2016.12.15 Thu UPDATE CULTURE

ついに公開!
『ローグ・ワン』のダース・ベイダーは
どう描かれる? まとめてみました

いよいよ明日12/16公開!
『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』は
エピソードⅢとⅣの時間を埋める物語となる。ということは、
我らがカリスマ、ダース・ベイダーは全盛期。
圧倒的な強さで大暴れすること間違いなしなハズ! と、
たっぷりの期待を込めて、編集部では仮定してみました。

「ORIVERcinema」編集長のNakatani氏と敏腕時計ライターの川口哲郎氏に執筆を依頼。
ベイダーとは? そしてローグ・ワンでの登場は?
さらに、ベイダーが巻き起こすファッションムーブメントとは?
MJP初出しでいただいた原稿を
まとめてみました。

第1部
ダース・ベイダーが流した涙

ようやく、わかりはじめる頃だろうか。

思えば、ダース・ベイダーほど一緒に仕事をしたくない男はいない。
不気味な呼吸音とオラついた態度で周囲を威圧し、自身の完璧主義を他人にも押し付け、失敗した部下は容赦なく絞め殺してしまう。そう言えば第二デス・スター建設プロジェクトの時なんか、現場から人員不足で納期に間に合いませんと相談されているのに、「お前それ皇帝陛下の前でも同じこと言えるの?」と一蹴していた。とんでもないブラック体質である。

それでも我々は、この仰々しくもどこか孤独を感じさせるダース・ベイダーという男に、畏敬とも尊敬とも同情とも取れぬ念を抱いている。それは、『エピソードⅠ / ファントム・メナス』から『エピソードⅢ / シスの復讐』にかけて語られたアナキン・スカイウォーカー時代の悲劇を目の当たりにしているからだろう。かつて『選ばれし者』として将来を有望視されていたアナキンは、様々な不幸と不遇な環境、そして計算高い大人の策略が呪ってダース・ベイダーとなった。全銀河系の不条理という不条理をマスクの中に閉じ込めると、その中で溺れて窒息しないように呼吸器で息をするのが必死だった。日本の戦国時代の兜をモチーフにデザインされたそのマスクは、何かに怒っているようにも、何かに怯えているようにも見える。喜びや安らぎ、理性や勇敢さといった、かつてのライトサイドの感情は見い出せない。

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© Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights Reserved.

この暗黒の犠牲者は、共感できるキャラクターというより、同情しやすいキャラクターだ。
表情がわからない分、観客は彼の心情を自由に推察することができる。本当は、マスクの下では思い悩んでいるのではないか。心の何処かで、救済を求めているのではないか。
世界中の観客から同情を吸い寄せ、蓄積していくのに、彼の黒いマスクとスーツ、マントは好都合だった。黒色が可視光線を吸収して熱を帯びるのと同じ理由である。ダース・ベイダーの暗黒が底なしに深く濃いほど、同情の念が集まり、熱され、ムスタファーの灼熱のマグマとなって我々の心に流れるのだ。

ダース・ベイダーという名の悲劇的運命をかたどるマスクの下で、ファンは彼が流したであろう涙粒を数えている。スター・ウォーズ・ファンは、大人になるにつれて、かつて自分が数えた涙粒の数を誤っていたことに気付かされる。我々も成長し、もう若手とは呼ばれなくなり、すっかり部下や後輩に相談を持ちかけられるような立場になった。愛する人と一緒になることも、離れることも何回か経験した。どうしようもない不条理というのがどうやらこの宇宙にはあって、たまにあらがってはみるけれど、結局はフォースの導きに身を委ねるしかないことを学んだ。
だから、これまで数えていなかったベイダーの涙粒が、その爛れた頬をつたって落ちるのをこれまで以上に感じ取れるようになった。

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ダース・ベイダー。あなたは、いつだって板挟みにされていた。善と悪、理性と感性、愛と仕事、そして理想と現実─。
そのジレンマに苦しむベイダーの葛藤。この年になってようやく、わかりはじめる頃だろうか。

