2016.11.18 Fri UPDATE CULTURE

公開まで1カ月!
帰ってきたダース・ベイダー
最新考察論 第3夜

いよいよ公開まで、あと1カ月。
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は
エピソードⅢとⅣの時間を埋める物語となる。ということは、
我らがカリスマ、ダース・ベイダーは全盛期。
圧倒的な強さで大暴れすること間違いなしなハズ! と、たっぷりの期待を込めて、
編集部では仮定してみました。
そこで、豊富な知識に裏付けられたユニークな考察・レビューで、
映画ファンから多大な支持を受けている
「ORIVERcinema」編集長のNakatani氏に執筆を依頼。
ベイダーとは? そしてローグ・ワンでの登場は?
まったく新しいベイダー考察論、初出しの原稿をいただきました。
 
クライマックスへと近づく今夜は第3夜!!
 
 
 
 
第3夜
真のカリスマ、ダース・ベイダー

 
プリクエル三部作が発表されてから、苦労人や悲劇の主人公としての印象を強めるダース・ベイダーだが、やはり彼は圧倒的にカッコいい悪役だった。
悪役でありながら、主人公の青年ルーク・スカイウォーカーよりも色濃く、印象的に描かれている。彼がいかに力強いキャラクターであり、その後の映画史、ポップカルチャー史を永遠に変えてしまう存在となったかは、今更改めて語るまでもない。ダース・ベイダーのポートレート写真を持って世界中を回ってみても、その姿を全く見たことがないという人物に出会うのは不可能だろう。
 
『エピソードⅣ / 新たなる希望』オープニングで初めてこの銀河に姿を表した瞬間、全ての観客は彼の虜となった。
 
帝国軍のスター・デストロイヤーに捕らえられた反乱軍のタンディブⅣの真っ白な船内では、反乱同盟軍兵がレーザー銃を携えて戦闘配置に急ぐ。
兵士たちは、タンティブⅣの通路突き当りにある扉に銃口を構え、意識を集中させる。すると艦内にはスター・デストロイヤーのハンガー・ベイに吸い込まれる不気味な音が響き、反乱同盟軍のベテラン兵らは不穏な表情を浮かべる。この時点ですでに、敵軍はこちらの軍力をまるまる呑み込めるほどの強大さを誇っていることを思い知らされる。音楽が切り替わり、これから何かが起こることを観客に予感させた次の瞬間、扉から火花が上がり、音を立てて爆発したと思うと、立ち込める煙と共に帝国軍のストーム・トルーパーが一斉になだれ込んでくる。反乱軍は必死に応戦するも、次々現れる帝国兵に為す術無く、退散に必死だ。
トルーパーらがあらかたの反乱同盟軍兵士を倒したところで、満を持してダース・ベイダーが登場する。白い煙が充満する真っ白な艦内において、ベイダーの姿は一層力強く引き立っていた。
 
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ダース・ベイダーは、その全てが異質だ。白で統制された帝国軍の戦闘部隊の中で、ただ一人黒いスーツを纏っている。揃いの制服を着用し、素顔を見せている司令部の面々の中で、やはり一人だけマスクを被っている。彼が喋れば、シンセサイズされたバリトンの声が響き、彼が歩けば、漆黒のマントが威厳と共になびく。そして、彼がそこにいるだけで、不気味な呼吸音が空間を支配する。カリスマとは、まるで世界がその人のためにセットアップされているかのように感じさせる説得力を帯びている人のことだ。だから紛れもなく、ダース・ベイダーはカリスマだ。
 
映画史上、最も鮮烈に暗色の光を放ち続ける真のカリスマが、12月16日公開『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』で、再び我々の前に姿を現すのである。
 
※明日に続く
 
 
 
 
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[筆者プロフィール]
Naoto Nakatani
海外ポップカルチャーのファン・メディア ORIVERcinema編集長。
記事執筆やメディア運営、企業のプロモーション企画を手がける。インドカレーとバーガーキングが大好物。
ORIVERcinema
映画を中心とした海外ポップカルチャーのファンによるファンのためのファン・メディア。
最新の海外情報やユニークな考察・レビューが楽しめる場所として急激に人気を集めている。
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