BIZスタイルの良し悪しは、足元で大きく左右されると言っても過言ではない。それほど革靴選びは重要度が高いのだ。そこでここでは、あらためて知っておくべき革靴に関する5つの基本にフォーカス。今さら周りに聞けないアレやコレを総まとめで、詳しく解説していこう。
キャップトゥとも呼ばれるストレートチップは、数ある革靴の中でもフォーマル度の極めて高いシューズとして知られる。中でも、内羽根式は冠婚葬祭の礼服にも対応。つま先に一文字状の切り替えが入るのが最たる特徴だ。4万1000円/ユニオンワークス(同・銀座)
このパンチドキャップトゥは、ストレートチップの切り替え部分にブローグ(穴飾り)が施されている。その分、ほんのり華やいだ表情だ。右より若干カジュアルだが、よほどフォーマルな場でない限りこちらでも大丈夫。4万6000円/トレーディングポスト(同・青山本店)
トゥに切り替えや穴飾りが施されていない、シンプルを極めたタイプがこのプレーントゥ。無駄のないミニマルな見栄えゆえ、幅広い着こなしに順応するというストロングポイントも備えている。3万円/マッキントッシュ フィロソフィー(SANYO SHOKAI カスタマーサポート)
ウイングチップには、トゥに鳥の翼を思わせる大胆なW字型の切り替えが入る。写真の1足のようにピンキングやブローグがアッパーに配されているモデルも多く、足元に存在感を生み出したいときに好適。8万6000円/クロケット&ジョーンズ(トレーディングポスト青山本店)
甲にU字状のステッチが入ることから名付けられたUチップ。元々は狩猟用やゴルフ用の靴として使われていた。そのためカジュアル向きと言えるが、ベーシックなデザインにつきビジネスシーンで着用されることも珍しくはない。3万4000円/ジャラン スリウァヤ(GMT)
フロントにモカステッチがあしらわれた、スリッポンタイプの革靴。着脱が簡単なことからローファー(=怠け者)と呼ばれるようになった。カジュアルな雰囲気が強いが、ドレスコードに寛容な職場であれば最近は許容されるケースも多い。7万円/パラブーツ(同・青山店)
トゥの先端~羽根の切り替え位置にかけての部位。ノーズが長いものはロングノーズ、短いものはショートノーズと呼ぶ。
ヒモ穴が配される部分のことで、レースステイとも呼ばれる。ここのデザイン次第でフォーマル度が変わる、重要な部位。
羽根がアッパーと一体、あるいは甲革の下に入り込む仕様が内羽根式。外羽根式より格式が高い。
アッパーの上部に羽根を縫い付けるのが外羽根仕様。着脱しやすく、フィット感の調整も容易に行なえる。
その名の通り、つま先部分のこと。シューズの“顔”とも言える箇所で、わずかな違いで靴の印象が大きく変化する。
適度に丸みを帯びたトゥ。描くラインはさまざまで、ラウンドが緩やかなほどカジュアル度が高い。
先端が尖っているタイプがポインテッドトゥ。革靴に都会的な雰囲気をもたらすディテールだ。
トゥが水平状に仕上がっている。モダンなデザインを好むイタリアの靴ブランドで散見される仕様だ。
シューズ4万6000円/ジョセフ チーニー(ブリティッシュメイド 青山本店)
トレーディングポスト青山本店 店長
村井久哲さん
米国&欧州のブランドやオリジナルを扱う人気靴店で店長を務める一方、買付けにも携わる。ビジネスシューズに関する知識は随一だ。