第2部
理性と感性の間で

スター・ウォーズとは、ダース・ベイダーの悲劇の物語である。
かつて『選ばれし者』として将来を有望視されていたアナキン・スカイウォーカー青年は、悲劇に導かれシスの暗黒卿と成り果ててしまう。
彼の人生は、板挟みとなった立場から決断を迫られるという、残酷な瞬間の連続であった。

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初めての決断は、少年時代、故郷タトゥイーンに母を残して宇宙へ旅立つかという選択だった。この時わずか9歳にして、人生を大きく変える分かれ道を知らずうちに選択していたのである。
気弱ながら心優しいシミ・スカイウォーカーは、砂漠の惑星タトゥイーンの辺境で奴隷として苦しい日々を過ごしていた。不思議なことに、自然に身ごもり出産した子がアナキンだ。シミの善を受け継いだアナキンは、母を奴隷の身分から救いたいという強い想いがあった。
そこに偶然訪れたジェダイの騎士、クワイ=ガン・ジンによる”ジェダイの修行に身を投じる”という提案は、彼の想いとは相反するものであった。
生きとし生けるものには、”家族は無償で助けるべき”という本能がもたらす義務が宿っている。人一倍センシティブで、辛い日々を母とふたりで耐え忍んだアナキンにとって、その義務感はより鮮烈であった。
しかし、外の世界に羽ばたいて、銀河にとって立派な存在となる未来が待っている運命も、アナキンは早くも予感していた。結局、アナキンはジェダイとなるべくクワイ=ガンらに同行する道を選ぶ。母シミは「これはあなたの運命。運命は変えられない。沈む夕陽を止められないのと同じ。」と理解を試みるも、やはり物寂しい表情で我が子を見送る。
新たな運命に向かって歩み始めるアナキンが振り返ったとき、その憂いに満ちた佇まいを見逃していたわけではない。

ジェダイとしての修業の日々を邁進するアナキンは、理性と感性の間での決断を差し迫られることになる。クワイ=ガンらと共にタトゥイーンに訪れていた王女パドメ・アミダラに幼いながら恋心を抱いていたアナキン。彼が19歳になったとき、二人は再会する。ただでさえ恋愛を禁じられているジェダイ。アナキンは元老院議員であるパドメの護衛という立場であり、その二人が恋に落ちるなど言語道断である。
でも、そんなルール、誰が決めたんだろう? 若い二人の間に燃える恋の炎を、誰が止められよう? 大人たちが創り上げ、無理やり差し出してくる理性というやつは、刹那的な感情によっていとも容易く崩れ去ることを、アナキンは惑星ナブーの美しい湖のほとり、柔らかな日差しの中でぼんやりと悟っていた。

アナキンはここから、理性と感性の間での選択が迫られる瞬間において、常に感性にその決断を委ねるようになる。
タスケン・レイダーのキャンプで母シミ・スカイウォーカーが惨殺されたとき、アナキンは怒りに任せてタスケンの群れを皆殺しにしてしまう。
ジオノーシスにおいてドゥークー伯爵を追い詰めた時は、はやる気持ちを押さえきれず、オビ=ワンの制止を無視して飛びかかり、あっという間に蹴散らされる。
そして、シスの暗黒卿としての姿を露呈したパルパティーンをメイス・ウィンドゥが追い詰めていたとき、即刻処刑を試みるメイスに対し「ジェダイの道に反する」と理性を示すも、結局は咄嗟にメイスの腕を斬り飛ばし、パルパティーンに反撃の機会を与えてしまう。
これがダース・ベイダー誕生の決定的なきっかけとなった事は、よく知られている通りだ。

第3部
真のカリスマ、ダース・ベイダー

プリクエル三部作が発表されてから、苦労人や悲劇の主人公としての印象を強めるダース・ベイダーだが、やはり彼は圧倒的にカッコいい悪役だった。
悪役でありながら、主人公の青年ルーク・スカイウォーカーよりも色濃く、印象的に描かれている。彼がいかに力強いキャラクターであり、その後の映画史、ポップカルチャー史を永遠に変えてしまう存在となったかは、今更改めて語るまでもない。ダース・ベイダーのポートレート写真を持って世界中を回ってみても、その姿を全く見たことがないという人物に出会うのは不可能だろう。

