2018.06.19 Tue UPDATE CULTURE

注目の時代劇舞台『暁の帝〜壬申の乱編〜』小澤雄太、八神蓮、森田桐矢が魅力を語る!!

劇団EXILEで活躍する小澤雄太が主演を努める舞台『暁の帝〜壬申の乱編〜』が6月27日から7月1日までシアターグリーンBIG TREE THEATERにて上演される。今回は、小澤雄太、八神蓮、森田桐矢の3名に舞台の見どころや、意気込みを語ってもらった。

【インタビューメンバー】
小澤雄太(写真中央)/1985年10月8日生まれ、東京都出身。「HiGH&LOW」シリーズや「ろくでなしBLUES」「花咲くあした」といったドラマや映画に出演し、2017年放送のドラマ「ウルトラマンジード」では伊賀栗レイト役を務めた。また8/5~8/19までTBS赤坂ACTシアターにて舞台「八王子ゾンビーズ」に出演する。

八神蓮(写真右)/1985年12月14日生まれ、愛知県出身。2006年12月にミュージカルテニスの王子様でデビュー。2008年よりドラマや映画に多数出演し、2016年よりtvkお昼の情報番組「猫のひたいほどワイド」月曜レギュラーMCに抜擢され以後、番組MCも増え幅広く活動。

森田桐矢(写真左)/1997年4月19日生まれ、埼玉県出身。モデルとして活躍する中、2013年「比類なき明日の君へ」で初舞台。以降、「ミュージカル・テニスの王子様 青学vs山吹」や「私のホストちゃん REBORN〜絶唱! 大阪ミナミ編〜」など舞台を中心に活躍中。

 

――『暁の帝〜壬申の乱編〜』は壬申の乱をモチーフにした古典エンターテイメントなんですよね。どんなストーリーなのかを簡単に教えていただいてもよいですか?

小澤雄太(以下:小澤) 「『暁の帝』は、日本がまだ倭国という時代が舞台。人々が話し合い、女の人と男の人が交互に指導者の立場になったりしながら時代がつくられていく、本当に日本が出来る前の段階の一番最初のお話というか。日本人が日本人らしくなるまでに行われてきた、最初の日本みたいなものを、僕たちが描く感じになるのかなと思っています。なので、時代劇というよりは、自分たちが今生きてる最初を見せるといいますか」

――学生時代に社会が苦手だったり、歴史に詳しくない人でもすんなり入れそうですか?

小澤 「もちろん、どんな方でもわかりやすく楽しく観られるように作っていこうと思っています。何もかも全部含めて、観てくださった方が明日がんばろうと思えるような作品にするのが目標。なので、舞台というものにハードルの高さを感じてしまうという方は、ぜひ1回だまされたと思って来ていただければ。生の迫力やライブ感みたいなものって、やっぱり何にも変えられないエンターテイメントなので、そこに足を運ぶことに意味があると思うんです」

 

――ライブを見に行く感覚で足を踏み入れてみるのも手ですね。事前に歴史の勉強をしなくても大丈夫そうですしね。

八神蓮(以下:八神) 「全然大丈夫です!」

 

――それぞれ演じられる役についてお伺いしたいと思います。小澤さんが大海人皇子。八神さんが中大兄皇子。森田さんが大友皇子ですよね。八神さんが演じられる中大兄皇子は、この作品の中では、どういう風に描かれていますか?

八神 「まだ台本が上がってくる前なのでズレがあったら申し訳ないのですが、僕が感じたのは、中大兄皇子は国のために様々な犠牲を払ったかもしれないけど、自分を信じまっすぐに生きた人物だと思っています」

 

――実在の歴史上の人物がいて、それを今の時代の八神さんが演じられるということに関しては、ご自身が演じるキャラクターとしてフィードバックされたりすることもありますか?

八神 「普段、舞台のお仕事ではあまりないことなんですけど、今回は勉強会を開いてもらって、歴史上の出来事や、人物について色々と教えていただいたんです。稽古前に、その時代背景を知るための本を読んだり、勉強をする機会をいただけるのって本当に貴重なことで。中大兄皇子という名前はみなさん聞いたことはあると思うのですが、彼の生涯までは知らない人がほとんど。僕自身も、勉強をすればするほど、新しい発見があります。それに、たくさんの人が演じてきた役ではないと思うので、あんまり先入観なしで観ていただけるのかな、と。逆に、史実と違う風に僕が演じてしまったら、この舞台に来てくださった方にとっては、それが中大兄皇子になっちゃうと思うのでそこは大切にしないといけない部分だな、と責任感を感じます」

 

