自然の中を旅していたニルス、自然の中で伸び伸びと暮らしていたピッピ。『ニルスのふしぎな旅』、そして『長くつ下のピッピ』のお話です。ニルスもピッピもスウェーデンで生まれたキャラクター。どちらの物語もスウェーデンの広大な自然がなかったら生まれていなかったように思います。文学者に数多くのインスピレーションを与えた自然は、ヴィクトル・ホグロフには何をもたらしたのでしょうか。
<ホグロフス>のリーンダウンジャケット4万6000円(アシックスジャパン ホグロフス事業部☎︎03-6369-8885)
ヴィクトル・ホグロフは、1886年にスウェーデンの原風景が今でも残るというダーラナ地方のトーションで生まれました。1914年になるとパラシュートのキャンバス地と町一番の鍛冶屋がこしらえたメタルの留め具を使って最初のバッグを完成させています。<ホグロフス>の誕生です。現在では「可能な限り良い製品アイデア、可能な限り高品質の素材」という理想を追求し続けるアウトドアブランドとして世界中で愛されています。
「リーンダウンジャケット」は、レインウエアとダウンジャケットがひとつになったかのような奇跡の1着。表地には防風・防水性に優れた<ホグロフス>のオリジナル素材であるプルーフが使われています。キメの細かい織りで、肌触りは柔らかく、光沢感が抑えられているのでスポーティな印象になりすぎずに落ち着いた見た目です。
中綿には700フィルパワーのスペックを誇るダウンが使用されています。550以上で良質とされているフィルパワーが700。これは、温かい空気を溜め込む力がかなり高い数値だといえるでしょう。裾ポケットの内側にはフリースが張られていてハンドウォーマーとしても役に立ちます。内ポケットは大ぶりなサイズで小物の収納に便利です。
セルマ・ラーゲルレーヴにはニルス、アストリッド・リンドグレーンにはピッピ、そしてヴィクトル・ホグロフにはホグロフス。読むか着るかの違いはありますが、どれもがスウェーデンの自然によってもたらされた恵みです。
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:YUTA FUKAZAWA
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)