『エピソードⅣ / 新たなる希望』オープニングで初めてこの銀河に姿を表した瞬間、全ての観客は彼の虜となった。

帝国軍のスター・デストロイヤーに捕らえられた反乱軍のタンディブⅣの真っ白な船内では、反乱同盟軍兵がレーザー銃を携えて戦闘配置に急ぐ。
兵士たちは、タンティブⅣの通路突き当りにある扉に銃口を構え、意識を集中させる。すると艦内にはスター・デストロイヤーのハンガー・ベイに吸い込まれる不気味な音が響き、反乱同盟軍のベテラン兵らは不穏な表情を浮かべる。この時点ですでに、敵軍はこちらの軍力をまるまる呑み込めるほどの強大さを誇っていることを思い知らされる。音楽が切り替わり、これから何かが起こることを観客に予感させた次の瞬間、扉から火花が上がり、音を立てて爆発したと思うと、立ち込める煙と共に帝国軍のストーム・トルーパーが一斉になだれ込んでくる。反乱軍は必死に応戦するも、次々現れる帝国兵に為す術無く、退散に必死だ。
トルーパーらがあらかたの反乱同盟軍兵士を倒したところで、満を持してダース・ベイダーが登場する。白い煙が充満する真っ白な艦内において、ベイダーの姿は一層力強く引き立っていた。

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ダース・ベイダーは、その全てが異質だ。白で統制された帝国軍の戦闘部隊の中で、ただ一人黒いスーツを纏っている。揃いの制服を着用し、素顔を見せている司令部の面々の中で、やはり一人だけマスクを被っている。彼が喋れば、シンセサイズされたバリトンの声が響き、彼が歩けば、漆黒のマントが威厳と共になびく。そして、彼がそこにいるだけで、不気味な呼吸音が空間を支配する。カリスマとは、まるで世界がその人のためにセットアップされているかのように感じさせる説得力を帯びている人のことだ。だから紛れもなく、ダース・ベイダーはカリスマだ。

映画史上、最も鮮烈に暗色の光を放ち続ける真のカリスマが、12月16日公開『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』で、再び我々の前に姿を現すのである。

第4部
『ローグ・ワン』におけるダース・ベイダー

12月16日(金)いよいよ封切られるスター・ウォーズ最新作『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』は、『エピソードⅢ / シスの復讐』と『エピソードⅣ / 新たなる希望』の中間の時代を描く物語だ。『シスの復讐』ラストで、シス側が勝利し、銀河共和国の最高議長パルパティーンは帝政を宣言し、銀河帝国を設立した。スター・ウォーズ・ユニバースには幾つもの星系が存在し、それぞれに異なる政治形態が存在する。それらを「力と恐怖」によって一気に統制することを試みたパルパティーンは、帝国の誇る恐怖の象徴として究極破壊兵器デス・スターの建設を進める。この計画は『エピソードⅡ / クローンの攻撃』でその開戦の様子が描かれた『クローン戦争』以前からあったものだ。

パルパティーンは共和国時代から、技術革新に躍起であった。歩兵戦力の一律化と教育・統制の効率化を図り、身体能力と戦闘センスに優れた賞金稼ぎジャンゴ・フェットのDNAを利用したクローン兵を大量生産。遺伝子操作により個体の成長スピードを早め、安定した戦力の供給を可能にしている。
また、スター・デストロイヤーといった宇宙戦艦に、TIEファイターなどの宇宙戦闘機をはじめ、AT-ATウォーカーなどの地上兵器もさかんに開発・生産を進めている。今回の『ローグ・ワン』では、AT-ATウォーカーの前身モデルとなるAT-ACTカーゴ・ウォーカーも登場する。

