2017.03.19 Sun UPDATE FASHION

「コレ買い!」〈ハリウッド ランチ マーケット〉バックサテンUSEDアーミーシャツジャケット

編集部員:藤田悠介のオススメは〈ハリウッド ランチ マーケット〉バックサテンUSEDアーミーシャツジャケット



 
 

時代を推理して同時代のカルチャーと“ながら着”します!

メンズのファッションを語るうえで、ミリタリーウエアは欠かせないもの。ヘヴィなアウターが活躍してきた冬も終わりです。春スタイルの最前線に出るのは、やっぱりミリタリーシャツでしょう。

 


 
 
こちらに使われている素材は、米軍のミルスペックでいうところの「Cotton Sateen,OG 107」がベース。それまでのヘリンボーンツイルから変更になって1950年代の半ばに使われ始めた、いわゆるバックサテン地です。この素材を使ったシャツは、陸・海・空・海兵隊の米全軍で採用されてきました。古着屋さんで見かけたり、実際に買って着てみたり、馴染みのある人も多いかと思います。リアルタイムでは、ジョン・レノンが反戦コンサートで着たというエピソードが有名ですね。彼が着ていたのは、1965年に生産されたものです。以前のタイプと比べると、筒型の袖からシャツ袖にデザイン変更されたところが大きな特徴。

 

 

<ハリウッド ランチ マーケット>がサンプリングしているのは、その次のモデル。見極めのポイントは、ボタンです。1966年1月から「平ボタン」に変わって、こちらのように「BDUボタン」になったものがコントラクター(納入業者)に発注されていきます。さらには肩やアームホール、身頃のサイドにダブルのステッチが入っているところを見ると、1969年末頃まで継続発注されたタイプではないかと思います。その後は、縫製が簡略化されてシングルステッチが採用されていくからです。

 

このように歴史を解き明かしていくのも、男の服の楽しみ方のひとつだと思っています。今回のミリタリーシャツが1960年代後半に作られていたタイプだとすると、映画、音楽、文学などのカルチャーも同時代に生まれていたものを改めて掘り起こしてみたくなります。このクセ、けっこう大変ですけど、発見もいろいろ。着ながら観る、着ながら聴く、着ながら読むの3ながら。みなさんもどうぞ(笑)。
 

 

 


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