5月に行なわれたEXILE THE SECONDのツアーファイナル公演にサプライズ出演した際、AKIRAはそんな言葉を口にした。2年半にも及ぶ休息期間を経て、EXILEはついに再始動を果たした――。
そして3年ぶりのオリジナルアルバム『STAR OF WISH』は、彼らならではの“仲間感”と“楽しさ”が存分に詰まった作品となった。今回はそのアルバムと、今年予定されているドームツアーについてAKIRA、TETSUYA、白濱亜嵐、佐藤大樹の4人に話を聞いた。
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「マイナスなことは神様からの試練」EXILE SHOKICHIが新たにトライする新しい音楽
「ひとりの音楽好きとして聞いても
カッコイイ曲ばかりだった」
白濱亜嵐
――3年ぶりのオリジナルアルバムが完成しましたね。
TETSUYA 15人の新しいEXILEを表現した、名刺代わりのアルバムになりました。先日、EXILE THE SECONDのtツアーファイナル公演でEXILE復活を発表し、パフォーマンスも披露したのですが、そのメモリアルな映像もこのアルバムのDVD、Blue-rayに収録できたのが嬉しくて。EXILEの歴史をつなぐ1枚にもなったと思います。
――TETSUYAさんはこの2年ほどEXILE THE SECONDとして活動を続けていたので、EXILEの復活には感慨深いものがあったのではないでしょうか。
TETSUYA 2016年にEXILE THE SECOND本格始動した中で、「18年のEXILEの復活につながる活動を続けていく」というのは、僕らに課せられたテーマであり使命、責任でした。今回のEXILEの再始動は、それを果たせた瞬間でもあるので、やっぱり嬉しかったですね。
――亜嵐さんと大樹さんは今回のアルバムはどんな作品になったと感じていますか。
白濱亜嵐 自分たちらしさを守りつつ、新しいものに挑戦するEXILEの姿が、このアルバムでは表現されていると思います。24歳のひとりの音楽好きの目線から見てもカッコイイ曲がたくさん詰まっていますし、これだけ幅広いジャンルの楽曲に挑戦できるのはEXILEの強みだなと改ためて感じましたね。
佐藤大樹 このアルバムに向けて、『EXILE FRIDAY』と題して行なってきた6ヵ月連続の配信限定リリース企画では、EXILEならではの直球のバラードもあれば、今のEXILEを表現するのにふさわしい『PARTY ALL NIGHT』のような楽曲もあります。『Heads or Tails』は男の中の男を感じる楽曲で、どこか土臭い部分に新しさを感じる曲になりました。2年半ほど活動がなかった中で、こうやってまたアルバムを発表できることが率直に嬉しいです。
「ラフなリリックビデオにするつもりが、
みんな気合が入りすぎてMVのようなものばかりになった」
(AKIRA)
――今回のアルバムのDVD/Blu‐rayでは、CDに収録される14曲の全曲がミュージックビデオ、リリックビデオになっていて、リリックビデオはメンバーがプロデュースしているんですよね。
AKIRA 2018年復活に向けてメンバー会議を重ねていく中で、歌詞を軸に構成したリリックビデオを改めてメンバーがプロデュースすることで、今のEXILEらしさが出せるんじゃないか……という話になりました。自分も映像制作には関わった経験があったので、SECONDでも音楽性を引っ張ってくれたSHOKICHIと1発目を担当することにしたんです。
――その『PARTY ALL NIGHT』のリリックビデオは、笑顔と茶目っ気があふれたメンバーたちの等身大の姿が印象的でした。
AKIRA 『PARTY ALL NIGHT』のリリックは僕とショウキチのプロデュースだったのですが、「ここから華やかにスタートしようぜ」という雰囲気や、EXILEらしい仲間感や楽しさを、2018年の新年会の模様とポップな字体を組み合わせ表現しました。同作業での映像ディレクションは初でしたので、とても楽しかったです。
TETSUYA 第一弾があの映像で、すごくいいスタートになったと思う。
白濱亜嵐 もうホント大変でしたよ。僕なんか自分が出ちゃいましたから(笑)。
――亜嵐さんがNAOTOさん、関口メンディーさんとプロデュースした『Melody』のリリックビデオには、亜嵐さん自身も相当長く出演していましたよね。
AKIRA もう亜嵐のソロMVみたいな作品だよね(笑)。
白濱亜嵐 当初は普通の大学生を主役にした映像にするつもりでしたが、この曲のタイアップのCMで僕がサビのダンスを踊る場面があったので、それを印象に残す方法を考えて。『ぜひ自分も出演させてほしい』と自ら提案しました。
