13年に連載がスタートするや、
そのスリリングな展開と凄惨なシーン、
含みのあるエンディングが話題をさらった
漫画『ミュージアム』が実写映画化。
殺人を芸術として捉える謎のカエル男と対峙する
主人公の刑事、沢村を小栗 旬が演じる。
果たして犯人の目的は? その正体は?
謎解きのおもしろさと昨今、誰にでも起こり得る
理由の見えない犯罪の恐怖を描いた本作で
小栗が“追い詰められる男”を熱演する。
本誌でのインタビューに続き、今の心境を語ってもらった。
その模様を3夜に渡ってお届けします!
今日は最終夜!!
――撮影自体はいかがでしたか?
大友監督らしいアクションもありましたし、役柄とともにハードでした(笑)。
来る日も来る日も雨、雨、雨だし、それにほぼほぼ出ずっぱりでしたからね。
子どもが生まれてから父親役をやったのは『コウノドリ』(’15年)以来、二度目なんですが、
撮影がちょうど『ミュージアム』と重なって…
最終回にゲストとして呼ばれた時は“沢村”として臨まなきゃいけなかったこともあり、
そちら側の苦労もなくはなかったですけど。
まあ、それもいろんな役をいただけているからなわけで、贅沢な話ではあるんですけどね。
――’16年は本作も含め3本が公開。
来たる’17年も、すでに公開待機作が3本。
お忙しい日々が続きますが、今年はどんな年でした?
気持ち的に充実していました。
『ミュージアム』もそうですし、ここ数年、いただく役が変わってきた…
何年か前に「この作品ならこの役をやりたいな」と思っていた役をもらえるようになってきて。
来年も、ありがたいことに多牌(ターハイ)しちゃいそうになるくらいお話をいただいたので(笑)、
もうひとつ身体が欲しいです。
――この12月で34歳。体力なり気力なり、何か変化を感じますか?
体力的には、ここ最近、絶好調なんですよ。神経伝達がいいというか。
カリ(総合格闘技の一種)も相変わらず続けていますし。
’17年は3月から舞台『髑髏城の七人』があるので、
下半身を強化するべくケトルベル(薬缶状の鉄球)を使ったトレーニングを始めたら、足も速くなっちゃって。
今人生で一番、足が速いと思う(笑)。
この間もいい歳して友達何人かと100m走をやったんですけど、ぶっちぎりで一番でした。
――(笑)、『髑髏城』の参加は…6年ぶり?
大好きな舞台自体も1年半ぶりですから楽しみですね。
そうですね。全85公演もあるんで、忙しいっちゃ忙しいけど、
とにかく気力、体力とも充実していますし、僕も楽しみたいですね。
あと、まだ詳しくは言えませんが、その後にももう1本、舞台があって。
ほかにもアクション作品のお話もいただいていたりするので、
そちらも楽しみにお待ちいただきたいと思います。
――最後にもう一度『ミュージアム』の話を。原作の連載終了後、
原作者の巴先生がラストシーンのあるコマを使い「本当はバッドエンドにしたかった」
というメッセージを発表し、話題になりました。
ネットで話題になりましたよね。僕も見ました。
――巴先生にその気になるバッドエンドをお聞きになったりは…。
それが聞いていないんですよ、残念なことに。
やっぱり、気になりますよね?
でも昨今、結末はもちろん、エピローグまできちんと描く作品が多い中、
こうして想像する余白があるというのはすごくおもしろいことだと思いますし、
『スラムダンク』なんかもそうだけど、何年も語り合えるのはファンとして楽しみなことだし。
だから…今後、機会があっても聞かない方がいいのかな、と。
――では、映画『ミュージアム』も鑑賞後はラストーンの解釈などなど、
場末の酒場で大いに語り合ってもらって(笑)。
観終わった後、みんなであれこれ想像してください。
で、何より大友監督とともにおもしろいエンターテインメントにしようと思って作ったので、楽しんでください。
そうしてもらえると、俺もうれしく思います。
了
【プロフィール】
1982年12月26日生まれ、東京都出身。
’98年に『GTO』で連続ドラマ初のレギュラー出演を果たす。
俳優として活躍しながら、’10年には『シュアリー・サムデイ』で初監督。
ドラマ、映画以外に舞台へも精力的に出演している。
’16年は『信長協奏曲』『テラフォーマーズ』ほか多数出演。
’17年は『追憶』『銀魂』、『君の膵臓をたべたい』が公開予定。
また3月30日[木]~6月12日[月]には劇団☆新感線の舞台『髑髏城の七人』に出演する。
IHIステージアラウンド東京(豊洲)。
Photo:JUNICHI HIROSE[Perle]
Styling:HIROHITO HONDA
Hair&Make:KENTARO SHIBUYA[air/LOVEST]
Interview&Text:TATSUNORI HASHIMOTO