――八神さん演じる中大兄皇子は、小澤さん演じる大海人皇子の兄役なんですよね。

八神 「でもまあ兄とはいっても同い年なんで、実際は」

小澤 「そうですね。世代が一緒だから共通するエピソードっていうのは話してたらすぐ出てくると思うので、たぶんすぐ仲良くなれると思います」

八神 「『メンズジョーカー』だってそうだよね。憧れの雑誌なので」

小澤 「そうそう! まさにですよ」

 

――本当ですか。ありがとうございます! お稽古を重ねるうちに、兄弟同士のみたいな仲の良さみたいなものは出て来そうですしね。あ、でも役の上では仲が良すぎてもダメなのかもしれませんが。

小澤 「いやいや、そんなことないですよ。そこは、ちゃんとした信頼を築いて仲悪くしていかないと、結局作って来たものを本番で出せないというか。お互いが信頼した上で、ここまでいこう、みたいなことをちゃんと話ながら仲悪くしていかないと」

――なるほど。

小澤 「本当に仲良くなかったら、仲悪くはなれないと思うんです。兄弟の絆ってそうじゃないですか。いくらケンカをして、ばかだなって言い合ったとしても、それは血が繋がっているからだったりもするし。見えないところでの切れない絆みたいなものをちゃんとつくっていければなと思っています」

 

――森田さん演じる大友皇子は、小澤さん演じる大海人皇子とは敵対する役で、八神さん演じる中大兄皇子とは親子関係なんですよね。

森田桐矢(以下:森田) 「そうです。お父さんと叔父の間で揺れ動いている役で。お父さんが自分を後継者にしようとしてることを知ってうれしいけど、小さい頃から一緒に過ごして来た叔父である大海人皇子に対する絶対的な憧れもあって。だけど、その大好きな叔父と戦わなきゃいけないっていう心苦しさを抱えてはいると思うので」

小澤 「彼の葛藤は、この舞台でのキーポイントです。彼が悩むところを見ていただいてから、僕と彼が戦うシーンを見ると複雑な感情が浮かび上がってくると思うんです。だから、森田くんのお芝居次第っていう部分も大いにありますよ」

森田 「ちょっと待ってください、それはずるいです(笑)」

 

――どうしても勝者にスポットがあたりがちなので、葛藤している側の心情だったりがわかるとグッと入り込みやすいかもしれないですね。

森田 「そうですね。そういう部分を見せて、観ている方に共感していただくことが大きな役目だと思っているので、精一杯稽古に励んでいきたいなと考えています」

 

――ちなみに、森田さんは大友皇子はご存じでしたか?

森田 「本当にうっすら名前を知ってるという程度ですね。歴史上の人物のうちの1人という認識だったんですけど、その人を演じるとなったら、歴史の横のラインをどこまでも掘り下げていかなければいけないというのがまず最初にプレッシャーとしてありましたね」

 

――ポスターなどのビジュアルを拝見すると、かなり現代っぽいといいますか。“THE時代劇”というイメージとはかなり違いますね。

八神 「そうですね。衣装もファッション的で、ランウェイを歩いていてもおかしくないようなデザインなんです。だから、当時をそのまま再現するような雰囲気ではないと思います」

森田 「僕の衣装もシルクで作られたモノトーンのサラッとした衣装で。シルエット的には現代に寄せたアートな世界観があるように思えました」

小澤 「だからこそ、『暁の帝〜壬申の乱編〜』はたまたま時代背景が飛鳥時代というくらいの気持ちで来ていただきやすいのかな、と」

――なんとなくですけど、着物姿で、髪が長くて、ひげが生えてて、みたいなイメージがあったので意外でした。

小澤 「でも、それも結局は固定概念で、今も現存する昔の絵にはそういう風に描かれているからじゃないですか。これは僕の個人的な考えですけど、現代の日本でも結婚式へ行くときに正装するような感覚で、絵に描かれている彼らは正装してかしこまっているのかな、と。現代人が美化した写真をインスタに残すように、美化された姿が残っているだけ。そう考えると、今の人も、昔の人も、人間という点では一緒なんですよ。だから、便利になりすぎた世の中を生きている僕たちが、もっとはじめのものを見つめ直さなきゃいけないんじゃないかって。もしかしたら解釈としては間違っているかもしれませんが、僕としてはそういう思いを大切にしたいんです」

 

――なるほど。先ほど小澤さんがおっしゃってたような、今の日本に元気を与えられるじゃないですけれども、そういったところも意識しつつ?