AKIRA 『Ki・mi・ni・mu・chu』のサビのみんなで踊れるフリみたいに、この曲の亜嵐のフリもとてもキャッチーなので、ファンの皆さんにも広まってほしいですね。
「アニメシーンの裏側でも
僕らが汗だくになって踊っています」
(佐藤大樹)
――6ヵ月連続配信限定リリースの最後の作品『STEP UP』のリリックビデオは、TETSUYAさんと大樹さん、世界さんの3人のプロデュースだそうですね。
TETSUYA 「気合い入れないとまずいぞ」というプレッシャーはありました。3人で『EXILE Fridayの最後の作品が俺たちだぞ』って話していました(笑)
佐藤大樹 プレッシャー、ヤバかったですね(笑)。
TETSUYA その『STEP UP』は、SHOKICHIとステレオタイプスがコラボして作曲したニュー・ジャック・スウィング調の楽曲で、『Choo Choo TRAIN』にも似た雰囲気もあります。最近のEXILE THE SECONDでは馴染みのあるタイプの曲ですが、そこにATSUSHIくんやTAKAHIROくんの声が乗って、EXILEとして表現をするのは新鮮でした。リリックビデオにはロストコープ(モデルの動きをカメラで撮影し、それをトレースしてアニメーションにする手法)の要素を取り入れたんです。
佐藤大樹 TETSUYAさんを中心に話し合って、「二次元と三次元を融合させたファンタジーな世界観にしよう」と決めたんですよね。監督さんは海外の方でしたが、『EXILEが大好きだ!』って言ってくれて、メチャクチャ楽しんで作ってくれました。
TETSUYA 僕と同世代の監督さんなんですけど、ホントにアツくて素晴らしい方で。映像1秒間あたりで8枚の絵を描くという大変な作業なのに、気合を入れて作ってくださりました。
佐藤大樹 アニメの動きも自分たちのダンスがもとになっているので、アニメシーンの裏側では、実は僕らが汗だくになって踊っています(笑)。
TETSUYA 歌詞の中にパーティーマシーン、ランニングマン、ブルックリンといったダンスのステップの名前も入っている曲。その動きをアニメで表現したり、僕らが踊ったりしているリリックビデオですね。
AKIRA メンバーそれぞれがアイディアを出してリリックビデオを作ったので、一つ一つカラーが違うのが面白いんです。おもしろい化学反応が沢山起こっていると感じましたね。
「『STYLE of 24karats』で着た90年代の衣装は
下積み時代に踊っていた頃の服装そのままだった」
(AKIRA)
――今回のアルバムにはパフォーマーが主役の新曲『STYLE of 24karats』も収録されていますね。
AKIRA 24karatsは僕らがライブ衣装としても着用しているEXILEのアパレルブランドで、EXILE第二章と一緒にスタートを切りました。「EXILE復活のタイミングで24karatsにも恩返しをしよう」ということでこの曲が生まれ、アパレルも手がけているNAOTOを中心に映像を制作をしていきました。EXILEのルーツである’90年代の音楽やダンスを表現したパートと、未来の社会を表現したパートがあり、そのふたつの時間が交錯する内容になっています。
――90年代を再現したパートは特にすごかったですね。当時のHIPHOPの世界で流行していたオーバーサイズな衣装を身にまとって、パフォーマーのみなさんが踊る場面は問答無用にカッコよかったです。
AKIRA 僕らにとっては、下積み時代に踊っていたファッションスタイルそのままだったのですが、懐かしかったし少し照れくさかったな(笑)。だからてっちゃん(TETSUYA)や俺や(橘)ケンチは、実際に着たとき顔を見合わせて笑っちゃって。
TETSUYA 鏡を見たときは照れましたね(笑)。
AKIRA もちろん今の流行りも取り入れて、新しくはなっていましたが、、それをそれぞれ自分たちで好きなスタイルを選んだんですけど、選んだ服の雰囲気も、着こなし方も当時と変わらなくてね。
TETSUYA でも不思議なもので、その時代の雰囲気の服を着ると、やっぱり昔のダンスを思い出してきたんです。しかもあのリリックビデオでは、本当はイメージショットを撮るだけの予定だったのが、現場に入って着替えたら『じゃあソロで踊ってください』と(笑)。あの衣装だからこそ出せた、素の自分たちのダンスが見られると思います。
――大樹さんも『24karats』では90年代のパートに出演されていますね。
佐藤大樹 僕は憧れていた’90年代の世界に入れたのが本当に嬉しかったです。先輩方が踊っていた映像を「カッコイイな」と思って見ていましたし、「いつか自分でも着てみたい」と思っていた服もこの映像で着ることができました。24karatsさんが作ってくれた服を着て踊ったときに「これをずっとやりたかったんだ」と感激しました。
「ドキュメンタリー映画『EXILE PRIDE』には
