だと、汗や埃によって防水透湿機能の劣化が早まってしまうからです。

裏地をあしらっていないことのメリットは、着用した際に軽さと柔らかさが得られるところ。「ゴアテックスパックライト」のパックライトという言葉は、バックパックの中にパッキングして軽く持ち運べるということを表しています。アウトドアの活動でいうと、ライト&ファストな行動が重視されるトレイルランニングやライトウエイトトレッキング、スピードクライミング向き。少しでも重量を軽くしてスピーディーに動きたい人が選ぶゴアテックスなのです。また、その軽さと柔らかさから夏向きのゴアテックスともいえるでしょう。

袖には「GORE-TEX®」としか入っていないのですが、実はこういう特性がある1着でした。前回の<モンベル>の「アルパインサーマシェルパーカ」前々回の<ザ・ノース・フェイス>の「マウンテンライトジャケット」と比較して、自分向きのパートナーを見つけだしていただけると幸いです。

Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YUTA FUKAZAWA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)

« 一覧