お洒落な服だけではカッコいい大人とは言えない。自分らしいワードローブを手に入れたMJ世代は、そろそろ次のステップへと向かいたい。大人としてのライフスタイルを完成させるために必要なのは、趣味を満喫することができる自分だけの居場所だ。
Photo : HIROAKI KAWATA、AKITAKA YAMAMOTO、HIROMICHI TABATA/Text : SHUNSUKE HIROTA
中央にシンボルツリーとしてひときわ大きくそびえるのはウンベラータ。「これはこの物件に引っ越してから手に入れました。天井高が3m以上あるので、大きな植物もOKです」
「アメリカに住んでいた頃から、日本に戻ったら植物を育てたいと思っていたんです」と語る平井龍之進さん。フラワーデザイナーの奥様の影響もあって、予想以上に植物にハマったようで、前に住んでいたマンションではベランダが広かったものの、それでも増え続ける植物によって手狭に。約1年かけて納得のいく部屋を探し、今の物件へと移り住んできたという。コンクリート打ちっ放しの部屋では窓からの光を浴びて観葉植物が茂り、放し飼いのインコのマッチャがのびのびと飛び交う。
「ここは元々店舗物件で、3面に窓がある。観葉植物は陽の当たる室内で育てないといけないものが多いので、うってつけでした。実は僕よりも先に入居希望者がいたそうなんですが、大家さんに改装案をプレゼンして勝ち取りました(笑)。僕は珍しい植物のコレクターというわけでもないし、むしろインテリアの一部として観葉植物を育てています。今育てているのは少なくとも50〜60鉢ぐらいでしょうか。形を整えるために切った枝を挿し木したりしているうちに少しずつ増えていき、ジャングルのようになってしまいましたが、おかげでインコも楽しそうに暮らしています」
こちらは玄関から眺めたリビング。棚を利用して自然に目隠しすることで奥行き感を出しつつプライバシーも確保。
人通りのある道に面した空間のため、窓際の植物は通行人の視線からプライベートを守る効果もあり。
切り花が活けられたフラワーポットは、多治見の窯元で経験を積んだ友人の作品。
片側の壁に並んだ吸音パネルは以前にイッセイミヤケの店舗ディスプレイで使用していたもの。
リビングスペースでは木製パレットの上にラグを敷き、ソファーをレイアウト。パレットを組み替えれば簡易ベンチにもなる。
平井さんが勤務する設計会社がオフィスビル用にデザインしたベンチ。
Tokyo
平井龍之進さん
建築家
1985年生まれ。’08年にワシントン大学セントルイスで修士を取得後、帰国。2013年よりT-SITEの設計で知られる建築設計事務所、クラインダイサムアーキテクツに勤務。妻とインコのふたりと1羽暮らし。
ジャケット/スーツバー 代官山、カットソー/ステューシー、パンツ/アー・ペー・セー、シューズ/ネイティブ