2019.04.28 Sun UPDATE CULTURE

海外を旅するアーティスト・Baby Kiyの「大切な人を思って聞いてほしい」1曲

海外のビーチや街で様々なカルチャーに触れ、その影響も受けながら作詞作曲、演奏を行うアーティスト・Baby Kiy。自身の自然体な生き方を発信するInstagramは28万人以上からフォローされ、10代・ 20代を中心に熱い支持と共感を得ている。そんなさまざまなカルチャー界から注目を浴びる彼女の新曲「Stay Together」と、彼女のミュージシャンとしての来歴について聞いた。

――お母様が音楽家で、小さな頃から音楽が身近にあったそうですね。

「母は大学でミュージカルの歌を教えていてり、周りにもたくさんミュージシャンがいたので、、ずっと音楽に囲まれて育ちました。家にボイストレーニングの生徒が来ていることも、バンドの人が来てリハーサルをしていることもありましたね。レコーディングの現場にも行ったときは、5歳なのに『さっきのテイクのほうがいい』みたいに言っている子供でした(笑)」

 

――特に好きだった音楽は何ですか?

「最初に好きになったのは、学校で流行っていたロックです。イケているコがバンドを組む習慣があったので、その仲間に入りたくてギターを始めて(笑)。もともとR&BやHIPHOPも好きだったので、R&Bのユニットも組んでいました」

 

――そこから現在のような弾き語りのスタイルになったのは?

「R&Bのユニットとは別に、学校の友達とアコースティックのユニットも組んでいたんです。そのユニットにはプロのコもいたので、そこで自分も本気になっていった感じでした」

 

――ミュージシャンになる夢は小さい頃から持っていたんでしょうか?

「持っていましたが、親の周囲にレベルの高いプロの人が多すぎて、逆に言えなかったです。友達と曲を作るようになり、少し自信がついてから『音楽をやりたい』と親に打ち明けました。一時期は『音楽より遊びのほうが楽しい!』という頃もあって、19歳のときにはニューヨークの語学学校にも少し通いましたが、そこで学校の先生にに『あなたは何をしに来たの?』と聞かれて。みんな夢を持ってニューヨークに来た人ばかりで、街の雰囲気もパワフルだったので、そこから『自分がやりたいことは音楽なんだ』と本気になりました」

 

――現在は、世界中のビーチを旅して、そこで得たインスピレーションをもとに作詞・作曲を行う……というのがミュージシャンとしてのカラーになっていますね。

「1人旅をすると考える時間も増えますし、旅先での一週間は、日常生活の一週間とは比べものにならないほど濃密。その経験が曲のアイデアになることも、メモしたフレーズが歌詞になることも多いです。日常生活だけを切り取ると、少し生々しくなってしまうことも、旅のフィルターを通すと歌詞にできるんです。もう私は、旅をしなければ曲も歌詞も書けないです(笑)」

 

――以前も楽曲の制作期間中に抜け出して、宮古島に行ってしまったことがあったそうですね。

「『もう無理!』と思って、誰にも言わずにチケットを取って勝手に行っちゃいました(笑)。一緒に制作している人も、私のそういう性格を理解してくれていて、私も『帰ってから絶対やるから!!』って約束して。それで期限ギリギリの時期から一気に曲を書きました」

――Instagramを見ると、この数カ月でもハワイやオーストラリアなど、いろいろな場所を旅されていますね。4月19日にリリースの新曲『Stay Together』にも、その経験は生かされていますか?

「そうですね。今回は恋愛要素のある曲ですが、ハワイで会う友達とも恋愛話で盛り上がったり。よく『女子は常に恋に悩んでいる』って言いますけど、本当にそうだなと思ったし、『わかるわかる!』と思って聞きつつ、自分の昔の思い出も引っ張り出してきて歌詞にしました」

 

――『Stay Together』では、なかなか素直になれない女の子の感情を描いていますよね。

「女の子って強がっちゃうんですよね。あと今回は、出会いと別れの季節のリリースなので、曲調は明るいけど歌詞は切ない雰囲気にしたくて。聞くことで前向きな気持ちになってくれたらいいなと思って制作しました。音楽を始めた頃から私を応援してくれている人は、8割くらいが女の子なので、彼女たちの背中を後押しできるような曲にもしたかったです」

 

――曲作りの部分でも苦労は多かったですか?

