街でアウトドア系の機能服を着て、その恩恵を享受する。しかも、野暮ったく見えないモノトーンカラーでスタイリッシュに。そんな「アーバンアウトドア」のスタイリングは、もはや街の光景として定番になっています。これからやってくる春に向けては、まだまだ寒かったり、雨に降られたりするのに備えてシェルを用意しておきたいところです。それも、「渋いですね!」と評価されるブランド選びで余裕を漂わせることができれば最高。
<セブンメッシュ>のガーディアンジャケット6万1000円(ビームス 原宿☎︎03-3470-3947)
カナダ南西部のバンクーバーから北に60キロほどのところにあるのが、スコーミッシュという町。スコーミッシュとは、この土地に暮らしてきたネイティブカナディアンの部族の名前で「神聖な水の人々」という意味です。スコーミッシュ語では「Sḵwx̱wú7mesh」と表記されるそうですが、これを英語の音に当てはめた「Squamish」が町の名称になっています。
<セブンメッシュ>というブランドネームは、「Sḵwx̱wú7mesh」の大地に誇りと尊敬の念を込めて、後半の「7mesh」の綴りを抜き出したもの。スコーミッシュには、ザ・チーフと呼ばれている大きな岩山が存在しています。そこはスコーミッシュ族にとって神聖な場所であり、ロッククライミングの聖地としても世界的に知られています。スピリチュアルであると同時にアウトドアアクティブが盛んなスコーミッシュを拠点にして2015年から本格的な活動を開始した<セブンメッシュ>は、サイクリング分野の様々なライダーをターゲットにしてアパレルを開発しているブランドです。
実は、この<セブンメッシュ>、カナダ生まれのアウトドアブランドとして超有名どころの●●●●●●●(7文字です!)の創始者をはじめとする数人のメンバーが立ち上げたブランドでして、歴史は浅くても注目度は激しく高め。
こちらの「ガーディアンジャケット」には、ゴアテックス アクティブが使われています。防水耐久性と防風性があり、ゴアテックス素材の中でも最高度の透湿性を誇る素材です。2層でも2.5層でもなく、しっかりとした 3層構造ですが、表地がゴアテックス素材の中では薄手といっていい20デニールのナイロンなので軽くて柔らかくて動きやすい仕上がりになっています。春シーズン向きの着やすさで、天候が荒れても激しく動いても大丈夫。
前身頃よりも後ろ身頃が長いデザインは、サイクルジャージーと同じ発想によるもの。自転車に乗った際の前傾姿勢を計算してのことです。ポケットが高い位置にセットされているのは、ペダリング中でもアプローチしやすようにとの配慮から。フードはヘルメットの上から被ることができるサイズバランスで、後頭部に配されたドローコードを片手で引っ張ることでフィット感の調整が可能です。
これらの特徴によって自転車に乗っている時にはもちろん頼りになりますし、降りてからの様々なアクティビティにおいても難なく対応してくれます。登山用のハードシェルとしても活躍してくれるでしょうし、落ち着いたグレーカラーでシンプルな印象のデザインだから街着としてもファーストチョイスになり得るのです。
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YOHEI SHIBAYAMA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)