初代「ハイパーダンク」が登場したのは2008年のことでした。この年には北京オリンピックが開催されて、バスケットボールのアメリカ代表選手団の足元は「ハイパーダンク」だらけでした。特にキャプテンを務めたコービー・ブライアントの勇姿が思い出されます。もちろん、アメリカ代表は金メダルを獲得しました。そんなコービーも2016年にラストゲームを迎えて引退してしまいましたが、現在も「ハイパーダンク」の輝かしいヒストリーは続いています。
<ナイキ>のハイパーダンク 2017 1万5000円(ナイキ カスタマーサービス☎0120-6453-77)
「ハイパーダンク 2017」は今年の7月19日に発売が開始されたモデル。「ハイパーダンク 2018」がリリースされるまでは、最新モデルとして歴代シリーズの最前線を走ります。バスケをしている人たちに言わせると「やっぱり、2008年の初代がイチバンだ!」とか「いや、田臥勇太選手が履いている2014年モデルもいい!」とか、ご贔屓にしているモデルがあるようです。今年の5月27日、Bリーグの初代王者を決める大事な一戦「栃木ブレックスVS川崎ブレイブサンダース」で田臥勇太選手が履いていたのは「ハイパーダンク 2014」でした。過去にはNBAのコートにも立ち、今年で37歳を迎える大ベテランであり、すでに日本バスケットボール界のレジェンドになっている男は、自軍が6点リードしていて試合時間が残り16秒となった場面で、ルーズボールを追って果敢に観客席へと飛び込んでいきました。そして、この試合を制した栃木ブレックスが初代チャンピオンに輝きました。
これまで偶数日に連載してきたスニーカーについての記事も今年は最後になりました。一年の締めくくりに、引退を発表した当日(2015年11月29日)にコービー・ブライアントが開いた記者会見で「別れを告げることに悲しみはあるか」と問われた際の答えを引用させていただきます。
「これまでに取り組んできたことがあるからこそ、今の自分があるということを知っているからね。悲しみはない。自分が経験してきたことに本当に感謝しているんだ」
それでは、良いお年をお迎えください。
Photo:TAKEHIRO HAYAKAWA
Styling:NAOYA KANAI
Text:KIYOTO KUNIRYO(NO-TECH)