誰もバリアを張っていない自分たちが映っている」
(TETSUYA)
――アルバムの豪華盤の映像特典には、EXILEを撮りつづけてきた牧野耕一さんのドキュメンタリー映画『EXILE PRIDE』の最新作も収録していますね。松本利夫さん、ÜSAさん、MAKIDAIさんが勇退した2015年から3年をかけて撮影を続けた映像は、3時間を超える長さになったと伺っています。
佐藤大樹 僕は『EXILE PRIDE』をグループの加入前から見ていました。牧野監督の映像には、みんなの素の表情も、個々人が抱えているリアルな想いも映されているので、僕もあらためてEXILEの深みを知ることができましたし、ファンの方も同じように楽しめる映像だと思います。
TETSUYA 『こんなこと話していたんだ』と驚くような会話や、プライベートな場面も出てくるドキュメンタリーです。それこそライブ後の食事のシーンまで撮影しています。そのときの僕たちは一家団欒みたいな雰囲気で、誰もバリアを張っていない。だから素直な言葉が出てきているんだと思いますし、ステージに立つ僕らとは違う一面が見られる映像になっています。
――そして9月からはアルバムと同名のタイトルのドームツアーも始まりますね。
白濱亜嵐 3年近く待たせてしまったので、みなさんが本当に楽しめるエンターテイメントを作りたいです。僕はその期間にGENERATIONSで活動を続け、ドームツアーも経験しました。そこで踊れたことは大きな自信になったので、僕と(関口)メンディーくんはその経験とライブ感をEXILEのステージにもつなげたいと思います
AKIRA ATSUSHIくんが今回のツアーやアルバムに対しての裏テーマに『ロマン』という言葉を掲げていたんですが、それはこのツアーにも通ずるところがあると思います。ロマンという言葉には空想的な『憧れ』『理想』という意味合いがありますが、EXILEはLove、Dream、Happinessという理想を大事に活動を続け、そこに僕ら自身も憧れを持ち続けてきたグループです。このツアーでは、それをエンターテイメントとして自分たち自身も、お客さまへもお届けし、分かちあえたらと思っていますし、そこでEXILEの新しい未来も感じてもらえたらと思っています。
6ヵ月連続配信企画“EXILE FRIDAY”の6曲に加え、大ヒットシングルの「Ki・mi・ni・mu・chu」や新録曲など全14曲を収録。DVD/Blu-rayにはCD収録の全14曲の映像を収録。豪華盤にはライブ映像のほか、2015年からEXILEの姿を撮り続けた3時間を超えるドキュメンタリー映像「EXILE PRIDE」を収録する。
[①・②初回盤のみ 三方背ケース・横長デジパック仕様/スペシャル・フォトブック76P付]①7480円(CD+3DVD)②7980円(CD+3BD)③3980円(CD+DVD)④4480(CD+DVD)⑤3000円(CD) rhythm zone 7月25日発
EXILE
HIROを中心に結成したJ Soul Brothersを前身に、2001年から活動するダンス&ボーカルグループ。複数回の新メンバー加入や、初期メンバーのパフォーマー引退も経て、第四章にあたる現在は15人で活動している。現在のメンバーは誌面に登場した4人以外とATSUSHI、TAKAHIRO、橘ケンチ、黒木啓司、NESMITH、SHOKICHI、NAOTO、小林直己、岩田剛典、関口メンディー、世界。
EXILE AKIRA
1981年8月23日、神奈川県生まれ。EXILEの中心核としての活動に加え、’17年にはハリウッド作品『沈黙-サイレンス-』の出演や、アジア人初となる「ラルフローレン」のアンバサダー就任、’18年には広告イメージモデル契約を結ぶなど、世界に活躍の場を広げている。
EXILE TETSUYA
1981年2月18日、神奈川県生まれ。EXILE、EXILE THE SECONDのパフォーマー。EXILE ÜSAのダンスプロジェクトDANCE EARTHPARTYでも活動。コーヒーマイスターの資格を持ち、コーヒー店AMAZING COFFEEもプロデュース。
白濱亜嵐
1993年8月4日、愛媛県生まれ。2012年からGENERATIONSのパフォーマーとして活動を開始し、2014年からはEXILEでも活動。俳優活動も行ない、2017年には映画『ひるなかの流星』などに出演。写真集『TIMBRE』も発表した。
佐藤大樹
1995年1月25日、埼玉県生まれ。2014年からEXILEのパフォーマーとして活動し、2016年からはFANTASTICSでも活動。俳優としては『HiGH&LOW』シリーズや映画『ママレード・ボーイ』に出演。今年公開の映画『センセイ君主』にも出演。
写真/斎藤大嗣 インタビュー・文/古澤誠一郎