小澤 「そうですね。今を中心として時代を支えていきたい、みたいな気持ちが強いかもしれないですね」

 

――お話を伺う限り、歴史が得意ではなくても楽しめそうなお芝居だなと感じました。

八神 「さっき小澤くんも言ってたけど、時代は違えど同じ人間なので」

小澤 「そうなんですよ。今流れてるニュースを、100年後の日本人が見ているのと同じなので。歴史という文字にすると、学生時代の思い出が蘇ってきちゃう方もいらっしゃると思うけど、これは勉強ではないので」

八神 「そうそう。100年前に生きてた人たちも、体調悪くて仕事休んだり、兄弟げんかしたりしてたって思うと距離感が縮まるかもしれない」

小澤 「だから、そんなに深く歴史という文字にとらわれないほうがいいんじゃないかなって」

森田 「そうですね。“歴史”って聞くだけで物々しいイメージを浮かべる方もいると思うので。でも単純に考えて、例えば教科書だと、1回習ったことは、その先で出てくるときはもう省略されちゃってるじゃないですか。だから授業を受けてて、ここなんだっけと思って、そこを調べるためにまたそのページを開いたりの繰り返しで、それで歴史の勉強って手間がかかるな、難しいなって刷り込まれちゃった人も多いと思うんです。でも舞台だと上演時間の中で全部を完結をさせるから、みんながその事実を知っていて当然だという体で進んでいくことはないとは思うので。だから、前情報がなくてもちゃんと楽しんで何か感じ取れるようになっていますし、肩肘張らずに気楽に見てもらったらうれしいです」

小澤 「森田くんは、本当に若いのにしっかりしたいい子」

八神 「肩肘なんて言葉、32歳でも使えないよね」

小澤 「使えないよね。肩肘なんてついたことないし」

森田 「ちょっとちょっと、勘弁してください(笑)」

 

――すでに仲睦まじい雰囲気が十分に伝わってきて、良いカンパニーになりそうだなという予感がとてもしております。会話劇が中心になりそうですか?

八神 「そうですね、殺陣などもあまりないみたいで」

小澤 「ダンスや歌もなく、ほぼ会話劇のみという一番難しいところにこのメンバーで挑戦します」

 

――小澤さんは今回、座長という立場を務めますが、カンパニーを引っ張る心意気見をお聞かせください。

小澤 「僕は座長としての使命感はほとんどないんです。逆に、30歳を超えて今回久しぶりに座長をやらせていただくので、カンパニーとしてのピラミッドを完成させるために、ピラミッドの一番下から入って底上げをして強度を高めて、足を運んでくださった方たちにメッセージを伝えられるよう努めるのみだと思っています。まあ、厳しいリーダー的な役目は蓮くんに安心して任せようかなと(笑)」

 

――じゃあ、八神さんが影の番長的な。

小澤 「そうですね、注意してほしいことがあったら、蓮くんに頼んで。僕はその後にすかさずフォローに回っておいしいところを持っていけるようにしたい」

八神 「じゃあ僕は、青山(倫子)さんにお任せして…。あ、森田くんにお任せしようかな」

――(笑)。では最後に、これからチケットを取られる方、行ってみたいなと思ってる方の背中を押すようなメッセージをお一言ずついただけますか?

森田 「今の日本が出来るまでにこういうことがあったという事実を、1人でも多くの方に知ってもらえれば、それだけでも僕たちが演じる意味はあると思うので、このお芝居を観てくださった方が、こういう人がいたおかげで今があるということを楽しみながら知ってもらえたらうれしいです」

八神 「森田くんが全て言ってくれたのですが、大人になってから知ることって意外と楽しいんですよ。歴史の授業って人の名前や年号をひたすら覚える作業だったと思うんですけど、その教科書の中の出来事を、実際の人間が生身で演じるのを目の当たりにすると、別の発見が絶対にあるはずなんです。舞台って基本的に映像化されないし、上演期間にしか観られないものなので、ぜひ体感していただければと思います」

小澤 「今回はせっかく『メンズジョーカー』という媒体でお話しする機会をいただいたのでファッションの話に例えてみても良いですか? とある人がかっこいいファッションをしていたとして、なぜ今その洋服を着ているのかってルーツを辿ると発見がたくさんあるんですよ。なぜ今、カンゴールの帽子が流行っているのか、ただトレンドだからというだけでかぶっている人もたくさんいて。でも僕は、おじいさんがかぶっていたカンゴールをもらった少年がそのスタイルでダンスをしたらそこで流行って、僕らの世代でヒップホップに憧れてた人はかぶっていて、それがリバイバルしていて、というのを知っている。ファッションに限らず、物事には必ずルーツや理由があるわけで。ここでは語り尽くせないほどの色々な出来事を経て、今の日本は成り立っている。今の僕らは当たり前のように平和に生きてるけど、当たり前のことってないんだよなっていうことを知っていただけるような舞台になる予感が今からしています。別に真面目に観てほしいということではなく、明日から何か一個でも自信を持ってやってみようと背中を押せるような作品にできればと思っているので、気軽な気持ちでいらしてください」

 

小澤雄太 公式インスタグラム
https://www.instagram.com/yuta_ozawa_official/?hl=ja

八神蓮 オフィシャルサイト
http://www.yagamiren.com/

森田桐矢 公式ツイッター
https://twitter.com/touya_morita

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