2018.04.03 Tue UPDATE CULTURE

竹原ピストルの新作は、明日へのエールが詰まった超感動作!! 制作秘話を直撃!

明日4/4に、今の自身の真の叫びを綴ったNEWアルバム『GOOD LUCK TRACK』をリリース!! その直前の心境を大いに語って頂きました!!
MJPだけに語ってくださった秘話もあります!!

アコースティックギターを手に、魂のすべてを込めたような熱い声に、心を揺さぶられるリスナーが増殖中の、竹原ピストル。1年ぶりに届けられたアルバム『GOOD LUCK TRACK』には、これまで伝えきれなかった真の叫び、そして明日へ力強く歩んでいくためのエールが詰まった、感動と興奮の仕上がりになっている。
 
 
 

ようやく『自分の歌』を届けられる時が来た

──昨年は「よー、そこの若いの」で第68回NHK紅白歌合戦にも出演されるなど、知名度がお茶の間レベルにまで達した1年でしたね。

「歌うたいとして活動の成果に恵まれた1年でした。これまで音楽や演技など、あらゆることに全力を尽くして取り組んできたつもりなのですが、その歯車がようやく噛み合って、前に進んでいる感じがしますね」

──全国津々浦々を勢力的にライヴ活動をしてきた成果なのではないでしょうか。

「お客さんが一人でも増えるように一生懸命ライヴをつき通してきたつもりではありますけど、それだけではなくて。いろんな方々にTVCMソングや映画で役者としての活動など、たくさんのチャンスをいただいたからこそだと思っていて、とても感謝しています。この恩返しはきっと、ライヴを精一杯やり、それを観ていただいたお客さんが楽しんで帰っていただくことで果たせるんです。そう考えて活動するようになりましたね」

──そして、このたびアルバム『GOOD LUCK TRACK』が完成。

「昨年の成果として、僕のことを知っていただいた方に対して、ゼロから『自分はこういう歌をうたっている者ですが……』ということを理解していただくためのアルバムです。実質的な1stアルバムと行っていいのかもしれないです」

──なるほど。竹原さんの本領発揮ができたと?

「これまでの作品は、どうにかして自分の名前を世に知ってほしいという気持ちで作っていた部分がありました。でも、今回は知っていただいた方々に改めて『自分の歌』を届けたいという思いのほうが強かったですね」

──竹原さんの音楽のイメージは、弾き語りでシンプルかつストレートに魂の叫びを歌にぶつけるという感じだったのですが、この作品では異なるアプローチを感じる楽曲も。

「弾き語りのスタイルは、自分の原点なので大切にしているんですけど。今回は『この楽曲は、こういうアレンジにしたらもっと面白くなるのでは?』というアイデアが生まれたとたん、手段を選ばずに取り入れて完成させたって部分はありますね」
 
 
 

歌にのせるからこそ伝えられる、男の本音

──アルバムの冒頭を飾る「ぼくは限りない~One for the show~」は、限りないアイデアを自由に表現しようという、竹原さんの気概を感じました。

「ああ。言われてみたら確かに。そういう気持ちがあって作った部分もあったのかも。『てな訳で、アルバムを楽しんでください』みたいな(笑)」

──また、この楽曲もそうですが、ラップを取り入れたものが多いですよね。

「ラッパーさんへの憧れが強いので。ああいうカッコいいものに挑戦してみたくて、ちょいちょいそういう楽曲が入っています」

──韻の踏み方も独特ですよね。最初の言葉で踏んでいたりとか。

「なんだか、ひっくり返すのが気持ちよくなったりするんですよね(笑)」

──アレンジも、アコースティック曲もあれば、ロック、ファンク、さらにはレゲエやストリングスなどを取り入れたものなど、幅広い。

「ポンと思い浮かんだ音を、そのまま表現している感じです。今、とても便利な音楽制作アプリがあって、ガレージバンドというんですけど。あれだけが、僕が使える唯一の機材でして(苦笑)。それでデモを作ってスタッフさんに渡して、これを表現するためにはどのようにしたらいいのか判断してもらい、アレンジが決まるというケースが多かったですね」

──歌詞に関しては?

