洒落た大人たちが住まう城には彼らの感性がそのまま息づいている。
そんなセンスが垣間見れるパーソナルな空間を公開。
部屋の内装やインテリアはもちろん、部屋から近所までのワンマイルウエアなど、こだわりの私的スタイルを紐解く。
この部屋の壁はクロスではなく塗装というのも砂田さんのお気に入り。表情のある壁が空間全体を引き締める。
「家具をはじめ、モノを配置する時は、そのモノを美しく見せられるかどうか」そう語るのはインテリアデザイナーとして活動する砂田さん。彼の生業は店舗の設立。図面作成からレイアウト、家具選びまでを請け負い、さまざまなショップを完成させる。その仕事柄、自宅の空間作りにおいても仕事の延長という感覚が拭えないのだそう。そんな環境が彼だけのセンスとモノに対する尺度を構築し、私的な空間を作り上げる。
「普段たくさんの家具に触れるからこそ大切なのは、最低限のモノでレイアウトし、かつずっと使うことを前提としたセレクトにあるのかなと思います。というのも多くを飾ることで、モノが持つ本来の美しさや機能が損なわれることが多いんです。だからあえて的を絞る。そうすれば自然と空間は整理されていきますよ」
総じて言うと空間に余白を持たせることが大事なんだという。彼の部屋はまさにそれを実践した場所。広々とした空間に並ぶ厳選の家具はアンティークやミニマムなデザインがメイン。
また、空間を自分色に染めるために、この無機質な部屋を選んだという。彼のように明確なヴィジョンを持つことこそ、インテリア上級者への近道なのかもしれない。
FURNITURE
板で作った簡易的なシューズラック。シンプルな構成が靴を美しく見せる。
アンティークショップで買った椅子。休みはここで読書。
元はアンティークの台車。天板を外し、ガラス板に変更してテーブルにアレンジ。
友人にもらったアンティークの棚。コーヒー豆や腕時計など、日用品を収納する場所。
ONE MILE WEAR
快適さにこだわったワンマイルウエア。シルエットと素材で快適な着心地を生むヤシキのニットと、動きやすいジョガーパンツが彼の基本。寒いときはパーカをレイヤード。
シンプルながらもディテールで表情を作る砂田さんのスタイリング。織で切り替えしを施した〈YASHIKI〉のニットに、同色のパッチを採用した〈アンルート〉のパンツなど、さり気ないデザインで個性を主張。
CUZ
代表
砂田耕延 さん(38歳)
東京都世田谷区
設計事務所SEIに入社しその後独立。2012年に自身の設計事務所を創立。大手アパレルをはじめ数多くのファッションストアの設立を請け負うなど、その活動は多岐に渡る。
Photo:HIROAKI KAWATA
Text:TAKUYA KUROSAWA
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