帝国が銀河全体を軍事主義で支配していく中で、そこから逃れるように信仰主義に走る者たちもあった。それが『ジェダイ信仰』である。
『シスの復讐』で描かれたジェダイ抹殺計画『オーダー66』によって、ヨーダやオビ=ワンを除く全てのジェダイは抹殺されてしまった。共和国の守護兵として隆盛を極めたジェダイ騎士団は銀河史から忽然と姿を消し、後には伝説だけが残った。『新たなる希望』で、ハン・ソロが「カビの生えた古臭い宗教」と揶揄していたように、ジェダイやフォースは言い伝えに残る魔術めいた存在になっていた。
神を信じる者が”God Bless You(神のご加護を)”と言うように、フォースを信じるものは”May the Force be with You(フォースと共にあらんことを)”と口にする。『ローグ・ワン』予告編でも、主人公ジン・アーソ(フェリシティ・ジョーンズ)が”May the Force be with Us”と発言しているのが確認できるし、チアルート・イムウェ(ドニー・イェン)はフォースやジェダイの教義を信奉する僧兵だ。
ジェダイ亡き時代、銀河の万物を等しく繋ぐと伝えられるフォースは、軍国主義の世の中で希望のように感じられた。人々が『新たなる希望』の誕生をルーク・スカイウォーカーの登場まで待たなければならなかった頃、これ以上の希望の光が帝国の兵火によって潰えることはあってはならないと立ち上がるのが、反乱同盟軍のローグ・ワン部隊なのだ。

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「ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー」予告映像より
© Disney
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一方で、軍事主義の真っ只中にいるダース・ベイダーその人こそ、実はフォースの伝説の生き証人だ。帝国軍の誇る最新技術の総結集とも言えるデス・スターがテーマとなる物語の中で、テクノロジー推進側の組織で指揮を執るベイダーは、フォース感応者である。『新たなる希望』劇中においても、「技術で築いた恐怖を過信するな。惑星を破壊する力も、フォースには勝てない。」と語り、科学の力で銀河を統治しようとする帝国軍の面々の中でただ一人、フォースの力を誇示している。その彼自身の四肢と臓器が、科学技術によって延命装置的に維持されている、というのもまた皮肉な話である。
『ローグ・ワン』では、ダース・ベイダーが圧倒的な力と共に反乱同盟軍の前に立ちふさがると言われている。伝説となったフォースを信じ、「希望が私たちの切り札」などと綺麗事を言いながら帝国の進んだ兵力に無謀に飛び込んでいく反乱同盟軍の前に、ダース・ベイダーは本物のフォースを、本物の絶望を見せつけるのだ。

帝国軍という、技術至上主義の巨大組織を背中に携えながら、己の信じた『フォース』という信念を、時代が変わってもただ一人貫き通す…。悪役ではありながらも、彼こそが我々男たちが憧れるべき真のラスト・サムライなのだ。

誰にも理解されない葛藤、惚れ惚れする機械の体、そして時代が変わっても決してブレない信念…。男のロマンを全て携えたダース・ベイダーは、2016年12月16日(金)公開の映画『ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー』にて、再びスクリーンに帰還する。

http://starwars.disney.co.jp/

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[筆者プロフィール]
Naoto Nakatani
海外ポップカルチャーのファン・メディア ORIVERcinema編集長。
記事執筆やメディア運営、企業のプロモーション企画を手がける。インドカレーとバーガーキングが大好物。
ORIVERcinema
映画を中心とした海外ポップカルチャーのファンによるファンのためのファン・メディア。
最新の海外情報やユニークな考察・レビューが楽しめる場所として急激に人気を集めている。
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第5部
ベイダーモデルが高級ブランドに!!

