〈ハリウッド ランチ マーケット〉や〈オクラ〉、〈フリーシティ〉など、数多くの人気店を手掛ける〈聖林公司〉。そのひとつが〈ブルーブルー〉。今や中目黒や横浜、神戸、博多など各エリアで展開する実力派カジュアルショップが、9店舗目を2017年10月にオープンさせた。その場所はなんと、“古書”や“食”の街で知られる神保町である。
靖国通りから路地裏に入り、さらに歩を進めれば、やがてインディゴを思わせるような落ち着いた外観の『ブルーブルー カンダ』へと行き着く。白地の看板とセンターに構えられたネオンクロックが目印だ。そこには、“LIFE IS A JOURNEY TOWARDS THE GUIDING LIGHT〜旅は人生の道標〜”という、同社を象徴するお馴染みの言葉も踊っている。
お店に入ってまず感じるのは、落ち着いた雰囲気と上質感だ。そのワケは床。ブルーブルーへ行き慣れた人ならピンと来るかもしれないが、多くの店舗で多用されているのはキーカラーであるネイビーをベースとした店内デザインと石床。それをこちらでは什器や床をウッドベースにし、クラシックな雰囲気を演出している。入り口付近には古き良き時代を感じさせる写真も。1920年代に撮られたとある旅行時の写真や、1950年代に開催されたミスアメリカの写真など、どれもが当時を知る貴重な資料である。
店内のトルソーを見れば、大人の大半は反応するかもしれない。ネイビーブレザーや白のB.D.シャツ、レジメンタルタイ、そして濃紺ジーンズ。そう、聖林公司が表現する「アイビースタイル」の商品を取り揃え、同店では、それを“神田スタイル”と銘打ち展開。その一環として、2018年春夏シーズンはアメリカントラッドの雄、J.プレスとのコラボレーションコレクションを発表する。J.プレスの貴重なアーカイブと聖林公司のヴィンテージアイテムをベースに、ディテールにまでこだわりながら現代的なサイズ感で仕上げたコレクションだ。3ピースのセットアップを中心に、B.D.シャツやネクタイ、チーフなどをラインナップする。
入り口付近の平置きのテーブルには、イチ押しのアイテムや新作が置かれる。B.D.シャツにニットを合わせた着こなしが並び、他にも、数年前から蜜月の関係が続くラッセルとのコラボレーションスウェットシャツやパーカなど、アイビーをキーにそこへうまく溶け込ませやすいアイテムが敷き詰められている。
とはいえ、ブルーブルーらしさは健在。店奥にはショップのアイコンでもあるネオンクロックが飾られ、アメカジやワークを基本としたオーセンティックなアイテムも抜け目なく揃う。これも、実は同店の特徴。お得意のデニムシャツやジーンズ、チノパン、さらにはこだわりのニット、長い間共作を続けるフルーツ オブ ザ ルームとのコラボパックTなど、神保町界隈の幅広い年齢層をフォローする充実の品揃えである。
古さと新しさが混在する魅力的な街“神田・神保町”で、是非ともアイビースタイルを体験してみてほしい。
ブルーブルー カンダ
住所:東京都千代田区神田神保町1-34
営業時間:11:00〜20:00
TEL.03-5577-7280
www.hrm.co.jp
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Text:RYO KIKUCHI