かばんはファッションアイテムであると同時に道具でもあるため、選ぶ人によってさまざまな最適解があるもの。だからこそMJ読者に自信を持って勧められるかばんを探すべく、５人のファッション業界人が激論を交わした。

ファッション業界人がガチで採点！

選出方法
数多く集めたよりすぐりのバッグの中から5人の審査員で協議し、ベスト４を選出。さらに「デザイン性」「機能性」「素材感」の３項目をひとりにつき各10点満点で採点した。

スタイリスト
川崎英治さん
さまざまなメンズファッション誌で活躍する人気スタイリスト。もちろんかばんに対する目利きは超一流！ 現在はシンプルめなデイパックを物色中。

ジャーナルスタンダード・プレス
青木志門さん
“バッグ愛”を語り出したら止まらない、バッグフリークとして業界でも一目置かれる敏腕プレス。〈ブリーフィング〉のヘルメットバッグも全色持っているツワモノ！

メンズジョーカー編集長
篠宮祐介
本誌編集長はできるだけ荷物を持たずにフットワーク軽く動くのが信条。そのためペンとメモ用紙を入れたクラッチバッグだけで取材に出ることも。

エディター／ライター
廣田俊介さん
頑丈で使い続けられるかばんが好みの人気ファッションライター。荷物の入れ替えが面倒という理由で同じレザーバッグを約８年ほど使用している。

エディター
牟田神佑介さん
ファッション誌の凄腕編集者。プレスの青木さんとかばん談義に花を咲かせつつ飲み会をすることも多いかばんマニアでガジェット系バックパックが好み。

レザークラッチ部門
1位
PADRONE×PATRICKSTEPHAN

折りたたむと表情が変わるクラッチバック

かなり意見が割れ、僅差で一位に輝いたのがこちら。ショッピングバッグ風のシンプルなルックスに、ヘムからはみ出した裏地が使い込むうちにほつれてアクセントをプラスする。薄手に見えるものの8㎝のマチつきで、容量も充分。2万6000円／パドローネ×パトリックステファン（アドナスト）W28.5×H43×D8㎝

125点/150

comments
「平置きだとごく普通のバッグだけれど、折って持った時に厚手のレザーが作る表情が魅力的でした。経年変化も楽しめそうな素材です」（川崎）

「本当に削ぎ落として作った、シンプルなデザインが良いと思います。使い込むほどに色味が変化して味わいが出るところも魅力的です」（青木）

「紙袋のようなデザインがユニークなクラッチですね。モノをパンパンに詰めたときと、そうでないときの表情がまったく違うところも面白い」（篠宮）

「持ち手の革を切り落とさずに補強用として残していたり、シンプルに見えて考えられたデザインです。型押しのロゴもかわいい」（廣田）

「ショッピングバッグのようなシンプルなデザインだからこそ、素材の良さが活きています。切りっぱなしの裏地も雰囲気が出てます」（牟田神）

持ち手の革を折り曲げるようにして持つことで厚みが生まれ、重たいものを入れても手が痛くなりにくい。内側にはライニングを縫いこんであるので、革が伸びて型くずれしてしまう心配もない。

BEST4に入ったモデル

フルボ デザイン

ホワイトのボディとヌメ革のハンドストラップという上品なカラーリング。D環にストラップを付けて2WAYで使用可能。1万5000円／フルボ デザイン（ドウシシャ ブランドバッグ＆ビューティ事業部）W34×H25.5×D1.5㎝

ディケイド

タンニンとクロームを組み合わせてなめした、独自のデゥアルスレザーを使用。取り外し可能なショルダーストラップ付きで、ショルダーバッグとしても使用できる。1万9000円／ディケイド（同）W27×H28×D1.5㎝

ピー・アイ・ディー

硬めの銀面を備えたシボ感のある牛革を使用した、口折れタイプのクラッチバッグ。背面にもファスナーがあり、そこから荷物の出し入れが可。1万3000円／ピーアイディー（ロワード）W36×H22×D2㎝

Photo:HIROAKI KAWATA／Styling:EIJI KAWASAKI ／Text:SHUNSUKE HIROTA