「今回は大変でしたね。最初にできたトラックがすごくJ-POPらしい雰囲気で、大きなメロディを載せると単調になりそうだったので、違うグルーヴを感じられるようにギターのフレーズも工夫しました。メロディも詰まっているし、日本語の歌詞なのに文字数が多いし、楽譜に落とし込むとすごく不思議な曲なんですよ」

 

――歌詞の切なさと、曲の明るさが同居する雰囲気が何とも言えず、とてもいい曲だと思いました。

「歌詞も後半に進むに連れて内容を変えていきました。最初はひとりぼっちで切ないイメージで最後のサビでは、『完璧な2人じゃなくても、未来に向けて前向いて進んでいこうよ』と訴えるいうようなイメージですね。聞いた人それぞれに、自分のストーリーを感じてもらえたら嬉しいです」

 

――『Stay Together』では最初に波の音も流れますし、歌詞にも海岸線という言葉が出てきます。この曲を聞いたときの感覚は、一人でビーチで佇んでいるときの感じに近いなと思いました。ビーチはBaby Kiyさんの曲では常に重要な要素ですか?

「重要ですね。私、いつもポジティブでハッピーに見えて、『何でそんなに笑顔でいられるんですか?』と聞かれたりするタイプなんですけど、海辺で1人で感傷的な気持ちに浸るのもすごく好きなんです。ちょっと肌寒い夕暮れのビーチで、『切なっ……』って感じながらよく佇んでいますね。特にオーストラリアのバイロンベイのザ・パス(The pass)というビーチが、すっごく切なくて。ちょっとだけ湿り気のある空気で、日も沈んで、遠浅な海にすごいメロウな波がずっと続いていて……という景色を眺めていると、止まらない時間の中にいる感覚になります」

 

――この曲も、そうやって1人の時間に浸りながら聞けるような雰囲気ですよね。ミュージックビデオでもビーチでの撮影もありますが、そのアイデアも自分から出されたんですか?

「はい。最初は白ホリ(白壁)のスタジオだけで撮影する予定だったんですけど、これまでジャケ写も含めて外での撮影ばかりだったので、室内だけだと少し不安で。外でのシーンや、友達と喋っている日常生活っぽいシーンも入れるように提案しました。でも白ホリの雰囲気もすごく気に入って。アー写も『白ホリで!』と自分からリクエストしました(笑)」

 

――今回のジャケ写はシンプルでかっこいい雰囲気ですよね。曲の雰囲気とも合っているし、切なさも強さも伝わってくる感じがしました。

「そういう感じを狙っていたんで嬉しいです! 広い空間にひとりぼっちの感じを出したかったんですよね」

――今年の夏は「夏びらきMUSIC FESTIVAL 2019」への出演がすでに決まっていますが、ほかにも沢山ライブをしたいですか?

「したいですね!ミュージシャンって、もっと派手な仕事だと思っていたんですけど、制作しているときはスタジオに何十時間も引きこもるし、帰っても歌詞書いて、ギター練習して……と、本当に地味で。半年くらいはそういう期間なんですよ。 でも夏はステージにたくさん立てて、みんなとちゃんと触れ合える。楽しいことがいっぱい待っている季節なんですよね」

 

――音楽の部分では「今後はこういう曲を書いていきたい」というような目標はありますか?

「夏に向けて、明るく元気が出るような曲や、ライブが楽しくなるような曲、みんなが動きたくなるような曲をいっぱい書きたいです。今ライブに来てくれているコたちには、あまりライブ慣れしていない感じの子も多くいると思うので。」

 

――Instagram経由でBaby Kiyさんを知った方も多いんでしょうね。

「そうですね。『ライブってどうやって盛り上がったらいいんだろう?』というコたちが多いから、そういうコも自然に楽しめるような、手拍子をしたくなるような曲も作れたらいいなと思っています」

 

Digital Single「Stay Together」
2019.04.19(Fri) Release

Baby Kiy(ベイビー・キイ )

シンガーソングライター/ビーチトリップシンガー

1992年11月17日生まれ。海外を旅をして出会う人、ビーチや街、その土地の音楽に触れて、様々なカルチャーに影響を受け、作詞作曲、演奏を自ら行うアーティスト。ナチュラルなライフスタイルを自身のInstagramで発信し、その自然体な生き方に憧れる女性が増え、現在のフォロワーは28万人以上。10代・ 20代を中心に熱い支持を得ている

Baby Kiyオフィシャルサイト

Baby Kiyインスタグラム

 

取材・文/古澤誠一郎

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