2018.12.27 Thu UPDATE CULTURE

DEEPがもう一歩大きいステージに向けて進化していくスタートとなる新曲『WISH』をリリース

息のあったハーモニーで多くの人々を魅了し続ける、実力派ヴォーカル・グループ、DEEP。このたび、待望の新曲「WISH」を2018年の最後にリリース。現体制での最後の曲となる『WISH』について、4人に語ってもらった。

 

僕たちの分岐点であり、
DEEPがもう一歩大きいステージに向けて
進化していく門出となる作品

―2018年9月、RYOさんからDEEPを年内で卒業する主旨の発表がありました。そこにはどのような想いがあったのでしょうか?

RYO 「人生は1回きりしかないということを考える時間が、自分の中で増えるようになっていったんです。今年で32歳になって、新たにやりたいことに挑戦してみたいという気持ちが日に日に強くなっていきました。でも、DEEPの活動もある、そんな葛藤が続いていたある朝、起きた瞬間に決心がついたという感じです」

 

―そういったRYOさんの発表を前に、4人で向き合う時間があったと想像しますが、どのようなやり取りがあったのでしょうか?

TAKA 「全員で集まって話しを聞いたというよりも、RYOがメンバーひとりひとりに連絡していった感じです。僕は電話があった瞬間に何となくピンときました。凄く前向きな話でしたし、自分のやりたいことが明確に見えていて想いがとても伝わってきたので、その道を選んだのであればがんばって欲しいという気持ちでした」

KEISEI 「電話があって次に進みたいと言われた時は驚きましたけど、ちゃんと説明をしてくれましたし、僕も一度きりの人生は今の自分がワクワクしていることをやるべきだと思うんです。だから受け入れましたし、アートの道でもRYOに花を咲かせて欲しいという想いです」

YUICHIRO 「僕とRYOとは兄弟なので、昔から絵が好きだということは知っていましたし、また新たな夢が芽生えたんだなっていう想いでした。歌手になるという夢を叶えて、また新たに夢ができたというのはすばらしいこと。とは言え、道は険しく辛いことも絶対にあると思うので、そういう時はDEEPのメンバーとして、兄弟として助けていきたいと思っています」

RYO 「メンバーが僕の気持ちを受け止めてくれた上に、さらに今こうして背中を押してくれていることは、本当に感謝しています。僕がDEEPとして活動できる時間は残りわずかですが、そのすべての時間を噛み締められたらと思っています」

 

―そんな時間を経て、今回のニューシングル「WISH」はいかに制作に入ったのでしょうか?

TAKA 「ツアーが決定して、これから新たな一歩を踏み出すDEEPが進化していく種をまいていくことを考えたら、年内で卒業するRYOに全面プロデュースしてもらうのがいいんじゃないかということで制作をスタートさせました」

 

―作詞はRYOさんが手がけていますが、どんな想いで書いたのでしょうか?

RYO 「この作品で何を書くべきか考えていた時に、今のこの気持ち、感謝の気持ちを伝えつつ、ファンの人だけじゃなくて世の中の人にも響くメッセージが伝えられる曲にしたいなと思ったんです。何かに迷っている人の背中を押せる曲にしたいという想いで書きました」

 

―最初に降りてきた言葉は思い出せたりします?

YUICHIRO 「FISHです。実は仮タイトルも「FISH」だったんです」

 

―「WISH」ではなく「FISH」?

RYO 「はい。歌詞も〈ONE FISH〉にしていたり、ちょっと耳に残るトリッキーな歌詞がいいかなと思ったんです。DEEPとはどういうグループなのか考えると、やっぱり深さを追求してきたグループだと思います。なので、深海にいる魚というイメージが僕の中で膨らんできた。深い場所にいるにも関わらず、光を求めているみたいなイメージが最初に浮かんだんです」

TAKA 「曲の意味を説明する時は「FISH」の方が人生背景を語れそうなタイトルではあったんですが、さっきRYOが言った通りファンの人だけじゃなくて世の中の人にも響くメッセージと考えたら「WISH」がいいかなという結論になったんです」

 

―このエピソードを知っているだけでも「WISH」の世界観を深堀りできそうですね。RYOさんが歌詞の中で、一番に伝えたいフレーズを挙げるなら?

