2018.03.19 Mon UPDATE FASHION

高機能は、街履きでもアドバンテージに! ザ・ノース・フェイス発! 春のアーバンアウトドア計画「機能性たっぷりのシューズ編」#3

「戦後の日本に初めて登場した本格的なエッセイ」と評されているのが、伊丹十三の『ヨーロッパ退屈日記』です。非常に面白い本です。その中には、「男のお洒落は、場違いであってはならぬ」という訴えがあります。確かに、その通りです。ですが、今日はあえて「場違いが人生の可能性を切り拓く。なんなら、場違いこそが人生だ!」という話をしてみたいと思います。

<ザ・ノース・フェイス>のエンデュラストレイル


<ザ・ノース・フェイス>のエンデュラストレイル 1万5000円(ザ・ノース・フェイス 原宿店☎︎03-5466-9278

「エンデュラストレイル」は、ロングディスタンスを走り抜くトレイルランナーのために<ザ・ノース・フェイス>が用意している1足です。外観から見て取れるのは、脚への負担を減らすために厚底のデザインになっているところ。このミッドソールには「エクストラフォーム™️」が採用されています。柔らかいミッドソールを硬度の高いシェルで包み込むという新しい2層構造により、優れたクッション性をキープしながら走行時の横ブレを抑えて安定性をもたらします。厚底なので見た目的には量感ありですが、実際に履いてみると驚くほど軽い仕上がりです。軽くて柔らかい履き心地なのに安定感があるという逆説の効果で、さらなる驚きがもたらされます。

同じロングディスタンス対応の靴であっても、舗装路を想定しているマラソンシューズとは大きく異なっているのがソールの仕様。山道の登り下りがあるトレイルランナーにとっては、グリップ力の高いソールが必須です。滑って転倒することは避けなければなりません。そのために選ばれているのが、「ビブラムXS トレックアウトソール」。「こういうソールって、アスファルトの上だと歩きにくいのでは?」なんて思う人もいるかも知れませんが、そんなことはありません。むしろ、ひとつひとつの突起からグイグイと推進力をもらえる感覚です。もちろん、花見や公園散歩などで土の上を歩いたりする際には、このソールの恩恵をばっちりと受け取ることができるでしょう。思わず走り出したくなるかも知れません。

アッパーは、シームレス仕様のメッシュ地。つま先は、TPUフィルムのトゥキャップで保護されています。ライニングに使われているのは、速乾性が高くて靴内部の温度上昇やダメージの発生リスクを軽減してくれる「フラッシュドライ™️」。インソールは、優れた通気性とクッション性が自慢の「オーソライト®︎」です。

つまり、この靴のどこをとっても機能性だらけ。街で履く人にとってもアドバンテージのオンパレードになっています。

トレイルラン用のシューズを街で履く。これこそ、ザ・場違いです。「男のお洒落は、場違いであってはならぬ」という教えに背くかたちにはなってしまうのですが、「いい時代になったものだ。そういう場違いなら非常に合理的でよろしい!」と伊丹十三先生も許してくれるような気がします。

Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YOHEI SHIBAYAMA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)

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