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2016.12.16 Fri UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第五十四回【尻を光らせる人生】

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第五十四回【尻を光らせる人生】

30年以上前にTAKA SUZUSHOというマイナーなところからリリースされた蛍のプラモデル。
虫のプラモは数あれど蛍は実に珍しい。
ニッチプラモは箱から鑑賞するのが基本なのだが、まずこの箱絵がとても味わい深い。
旧字の〝螢〟という文字がこれまた時代を感じさせる。
ちなみにこの〝螢〟という字は子供の名前に使用できない。もし名前にしたいのなら素直に蛍にしよう。

そんなこの蛍プラモ。実はとても難易度が高く、点滅球で光らせるために付属の造花の葉っぱに両面テープではりつけたり、穴を開けてコードを通したりと細かな作業が意外と多い。
しかもハンダ付けまで要求してくるから、当時軽い気持ちで買ってしまったちびっ子は唖然とする。

それでは主役である蛍を見てみよう。

 


まさかのワンパーツ!!
とにかく小さいが1/1スケールで原寸大である。
ゴキブリに見えるが、これは蛍だ。
このランナーに繋がれた蛍、細い脚と脚の間にある太いゲートを切り離す作業がまず大変。
脚を折らずに切るために子供たちは四苦八苦したはずだ。
あらゆる難関を乗り越えこの蛍を組み上げて尻が光った瞬間に少年は大人になるのかもしれない。

 

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。

 

PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog http://lineblog.me/endcape/
室外機マニア http://sonzai.net/

 

 

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