2016.08.09 Tue UPDATE CULTURE

話題の人物を直撃! スペシャルインタビュー
玉山鉄二

話題の人物を直撃! スペシャルインタビュー<br>玉山鉄二

玉山鉄二が「ここからが、本当の意味での勝負になる」と位置づけて挑んでいるのが、7月にスタートしたドラマ『そして、誰もいなくなった』(日本テレビ系毎週[日]午後10:00~)。演じるのは、すべての個人情報を改ざんされた主人公の藤堂(藤原竜也)を時に助け、時に窮地へと陥れる謎めいた総務省のエリートキャリア官僚、小山内だ。「役柄上、説明セリフが多くて大変」と笑う玉山に、ここMJPでは、そんな多忙な毎日を癒してくれるプライベートでの楽しみについて聞いた。

 

――毎回、手に汗握るスリリングな展開。藤原竜也さんとの絡みが多いですが、今回が初共演ですか?

実は竜也くんとはテレビ朝日に以前あった月曜20時の枠でごいっしょしているんですよ。僕が初めてレギュラー出演させてもらった『天国のKiss』というドラマで、工藤雅史という“クラスメイトその1”でした(笑)。今回は、竜也くん演じる主人公の友人で、協力者に見えて実は…という役ですが、あれから15年が経ってガッツリやらせてもらっているんですから感慨深いものがありますね。

――主人公は何者かに個人情報を改ざんされた藤堂。毎回ハラハラするサスペンス性はもちろん、「もしも自分が世に中に存在しない人間になったら…」。そう考えると空恐ろしくなるドラマです。

僕が演じる小山内が言う「人を信じるのも信じないのも結局はデータ次第」というセリフなんて、まさに。僕ら30代以上の世代が見てきた世界とは違う、次の段階に世の中が差し掛かってきていると思うので「信頼って何だろう?」「自分を証明するものって何だろう?」と考えてしまいますよね。自分も子供がいますから「彼らはどんな時代を生きてくんだろう…」なんて、ちょっと心配も。

――ドラマのお話は本誌のインタビューに譲るとしまして。今回は説明セリフも多く大変な中、心の安らぎはやはりお子さんと過ごす時?

そうですね。日々の成長、変化に驚かされては、ほっこりさせられています(笑)。彼がダンゴ虫に夢中なので棒を片手に、いっしょに探したり。よく公園に遊びに行くんですけど、近所の方や店のおばちゃんが子供に「あら久しぶりね~」「元気?」なんて声を掛けてくれる、昔ながらのコミュニティっていいなあと。なんかホッとする。データや数字は、そんなふうに温かく見守ってはくれませんからね。

――公園以外は、どんなところに?

この夏は海にも行っていますね。葉山とか逗子の海開きにいっしょに出かけては、砂まみれに。この間は2人で普通に遊んでいたら某情報番組の取材班にインタビューされそうになって焦りました(笑)。『マッサン』を撮影している時は月イチでしか会えていなかったので、そのぶんを取り戻している感じです。

――ウイスキーはいかがです? 『マッサン』を機にニッカウヰスキーのアンバサダーにも就任されましたが。

仕事がなければ、ほぼ毎日飲んでいます(笑)。最近は(自宅で簡単に炭酸水を作れる)ソーダメーカーも買って、より美味しいハイボール作りを目指す毎日です。性格的にロックかハイボールという、あまり冒険しないタイプなんですよ(笑)。

――ちなみに、玉山さん流の美味しいハイボールの配合は?

ウイスキーとソーダ水は1対3くらいの濃い目。まずはウイスキーと氷をなじませながら全体を冷やして、炭酸は強めが好きなので氷に当てないようにそっと注ぐ。あとは混ぜすぎないこと、かな。

――試してみます。それにしても、いい趣味ができましたね。

本当ですよね。これまで趣味らしき趣味がなかったから。あれこれ調べながら試しながら家で飲む時間が至福の瞬間といいますか…できればいい状態で飲みたいから、これから氷も丸く砕いたりするようになるのな、とか(笑)。そんな案外、凝り性な自分も知ることができましたし。いろんな意味で『マッサン』には感謝しないと。

――今、何本くらいウイスキーをお持ちなんですか?

数えてはいないですけど…飲んでいないものだけで15~16本。その中で、きっと死ぬまで飲めないだろうなというものが2本あって。1本はニッカの創業者で、マッサンこと僕が演じた政春のモデルになった竹鶴政孝さんが原酒を仕込んだザ・ニッカ40年。もう1本は現在、ニッカでチーフブレンダーをやられている佐久間正さんという方が僕の生まれた年の原酒だけを集めて作って下さった至高の逸品です。

――よく愛用の腕時計を譲る…なんて話もありますし、ぜひお子さんの20歳の誕生日に。

それはね、ニッカの蒸留場でマイウイスキーを作れると聞いたので、息子がある程度、大きくなったらいっしょに作りに行って。20歳になった時に飲めたら…という計画がすでにあるんですよ(笑)。

――では最後に、今年は年男。どんな年にしたいですか?

まずは『そして~』をしっかりとやり終えて。来たる40代、50代につながるものを何か残したいです。で、将来の…これはあくまで夢なんですけど、いろんなものをいただいた朝ドラにもう1度、出させてもらって恩返しできればと。朝ドラは明治、大正、昭和を中心に描かれますからね、ほかの作品で再びマッサンが出てこないとも限らないですし。その時はぜひ、老けメイクなしで(笑)。その時の、ありのままの自分で出られたらいいなと思います。

 

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□プロフィール 1980年4月7日生まれ。京都府出身。’99年、ドラマ『ナオミ』で俳優デビュー。’05年『逆境ナイン』で映画初主演を果たす。以降もクールな二枚目から朴訥とした青年、コミカルな役まで幅広く演じる。’09年には映画『ハゲタカ』にて日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。’13年にはNHK大河ドラマ『八重の桜』に出演し、’14年には連続テレビ小説『マッサン』で主人公・政春役を半年間にわたって好演した。現在『そして、誰もいなくなった』が放送中(日本テレビ系毎週[日]午後10:00~)。

 

 

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