「官給品」という立ち位置の人生(SEIKO 7a28-7120)

30年ほど前にSEIKOがイギリス空軍に収めていた軍用時計の第1世代7a28-7120である。レプリカではなく本物のアンティークだがすこぶる調子はいい。裏蓋刻印から89年納品モデルである事が確認出来た。

89年といえばWinkの唄う「淋しい 熱帯魚」が大ヒットした年で、僕は相田翔子さん推しだった。それはそうと、文字盤の《P》のマークは夜光塗料として《T》のトリチウムではなくプロメチウムを使用している証し。ちなみに《L》だとルミノバ使用モデルだ。やはり「官給品」という立ち位置のアイテムには浪漫がある。官給品という名のもとに作りだされた瞬間から、ある種の価値が生まれるからだ。こういうミリタリーのアンティークは入手困難だからと保管せずNATOナイロンベルトを合わせて日常ガシガシ使ってあげてこそ時計本来の輝きが出るんじゃないかと昨今思うようになってきた。

コレクションとは何だろう。所有するってどういう意味だろう。ただ大切に保管する事が即ちアンティークにとっての正解なのかどうかも分からなくなってきた。だから大事に扱いながらも使う時は使おう。そう心掛けている。

写真：Msakiyo Tanaka

PROFILE
エンドケイプ
板野友美さんの唄う映画イマジネーションゲーム主題歌『イマジネーションゲーム』・りゅうちぇるさん×カネボウ化粧品suisaiCMソング『TRUE TRUE』やジョジョの奇妙な冒険4部オープニング曲『Great Days』等の作詞家でクリエイター
TV出演「笑っていいとも」「めざましテレビ」「モーニングバード！」「スッキリ!!」「Nスタ」「月曜から夜ふかし」他多数
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