2018.02.21 Wed UPDATE FASHION

米海兵隊の極寒地用パーカと同じ機能素材を採用したアルクフェニックス 春のアーバンアウトドア計画「モノトーンカラーのシェル編」

街で機能派ウエアを着こなす「アーバンアウトドア」のスタイリング。そこに使えるモノトーンカラーのシェルパーカは、「渋いですね!」と評価されるブランド選びでいきましょう。

19日に公開した記事では、レジェンド葛西紀明選手もびっくりのレジェンドすぎるアウトドアブランド<エル・エル・ビーン>からオススメをピックアップしてみました。本日は、その葛西紀明選手が平昌で競技後のインタビュー時などに着ていた<フェニックス>から派生している新鋭ブランドの注目作です。

<アルクフェニックス>のザック アノラック/エピック


アルクフェニックス>のザック アノラック/エピック3万6000円(フェニックス ストア ハラジュク☎︎03-5778-4006)

<アルクフェニックス>は、2015年の春夏シーズンからスタート。<トローヴ>や<テアトラ>で知られるデザイナーの上出大輔さんを統括ディレクターに迎えて始動しました。コンセプトは、「歩くための機能服」。散歩に行く、食事に行く、遊びに行く、買い物に行くなど、日常の中の歩くという行為に着目して、様々なシーンにフィットする機能とデザインが備わったウエアを展開しています。トレイルランナーやU.L.(ウルトラライト)ハイカーとして山とつきあっている人が普段着として着られるブランドを志向しているようです。

「ザック アノラック/エピック」に使われているのは、超撥水で防風性にも優れたエピックという名称のナイロン。水に強い素材といえば、ゴアテックスに代表されるように水滴を通さずに水蒸気を逃がすメンブレン(極薄フィルム)が表地と裏地の間にラミネートされたものか、生地の表面にコーティング加工が施されたものがほとんど。ところが、このエピックの場合は糸を構成している繊維の1本1本にシリコンポリマーを染み込ませて表面に皮膜を張り、繊維と繊維の間にミクロの隙間を残すことで高い撥水性と通気性を確保。つまり、生地が2層にも2.5層にも3層にもならずに1層のままで済んでいます。生地がゴワゴワしていないから軽くてしなやかな着心地が得られ(ストレッチ性もあるので、なおさら楽チンです)、使用しない時はコンパクトにたたむことができるということ(同素材の収納袋付き)です。洗濯を繰り返しても撥水効果が持続するという利点もウレシイ限り。このエピックという素材はアメリカ海兵隊が採用している極寒地用パーカ(プリマロフト入り!)の表地にも使われてきました。米軍も信頼を置いているマテリアルなのです。
 

 
プルオーバーデザインで、フロントには大きなポケットがあしらわれています。スナップボタン留めの大きなフラップが被せてあり、そのフラップの裏面にもジップポケットが配されています。大きな容量のポケット内は空間の前側にオープンポケットがセットされ、後側にジップポケットが設けられた作り。いろいろと荷物の仕分けができて便利です。
 

 
フードのエッジ部分や裾にはリフレクタープリントが施されているので夜間でも安心です。
 
 
 
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YOHEI SHIBAYAMA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)

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