2019.02.11 Mon UPDATE FASHION

10年以上履き込んだヴィンテージジーンズのデッドストック

デニムは新品の状態ではまだその本領を発揮していない、いわば未完成の状態だ。適切な手入れをしながら普段の生活のなかで着込み、ヤレやアジが出てからやっと完成する。自分のライフスタイルが刻まれたレザーは本当の意味での一点モノだ。

履き倒して、ヤレて、自分だけのスペシャルアイテムになる!



※画像左が新品、右が使用したものになります。

11years OLD
リー<Lee>

フェイクアルファ店長、澤田氏所有の101Zは黒タブがつく50年代製造。新品は〈リー〉が公式に1954年当時の仕様を再現した公式復刻。
新品価格1万8000円/リー(同・ジャパン カスタマーサービス)
着用年数:約11年
着用頻度:現在は年数回
手入れ:ひどく汚れた際に洗濯


12years OLD
リー<Lee>

70年代に101Zから品番が変更となって登場した200。左綾織りのジェルトデニムを使用し、しなやかで軽さを持ちつつも強度が高いことで知られ〈リーバイス〉と逆方向に捩れるのも特徴。


15years OLD
キー<KEY>

こちらもデッドストックから履き込んだペインター。60年代のアメリカンワークブランド〈キー〉のもので、ややライトオンスのデニムに三本ステッチによる縫製が施されている。

デッドストックをはき込んで自分だけの1本に仕上げる

ヴィンテージショップ激戦区である原宿のなかでも、ヴィンテージジーンズのデッドストックの保有数では群を抜く〈フェイクアルファ〉で店長を務める澤田一誠氏。19歳のときにリーバイス501XXを大阪で手に入れて以来、数々のヴィンテージと出会ってきたが、現在は5ポケットジーンズに関しては〈リー〉ひと筋だという。
「ヒゲやアタリの美しいものを探して手に入れるのも古着の楽しみですが、今日持ってきた3本はデッドストックの状態から履いて色落ちさせたものばかり。特にこの〈リー〉の101Zはお気に入りで、1950年代後期に作られたサイド黒タグのサイズ表記なしモデル。 ポケットに入れた携帯やライターのアタリも含めて、自分だけの色落ちになりました」(澤田氏)
年々市場に出回る数が少なくなり高騰を続けるヴィンテージジーンズ業界。澤田氏のように当時のヴィンテージをデッドストックで手に入れて履き込むのが理想だが、なかなか予算との折り合いがつかない場合も多い。最近は〈リー〉も当時の仕様を再現した復刻モデルをリリースしているため、それらを新品の状態からはき込んで楽しむのもひとつの手かもしれない。

澤田一誠

10代から古着に魅せられ、レプリカブランドを経て原宿のショップ〈フェイクアルファ〉の店長を務める。映画『乱暴者』のマニアでもあり、劇中衣装の企画も手がける。

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