多くの大人たちに支持を得る〈ブルーブルー〉が、9店舗目となるショップを神田神保町にオープンさせた。聖林公司が表現する“アイビー”を軸にアイテムをラインナップし、オープンから数ヶ月が経った今、徐々に存在感を示し始めている。そこで、〈ブルーブルー カンダ〉が打ち出すアイビースタイルから、新店舗の場に神田を選んだワケまでを紐解いていく。
店の奥へ進めば、提唱している“アイビー”のコーナーを見ることができる。メンズカジュアルの根幹を担う“アイビー”。その基本をしっかり押さえながら、ほど良く現代的解釈を加えた、〈ブルーブルー〉なりの新たな提案を行なっているのだ。もともとデニムやウールのセットアップなど、ドレス分野においても実績十分なブルーブルーだけに、ビジネススーツ替わりでもいけそうな容姿端麗な佇まいのジャケットやトラウザースが並んでいる。
現在、同店に限らず、〈ハリウッド ランチ マーケット〉などでも、スタッフ全員がネイビーブレザーにシャツを纏い、現代版アイビーリーガーを演じている。面白いのは、それぞれベースは変わらないものの、随所にスタッフの個性によるアレンジが見られる点。インに合わせたニットからタイを出してみたり、足元をスニーカーにしてみたりと、その異なるアプローチのどれもが痛快だ。同店のショップマネージャーを務める佐藤達暢さんは、ニットにピンストライプのスラックスを絡めたスタイル。タイをあえて盛り上げ立体感を演出し、インディゴのチーフを胸元に挿すなど、随所にこだわりを披露している。「型をしっかり身につけてこそ遊びの奥行きが生まれます。それを崩していけば型破り、基礎ができていなければ、ただの型なしになってしまいます」と語る佐藤さん。ブレザーや白B.D.シャツ、タイなど、着こなしに基本ルールがあるからこそ、それぞれが楽しめる個性となっている。
同店へ訪れるお客さんは、60代の大人から20代前半の学生と年齢層が実に幅広い。周辺に住む我々の大先輩はアイビーを懐かしみ、学生たちは新鮮さを持ってアイテムに触れる。反応も人それぞれだ。でもその様子が実に楽しいと、佐藤さんは語る。「50〜60代のお客様がいらっしゃった時は、当時の経験を踏まえいろいろなお話を聞くことができます。やはり、リアルなアイビーブームを経た方の目線はてとても勉強になりますし、何より面白いですね。逆に若い方々は新鮮に見えるようです。ですので、極力時代的背景などを踏まえて、お話するようにはしていますね」。
プレスを務める板花洋平さんは街自体が非常に魅力的と話す。「非常に面白く、不思議な街だと思います。ビジネスマンと学生さんが混在して往来し、古書やカレーといった街自体の確固たるカルチャーもある。クラシックでありモダンな街。そんな何もかもが混在しているような場所は、都内でも少ないのではないでしょうか」。どうやらそのあたりに、神田の地を選んだ理由があるのかもしれない。
東京五輪の開催が決定し、徐々に活況を見せはじめている湾岸エリア。そして、それに伴う東京メトロ有楽町線の延伸計画など、にわかに活気付いている都心の“イーストエリア”。オシャレなコーヒースタンドやライフスタイルショップも続々と登場している。ブルーブルーもまた、同エリアの盛り上げにひと役買いそうだ。
ブルーブルー カンダ
住所:東京都千代田区神田神保町1-34
営業時間:11:00〜20:00
TEL.03-5577-7280
www.hrm.co.jp
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Text:RYO KIKUCHI