2018.04.17 Tue UPDATE CULTURE

今のレベルでおさまろうとは思ってない! 自分らしくいることで突き進むDOBERMAN INFINITYの新作がアツい!

ヒップホップグループ・DOBERMAN INFINITYが約1年5ヶ月ぶりの3rdアルバムを完成させた。去年、全国ツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017”TERMINAL”』で日本中のホールを沸かせ、初の主催イベントも成功させた彼ら。そんな地位も実績も積んでいるドーベルがリリースする最新作は『OFF ROAD』。タイトルや楽曲に込めた想いを聞いていたら、メンバーが涙を流す場面があり、とても濃密で愛に溢れたインタビューとなった。

写真/早川岳大 スタイリング/石川TOCCI仁司 ヘアメイク/大木利保 取材・文/真貝聡

 

——今日は宜しくお願いします!

一同 お願いします!

——いきなりですけど、『OFF ROAD』はDOBERMAN INFINITY史上、一番豪華な作品だと思ってて。

KUBO-C 「おお、嬉しいです!」

——マリアナ政府観光局のオフィシャルイメージソングとして書き下ろした「Lookin’ for」。北海道日本ハムファイターズの西川遥輝選手の入場曲として作られた「THE NAME」。野島伸司さんの書き下ろしドラマ『KISSしたい睫毛』の挿入歌「春風」。AK-69さんとタッグを組んだ「Shatter」。グループ初となるウインターソング「あの日のキミと今の僕に」。……とにかく、すごい注目曲が多い!

KAZUKI 「調べていただいてありがとうございます!本当に豪華ですよね」

——個人的に「あの日のキミと今の僕に」は去年の冬にずっと聴かせていただいてました。

KAZUKI 「うわぁ、めっちゃ嬉しいな」

——表参道の並木道を歩きながら聴いたら、すごく染みて。

KUBO-C 「一応、そこをイメージして作りしました(笑)。僕らの気持ちとドンピシャですね」

——曲を聴くと冬の寒さがより沁みて、街のネオンがより眩く映りましたよ。

KAZUKI  「今の感想をそのまま書いといてもらっても良いですか(笑)」

 

——了解です(笑)。改めて今作はどんな想いで作ったのでしょう。

GS 「1作目の『THE LINE』は目の前にあるラインを越えようぜ、というテーマがあり。その線を越えたなら次に俺たちは飛び立つ時だ、っていう2作目の『TERMINAL』があって。振り返ると1作目も2作目も希望に満ち溢れてたんですよね。3作目で何を表現したいのかメンバーで話し合った時に「夢を叶えるって、そんな簡単じゃないな」というのを実感した去年のことがよぎったんです」

——どうして、そう思ったんですか?

GS 「元々、アリーナツアーを2018年に実現させるべく4年間動いてきたんですけど、それが思うようにいかない部分もあって。「夢を叶えることは簡単じゃない」というリアルを赤裸々に伝えることもドーベルのカラーであり、らしさなのかなって思ったんです。だから今回は『OFF ROAD』ってタイトルが俺らの心境を表す言葉だな、と」

——そのタイトルの意味をもう少し教えてもらえますか。

GS 「『OFF ROAD』とは何かを俺らなりに話し合った結果、自分らしくいることやねって。OFF ROADがあるならばON ROADがある。それぞれを意味付けするなら、ON ROADを安定した道、OFF ROADを荒れた道となるんです」

——わかります。

GS 「だけどON ROADだからと言って苦労なしに進んでいける道なのか?って考えた時に見方によってはいろんな解釈があるんじゃないか、と。今、音楽でプロのアーティストになりたいと思う人が、俺らを見たらON ROAD(安定した道)を進んでいるように見える。だから人によって見方なんて変わるからONもOFFもないよね、という結論になって」

——それなら、なぜ『OFF ROAD』に?