「それも思いつくがままですね。でも、最近は今回のアルバムに収録されている『いくぜ!いくか!いこうよ!』など、ありがたいことにタイアップのお話をいただいて楽曲を制作する機会も増えまして。先方のリクエストに寄せて作ることも多くなったんです。そういう作り方も楽しかったりするので、あえてスタッフさんにお題をいただいて歌詞を作るというやり方もありました」

──中でも「I miss you…」は、面白いですよね。別れた恋人に対する未練というか、相手の新しいパートナーに対する嫉妬心みたいなものが、赤裸々に綴られていて。

「(笑)。これは実話か創作かと言われたら、後者なんですけど。一度好きになった人って、男は忘れられないものじゃないですか。自分にもそういう未練がましさがあって…、という書き方ですよね。なので、創作といっても、自分の感情の中にないものは書けないですよね、という感じです」

──特に最後のフレーズが印象的。

「そうですね、恋人だった人を自分が付き合っていた時以上に笑わせるんじゃないぞ、新しい恋人に恫喝するみたいな(笑)。でも、こういう思いって面と向かってだったら、さすがに言えないですよ。歌にのせるならいいかって感じで(笑)」
 
 
 

下積み時代を支えた「仲間」へ感謝のメッセージ

──また「ドライブトライブ ~初代機材車、二郎号に捧ぐ~」は、これまで竹原さんとツアーをともにしてきたパートナーである「クルマ」との別れを綴った楽曲ですよね。最後まで聴くと、いかにその「クルマ」が竹原さんにとって重要な存在であったかがわかります。

「サブタイトルを付けないと、何について歌っているのか伝わらない楽曲かもしれないですね(笑)。これまで一緒にツアーを回って、時には楽屋や寝床代わりにもなっていたクルマがあったんですけど、ついにボロボロになり走れなくなってしまったんですよ。その中で、当時よちよち歩きだった僕の子供が遊んでいる姿を見た時、ボロボロになった戦士が孫を抱きかかえているような、新たな生命を吹き込んでいるような妄想が膨らんで、この楽曲が生まれましたね」

──確かに、愛着のあるものと別れなくてはいけない時には、そういう切なさみたいなものは湧き上がってきますよね。

「今まで、この楽曲に焦点を当てていただいたインタビューがなかったので、ここでようやく伝えたいことが言えたという気分になりました(笑)。一番バリバリにライヴで動いていた頃をともにしていた『仲間』のための楽曲なので!」

──また、このアルバムを携えて6月から『全国弾き語りツアー”GOOD LUCK TRACK”』という新たな旅がスタートしますね。

「キザったらしく聞こえるかもしれないですが、僕は歌うたいの生涯をかけていて、これ以上ないと胸を張って言えるくらいの最高のライヴのセットリストを作るために曲作りをしているところがあるんです。『ここにこういう楽曲があれば、絶対に強いぞ!』みたいな。今回のツアーは最新アルバムの楽曲の中から最強のものを披露するのが中心になるとは思いますが、これまで最前線で活躍してきた楽曲も盛り込みますし、また旅の途中で生まれた楽曲も披露することになると思う。そのあたりはごっちゃ混ぜで、日々進化しながらいいパフォーマンスをしたいですね」
 
 
 

挑戦したことは、必ず自分の人生の役に立つ!

──最後にMJP読者にメッセージをお願いします。

「本当は挑戦してみたいけど、躊躇してしまうことがあると思います。そこに臆することなく、どんなに恥をかいてもやったほうが、豊かな道のりを歩めそうだと、最近思うようになりました。また、もし失敗したとしても、それが必ず人生のどこかで役に立ちそうな気もするし。だから、お互いいろんなことに挑戦していきましょう」

──ちなみに、竹原さんが今挑戦したいことは?

「たとえば、役者業に関してですが、今まではオファーをいただいて自分ができる範囲のことをやらせていただく、という姿勢でいたんですけど、今後はこちら側から『使ってください』という気持ちで臨んでいきたいですね。音楽に関しても、今年1月に北京でライヴをやったんですけど、それがすごく楽しくて。日本と同じように海外でもいろんな場所でライヴをやってみたい。海外の方にも僕のことを知ってもらえるような歌を作りたいという気持ちがとても強くなりましたね」
 
 
 
PROFILE
1976年千葉県生まれ。1999年より音楽活動を本格的に開始、09年よりソロ転向。また役者としても高い評価を受け、映画賞も獲得している。6月14日〜全国弾き語りツアー”GOOD LUCK TRACK”がスタート。ツアー情報は
http://www.office-augusta.com/pistol/index.html


『GOOD LUCK TRACK』
スピードスター レコーズ/ 2900円
4/4発売

真骨頂であるギターの弾き語りから、圧倒的なラップを繰り広げる楽曲など、彼の奥深い表現力や息づかいを感じることができる仕上がり。ライヴで生の叫びを体感したくなる。初回限定盤は、2017年12月に行われた全国弾き語りツアー“PEACE OUT”の中野サンプラザ公演より、「よー、そこの若いの」などのライヴ映像を収録したDVD付きで3300円。
 
 
 
Photo:MUTSUHIRO YUKUTAKE(S-14)
Text:TAKAHISA MATSUNAGA

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