2018.06.26 Tue UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第百六回【キンキンに冷やす人生】

梅雨まっさかりである。
ジメジメしたそんな日は東京シャープ模型のミニクーラーしろくま(昭和40年代)の※ニッチプラモはいかがだろうか?
扇風機の模型は多いがクーラー模型は珍しい。
マブチモーター付きでファンも回転&豆電球も点灯してリアルなクーラーを再現している。
スイッチパネルに描かれたT.S.Mは東京シャープ模型の頭文字だ。
この頃はちょうどクーラーの技術改革がいろいろ起こり始めた年代だ。
除湿であったり、冷暖房であったり、ただ冷やすだけではなく、より快適さを求め進化が始まった。
そんな激動の大エアコン時代、まだまだ高嶺の花だったルームクーラーをまずプラモデルで楽しむというのは不思議でも何でもなく実に等身大なホビーである訳だ。
そもそもプラモデルの原点は手が届かず買えないものをミニチュアとして自ら組みたて楽しみながら、手元に置くという発想から始まっている。
だから、スポーツカーや戦車だけではなくミニクーラーだって作って楽しみたい人がいた訳だ。

-説明書-

見ての通りとてもリアルに出来ており、この一品しか所持していない自分も部品をランナーから切り取り制作してモーターを作動してみたくてウズウズしている。んー作っちゃおうかな。
僕が子供の頃、1970年代後半のクーラーは記憶の限り今より遥かにキンキンに部屋を冷やしていた。
飲食店もそうだし、自分の家もそうだ。銀行なんて肉でも保存しているのか?というくらい冷えていたが、それが当たり前だった。
「ちょうどいい」ではなく「寒い」レベルが合格点だったのだ。
当時はクーラーが効いているというのが、ひとつのステータスだったと思う。
部屋を冷蔵庫のように冷やしても入らずにギリギリまで外にいて、たっぷり汗をかいてから部屋に入り「寒いぃぃ!!」って言いながら楽しむよく判らない遊びを繰り返していたのを覚えている。
そんな感じで当時は今よりもエアコンの設定温度にうるさくなく、”冷やす事の美学”みたいなものすらあった。
それはこのプラモの箱からも判る。なにしろイメージ背景が北極だ。
それくらい冷えるという事は高度経済成長期の華々しい証しだったのだ。

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。絶版・現行品問わず。

《お知らせ》
【プラモとオンガク】
-ニッチプラモと音楽のコラボイベント開催-
70年代から現代までの変わり種プラモの”現物”を紹介しながらその時代の流行りを考察し、そのプラモが生まれた年代の音楽やCMを鑑賞しながら日本のカルチャーを探る昼飲み会をやるので是非。
場所:ROCK CAFE LOFT is your room
住所:新宿区歌舞伎町1-28-5
TEL:03-6233-9606
日時:2018年7月7日(土曜日)
OPEN:13:00 / START 13:30
前売(Web予約)¥1,000/当日¥1,500(+要1オーダー)
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/rockcafe/90941

 

PROFILE
エンドケイプ
《りゅうちぇる》×《カネボウ化粧品suisai》コラボソング『TRUE TRUE』やジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない3期オープニング『Great Days』等の作詞家でクリエイター
TV出演「笑っていいとも」「めざましテレビ」「モーニングバード!」「スッキリ!!」「Nスタ」「月曜から夜ふかし」他多数
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog  http://lineblog.me/endcape/

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