GS  「LDHという会社にいて、EXILEオリジナルメンバー皆さんの一時代を見てきたんです。ÜSAさんにしても、MAKIDAIさんにしても、ATSUSHIさんにしても、HIROさんにしてもそうなんですけど、世間的には「もう頑張らなくても、十分大きな功績を成し遂げた人」と思ってる。だけど、あの人たちは今も挑戦し続けてるんですよね。成功というのを満足するか、しいひんかの差であって安定した道=ON ROADじゃないなって。やっぱり、自分らしく戦い続ける人がOFF ROADだなって答えに行き着いたんです」

——挑戦するという意味で、今作はメロディアスさを意識した楽曲、ラップにハモりを入れる試みなど、今までのドーベルっぽさを壊していく感じがあって。そこに戦いを感じました。

GS 「そうですね。壊すっていうのは僕ららしさでもありますね。この3年で積み上げてきたものを4年目にぶっ潰しててでも挑戦して、また積み上げていこうっていう。そのくらいの覚悟を持つっていう意味では、エネルギーに満ちた4年目のスタートになったんじゃないかなと思います」

——無茶振りですけど……今作で胸が熱くなったエピソードがあれば教えてください。

GS 「俺はCHOちゃん(P-CHO)の「Butterfly Effect」やな」

P-CHO 「え?」

KUBO-C 「わかる。良いテーマやなって思ったよね」

GS 「最後の方に作った曲なんですけど「Butterfly Effect」がなかったら、このアルバムはあかんかったなって。より俺ららしさを感じる曲になったなと思いましたね」

——そのグッときた理由はなんですか?

GS 「ラストにSWAYが歌ってる、<Remember the time… 風を吹かせた Butterfly… Butterfly… 今も見つめる方向は拳掲げる放浪者>っていう、このワードは心から胸が熱くなるワードだなと改めて思いますね」

——胸が熱くなる?

GS 「ドーベルが今あるのは放浪者=EXILEの存在があったから。だからこそ、俺らは今も音楽を続けられてるなって思いますし……。(徐々に目を赤くしながら)やっぱり感動しちゃいますね、あの人たちとの思い出はマジで計り知れないぐらいあるので、感謝の気持ちをやっと1つの作品にできて……あかん、泣いちゃった」

一同 (黙ってうなずく)。

GS 「感謝の気持ちをちゃんと作品にできて、音楽をやってるなって感じられましたね……」

P-CHO 「時間が経つと嫌なことを忘れさせてくれるけど、実は大切なことも忘れさせてるなって気づいて。自分たちが大切にせなあかんことって、あの時にカッコイイと思ったことや目指した夢……シンプルに言えば初心ってことなんですけど。もう一回それを大切にせなあかんなと思ってて。『OFF ROAD』ってタイトルに決まって、自分たちがカッコイイと思った人は、まだOFF ROADを進んでるんです。EXILEオリジナルメンバーはパフォーマーを引退されても、自分の道を切り開いていってる。その姿を見た時に自分たちがカッコイイと思った人は、今もカッコイイなって。その気持ちをノートと向き合って文字に綴りました」

GS 「俺、ライヴで「Butterfly Effect」を歌うの嫌や。絶対に泣いちゃう」

——ここまで気持ちを込めてる曲だからこそ、GSさんが歌ってる姿を見たいですよ。

KAZUKI 「そうですよね」

 

——それに注目すべきは楽曲だけじゃなくて、今作は初回盤の特典としてDVDがつくんですよね。ライヴ映像ではなくショートームービーなのが面白いです。

GS 「アルバムのテーマに沿って、ドーベルだからこそ表現できる1つの作品を品川監督に演出していただきました。これは1つの映画がくっついてる感覚で受け取ってもらえたらいいなと思います」

KUBO-C 「作品単体として、良い映画になってますね」

SWAY 「こんなすごい作品を初回限定盤でしか観れないんですか?っていうぐらい、豪華なキャスティングになりました。小川菜摘さん、木村祐一さんを始めこれは品川監督がいなかったら実現しなかったと思います」

——作品の世界観はどうやって共有したんですか?

SWAY 「僕ら5人と品川監督でランチミーティングをさせてもらって。そこで作品の想いを伝えて、僕らの気持ちを聞いた上で品川監督に脚本を書いてもらいました。品川監督が放つOFF ROADのメッセージというか、それがショートームービーの魅力かなと思います」

——『OFF ROAD』を完成させて、改めて今のDOBERMAN INFINITYってどんなグループなんでしょう。

SWAY 「時代がどうとか、そういう周りの流れじゃなくて、常に自分達と戦っているグループなのかなって思います。周りがどうだから俺らもこうしなきゃいけないっていうよりかは、3枚目を出して、これから4枚目、5枚目と作っていく中で「どこか自分と戦い忘れている事ないかな?」っていう」

KUBO-C 「自分らの良さを追求しているような気がするっすね。それがドーベルらしさに繋がるんじゃないかなと」

SWAY 「1作目の『THE LINE』、2作目の『TERMINAL』、3作目の『OFF ROAD』も根っこのテーマは一緒なんです。多分、今後も変わらないんじゃないかもしれないですね」

——その“変わらない”部分って?