映画史上に名を馳せる不朽の名作『スター・ウォーズ』の世界観や魅力の根幹ともいえる存在「ダース・ベイダー」は、凡百の悪役とは異なる深淵な精神構造や重層的な来歴など、唯一無二のキャラクターで多くの人々を惹きつける。だが、もっとも特徴的なのは何といってもあの風貌。衣装? 出で立ちというか見た目である。日本の兜やドイツ軍のヘルメットなど、古今東西のモチーフを巧みに取り合わせることで実現したダース・ベイダーは、その視覚的インパクトで、絶対的な畏怖とともに説明不能な、ある種麻薬的な憧憬を植え付ける。メチャクチャにかっこいいのだ!
かようにダース・ベイダーのポイントは、デザインにもあるのだが、当然のように巷には彼を題材にしたグッズやアイテムが氾濫しており、新作公開ともなればその勢いはたちまちレッドゾーンにまで達する。身のまわりをダース・ベイダーづくめにすることも簡単だ。
時計は、こうした映画作品関連のテーマを盛り込むのに、格好の製品。これまでにもダース・ベイダーモデルは、いくつもあった。だが、このたび紹介するモデルは、とにかく破格のスケールだ。何が? ダース・ベイダーの魅力を、超一級のハイエンドウオッチブランドが、最高のテクノロジーで、全力で、本気で、脇目も振らずに髪振り乱し、フラッグシップモデルに落とし込んでいるのだ。

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この時計はアメリカ・ロサンゼルスに本拠を置く「デヴォンワークス」という気鋭のウオッチブランドが製作した「トレッドワン」というモデルで、最大の特徴は特殊なベルトで時間を表示する複雑機構。高度なマイクロプロセッサで制御・独立可動する4本のベルトに記された数字によって時、分、秒を示す画期的なスタイルで、その印象はといえばまさに“フューチャリスティック”。『スター・ウォーズ』の世界と完璧にリンクしている。このたびこのモデルに、ダース・ベイダー仕様のスペシャル・エディションが登場。ウオッチフリークからスター・ウォーズファン、ひいては映画ファンまでをも巻き込んで、ちょっとした騒ぎとなっている。

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ダース・ベイダーといえばやっぱり黒でしょ、というわけで本体カラーはブラックで決まり。で、ぜひ注目していただきたいのがフェイスのデザイン。細部に至るまでダース・ベイダーをイメージさせる形状や意匠が起用され、さらに、『スター・ウォーズ』ファンなら本稿を読むまでもなく写真を見ただけでピンときたはずだが、ケースの両端には、劇中の戦闘機「タイファイター」のデザインがさりげなく、かつ大胆にフィーチャーされている。さらに下方のリューズには銀河帝国の紋章を入れるなど、微に入り細を穿つこだわりによって劇中に登場してもおかしくないほどの完成度なのだ。時計を起動させた瞬間、あの独自の不気味な呼吸音が聞こえてきそうな迫力を備えている。

“ダース・ベイダーモデル”の頂点であることが、おわかりいただけただろうか。じつはこのモデル、お値段も頂点で税抜399万9000円。一般的な感覚からするとダース・ベイダーと鉢合わせして凄まれた時のように冷や汗をかきそうな高級モデルだが、それに見合ったクオリティと、満足感が手に入るのは間違いない。「トレッドワン・スター・ウォーズウオッチ」は、奥深きハイエンドウオッチの魅力を体現した、最高にロマンチックでクールなモデルだ。知れば知るほどだんだん、だんだん、手に入れたくなる……魅惑の“ダークサイド”に、行きますか!

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「デヴォンワークス」はクリエーターにして実業家のスコット・デヴォンが2010年に創立したブランドで、スーパーカーの開発・製造も手がける先進ブランド。ダース・ベイダーモデルは、『スター・ウォーズ』のスタイリッシュな未来世界イメージへの共感から生まれた。

米国で唯一時計のムーブメントを自社開発・製造するデヴォンワークスの代表モデル「トレッドワン」を“ダース・ベイダーコンセプト”でブラッシュアップ。航空機の計器に使われる厚さわずか0,05㎜の特殊素材ベルトを4つのステップモーターで回転させ、時刻をデジタル表示で示す独自機構を搭載。初代モデル発表は2010年ジュネーブ時計大賞のデザイン・コンセプト部門でファイナリストになった。充電式クォーツで、1回の充電で約2週間駆動。(ちなみに写真の表示時刻は12時18分15秒)
「トレッドワン・スター・ウォーズウオッチ」参考税抜価格399万9000円

問い合わせ:ヴィタエルーキス 銀座 (デヴォンワークス) 
☎03-6264-5685

文:川口哲郎

 

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