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2016.12.12 Mon UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第五十三回【鹿がフンする人生】

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第五十三回【鹿がフンする人生】

今回の※ニッチプラモは〝鹿のフン〟。
プラモ界広しと言えどもこんなタイトルそうは出てこない。
まず箱に注目していただきたい。
《TV・マスコミ大流行!》なんて書かれている。
そしてタモリさん風男性が「ワッハッハ!こりゃゆかい!!」と大喜びである。
一体どういう事かと言えば…
60年代に吉永小百合さんが鹿のフンを歌った「奈良の春日野」という名曲があり、その曲が80年代に『オレたちひょうきん族』で明石家さんまさんが踊り再ブレークした事で誕生した便乗プラモである。
80年代はとにかく便乗プラモが多かった。やりたい放題、人気があればスターウォーズでもエリマキトカゲでもプラモになった。ある意味良い時代でもあった。
だから当時これが発売されても違和感はなかった。
おい〝鹿のフン〟なんて変なプラモが出たぞ!!という唐突感はなく、実にナチュラルに子供たちは受け入れたのだ。
例えば今ピコ太郎さんのプラモデルが出ても「お、出たか」とさほど驚きはしないはずだ、それと同じように80年代〝鹿のフン〟ネタは世間に定着していた。

 

02
完成するとこんな感じ。
尻尾をあげると頭部から仕込んだフンが出てくるギミック。
ただそれだけだ。
だがこれで買った子供は満足した。
『笑っていいとも』で生まれ『ひょうきん族』でブレークした〝鹿のフン〟で遊べるのだ。
いつの時代も流行を追いかけそれを手に入れたがるものである。この時それがたまたま〝鹿のフン〟だったというだけだ。

 

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。

 

PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog http://lineblog.me/endcape/
室外機マニア http://sonzai.net/

 

 

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