SWAY 「男同士の人生であって、男たちが夢に向かうストーリーであって、その夢を少しずつ叶えていくことが俺たちの役目なのかなって。だから、ドーベルって……戦いですよね、自分との。敵は我なりっていう」

KAZUKI 「しかも自分自身との戦いを楽しんでいるのはありますね」

SWAY 「どんなに辛くても笑っていこう、っていうのが僕らの人生であり、ドーベルのサウンドかなって思います」

 

——SWAYさんは以前、『Tune』という番組でAK-69さんと対談をされて。その時にAK-69さんは「HIPHOPとは生き様だ」と話してましたけど、ドーベルにとってのHIPHOPとは?

SWAY 「HIPHOPとは人と人を繋げてくれるツールなのかなって思います。自分たちの思いを最大限に乗せている楽曲をライヴでやると、自分たちも歌いながら勇気をもらうし。それを聴いてくれた方がいろんな形でメッセージを下さって「ドーベルを聴くと頑張れる」って言ってもらえて僕らも嬉しい」

KAZUKI 「そうですね。お客さんが「勇気をもらってます」と言ってくれているけど、それ以上に僕らが本当に支えられています」

——では、最後にお聞きします。去年はホールツアーや主催イベントも行いましたけど、今後、乗り越えていく壁はなんでしょう。

SWAY 「今の規模を拡大できたら嬉しいですけど、ただデカくすることだけが大事じゃないと思うんですよね。気持ち的には今やっていることに背伸びせず、でも背伸びしながらやっていくことが大事だと思ってます」

GS 「新しい場所へ挑むことに意味があると信じてるので、その積み重ねですね。そのワクワクを俺らも求めてるし、アーティストの生き様をしっかり見せていくのがDOBERMAN INFINITYだと思ってます。俺らはみんなの代弁者であり、その言葉を歌に乗せている感じ。それをしっかり理解してもらえたらいいなと思うので、あの手この手でメッセージを届けていきたいです」

——そういう常に挑戦的な姿勢に僕は惹かれますよ。

KUBO-C 「嬉しいです」

GS 「一緒なんでしょうね、感覚が。たしかに、それがドーベルなんだろうなって思います。これからガッツリ売れたら、足組んで偉そうにしてるかもしれないですけど笑」

——そんな5人は見たくないな〜。

一同 アハハハハ!

GS 「そうならないのが、俺らなんですけどね。たまに周りから「もう成功してるやん!」って言われますけど、全然実感してないですし、今のレベルでおさまろうとは思ってない。これから、どんどん新しいステージをお見せしていきます!」

DOBERMAN INFINITY

ラップグループ『DOBERMAN INC』として活動してきたKUBO-C(クボシー)、GS(ジーエス)、P-CHO(ピーチョウ)の3人に、野替愁平名義で劇団EXILEに所属しラッパーとしても活動していたSWAY、シンガーのKAZUKIを加え、2014年6月よりDOBERMAN INFINITYとして活動を開始。HIPHOP、R&B、FUNK、ROCK、EDM等あらゆるジャンルをDOBERMAN INFINITY流にクロスオーバーさせた“オールラウンドヒップホップ”というテーマを掲げて活動中。経歴も世代も異なる1シンガー、4ラッパーの異色のグループがもつ無限の可能性から目が離せない。

 

 

3rd Album『OFF ROAD』
2018.4.18(wed)release/LDH MUSIC

【初回生産限定盤】4200円(税抜)

【通常盤(CD)】2980円(税抜)

前作から約1年5ヶ月ぶりとなる3枚目のアルバム。道なき道を苦しみながらも楽しく“自分らしく”歩む全ての人々に送る、これぞ “ドーベル” という1枚が完成!

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