RYO 「人生を精一杯生きている中で、新たな一歩を踏み出すことにちゅうちょしている人も少なくないと思います。そんな人たちへのメッセージを、出だしの〈誰の為に生きているかなんて 自分次第 間違いなく 踏み出すこと恐れても結局過去は返ってこない〉という歌詞に込めました」

YUICHIRO 「本当にリアルな歌詞だと思いました。ウソがないというか。僕は素直に身体に入ってきました」

KEISEI 「RYOの心の叫びを、歌詞の1行目から感じました。今のRYOが決めた道は、本当に誰のためでもないと思いますし、何かに悩んでいたり迷っている人に響く歌詞だと思います」

TAKA 「言葉のチョイスが変化球なところもあるんですけど、よく考えられているなと思いました。ちゃんと音としても捉えられているし、〈人生の残響はもう解き放てばいい〉と〈人生の壇上をがむしゃらに進んだ〉という歌詞では残響と壇上で韻を踏んでいたりします。そういったところを含め、さすが名曲「SORA~この声が届くまで~」を書いたRYOだけあるなと改めて感じました。あとは、人生観を表現している曲でもあって、この「WISH」という曲でRYOのこれまでを振り返ることができるし、リスナーの方や僕たちDEEPが何か道に迷った時のRYOからの優しいメッセージも感じる曲です」

 

―トラックは、どのような視点でチョイスしていったのでしょうか?

RYO 「前向きな曲というのを一番のテーマに、バラードすぎるのはイメージと違うんじゃないかということもメンバーと共有していたので、そんなことを踏まえてトラックを発注しました」

TAKA「何曲か発注させていただいて、ディレクターさんと一緒にすべてのデモを聴いたんですけど、もう満場一致で決まりました」

RYO 「前向きさもありつつ、ちょっと切なさもメロディの中に欲しいというリクエスト通り、ばっちりハマるトラックに仕上がったと思います」

 

―今作だからこそ表現できたことなど、改めて思うところがあれば教えてください。

YUICHIRO 「この先、僕たちも激流というか荒波に揉まれながら光を求めて活動していくことになると思います。RYOが卒業することはDEEPにとってピンチと捉えたらピンチなんですけど、逆に捉えればチャンスでもあるんです。新たな光を求めてがんばっていきたいという僕たちの想いも、この曲から感じていただきたいです」

KEISEI 「歌詞の世界観やコーラスワークを含め、この「WISH」は僕らのスタイルがよく表現できている曲だと思います。DEEPの音楽性を楽しんでいただきたいです」

 

―カップリング曲「SORA~この声が届くまで~A cappella」についてもお話を聞かせてください。RYOさん作詞のDEEPを代表する曲ですが、どのような想いでアカペラを収録したのでしょうか?

TAKA 「この曲もRYOの個性を色濃く反映している曲です。GENERATIONS from EXILE TRIBEがカバーしてくれたことで、もう一度この「SORA~この声が届くまで~」が蘇ったので、改めてDEEPらしく歌い直すならアカペラしかないと思って収録させていただきました」

 

―改めて歌詞の世界観についても解説をお願いします。

RYO 「書いた当時はグループ名がまだCOLORの時代で、『WHITE 〜Lovers on canvas〜』というアルバムの1曲として収録していました。オリジナルはYUICHIROと2人で歌っている「SORA」という曲だったんですが、デモを聴いた瞬間にひと目惚れじゃないですけど、ひと聴き惚れしたのを覚えています。プリプロの段階でATSUSHIさんが「この曲はRYOの声に合ってる」と言ってくださったのも思い出です。本格的に歌詞を書いたこともなかったですが、がむしゃらに想いをつづった片思いの曲です。実は僕が高校生の時に通っていたダンススクールでひと目惚れした、別の高校の女の子のことを思って書いた曲なんです(笑)」

TAKA「それは初耳!」

 

―今作に収録することで、新たな感じ方をしてもらえる楽曲になったと思いますが、その辺はメンバーとしてどのような感想を持っていますか?

KEISEI 「声だけのバージョンは初めてですからね。やっぱり僕らはコーラス・グループであり、歌で伝えたいと言っているグループなので、このシングル作品に収録する楽曲としてオケなしで歌ったことに意味があると思っています」

YUICHIRO 「この曲はライヴでもよく歌わせていただくんですけど、改めてレコーディングすることで自分自身と向き合えたという感覚がありました。これだけ歌ってきたにも関わらず、改めてブースに入って歌ってみると「ここはこんな歌い方だったけど、アカペラだと歌い方を変えないと」といった新たな気づきがたくさんあったんです。だから、とても新鮮な気持ちで歌えました。実はアカペラで歌うと、この曲は凄く難しいんです。コーラスの難しさも、また改めて知れた楽曲です」

TAKA 「声で聴かせるグループなので、やっぱりアカペラは大事な表現方法だと思っています。その分クオリティを求められるので、今後もアカペラという表現は大切にしていきたいです。アカペラをやることで、「あのハーモニーをライヴで聴きたい」と思ってくれる方も多いと思うんです。そして、自分たちも歌に対してレベルアップしていく必要があります。これからも最高のハーモニーを聴かせられるように一生懸命やりたいと思っています」

RYO 「今回はディレクションを春川仁志さんにお願いしました。僕たちを成長させてくれた恩人で、デビュー当初からお世話になっている方にこの曲お願いできたということが、凄く意味があったと思っています。いろんな想いが入り混じった中でのレコーディングになりました。この歌、この声に託した僕の想いを感じて取って欲しいです」

 

―今作で現体制のDEEPとしては最後のリリースになります。リスナーには、今作をどのような気持ちで受け取って欲しいですか?

YUICHIRO 「ファンの方も様々な気持ちがあると思います。でも、本当に今の僕たちにふさわしい楽曲が完成したと思っています。新曲の「WISH」にしてもとてもいい曲ですし、これからもずっと歌っていきたいです。カップリング曲「SORA~この声が届くまで~A cappella」は、コーラスの師匠でもある春川さんにアカペラのアレンジをしていただけて、曲が完成する最後の最後まで一緒にレコーディングに向き合ってくださいました。このシングルが、今の僕らにとっての最高の作品になったことはまちがいないと思います」

KEISEI 「進路を考えたり、新たな決意の元に旅立っていくというシチュエーションが多くなる時期だと思います。そういった方々に、この「WISH」が一歩踏み出す勇気を与える曲になったら嬉しいです」

TAKA 「このシングルは僕たちの分岐点であり、DEEPがもう一歩大きいステージに向けて進化していく門出となる作品だと思っています。ファンのみなさんにもワクワクしてもらえるような曲になっていればと願っていますし、歌詞のメッセージも聴き込んで欲しいです。誰でも生きていれば迷いもあるでしょうし、諦めたり辞めよう思ったり、新たな一歩を踏み出せないでいる人もたくさんいると思います。そういう人たちの背中を押せる曲が、この「WISH」だと思っています。そして、僕たちがみなさんを背中で引っ張っていけるくらいの説得力を持って歌を届けていくことも大事。RYOの想いも背負って、これからも歌い続けていくという僕たちの想いも感じていただきたいです」

RYO 「この「WISH」を書くにあたって、最初に浮かんだのが感謝という言葉であり、メンバーとの思い出でした。そういうことも書こうと思ったんですけど、それを書いちゃうと1曲ぜんぶ埋まっちゃうと思ったんです(笑)。なので、僕が旅立つ来年、そして再来年になっても、生き続けている曲にしたいと思って書きました。これが終わりではなく、ここがスタートという気持ちで書いた曲なので、DEEPの新たな旅立ちに駆ける想い、何かを追いかけていける挑戦心みたいなものを「WISH」から感じてもらえたら嬉しいです」

 

―2018年の締めくくりであり現体制最後となる今作ですが、今後についてもひと言いただけますか?

YUICHIRO 「今後DEEPが、より輝けるグループになっていければいいかなと思います。その想いがこの「WISH」というひと言に集約されているのかなと思います」

KEISEI 「ファンの方々は、僕らがアリーナに立つ姿をずっと楽しみに期待してくださっていると思います。なので、変わらず一生懸命にみなさんにいいステージといい音楽、それを届けることだけに尽力してがんばっていきたいと思います」

TAKA 「いい意味でびっくりさせたいです。来年はサプライズ・イヤーじゃないですけど、とにかくドキドキしてもらいたい。これからDEEPがどういうグループになるのか、まだ明確には決まっていませんがとにかくびっくりさせたいです。東京オリンピックも控える2020年を前に、僕たちも世の中を盛り上げていきたいと思っています。今後もDEEPはDEEPらしく進んでいきますので、変わらないものと変わっていくものを受け入れていただき、僕たちの今後にぜひ期待してください」

RYO 「DEEPに在籍していたことを誇りに、これからの人生を過ごしていきたいです。道は違うかもしれないですけど、想いはひとつ。僕は僕で負けないようにがんばって、メンバーが僕を見た時に刺激になるように進んでいきたいと思います」

 

「WISH」

ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズ
2018年12月26日(水)発売

初回生産限定盤[CD+DVD]AICL-3616~3617 \1.500(TAX IN)

通常盤[CD]AICL-3618 \1,000(TAX IN)

PROFILE
TAKA、YUICHIRO、KEISEI、RYO、4人編成の実力派ヴォーカル・グループ。2006年より「COLOR」として本格的な活動がスタート、09年に「DEEP」に改名。その後、数多くの楽曲がヒットチャート上位を獲得。
www.deep-ldh.com/

取材・文/馬渕信彦

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