2017.05.12 Fri UPDATE CULTURE


DOBERMAN INFINITY
NEW シングル「DO PARTY」
~ロングインタビュー~

5月10日に発売された5thシングル『DO PARTY』について、DOBERMAN INFINITYのメンバー5名それぞれはどのような想いで制作したのか。時間をかけてじっくり語ってもらったロングインタビュー!

――昨年末にリリースした2ndアルバム『TERMINAL』は、D.I.にとってどんな作品でしたか?
KUBO-C「僕たちが掲げる〈ALL ROUND HIP HOP〉というテーマを、明確に提示できた1枚だったと思います」
P-CHO「D.I.が成長していくためにも必要なアルバムでした。次のアルバムへの期待感も煽れたと思っています」

――今年2月から全国を巡ったライヴ・ツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2017 “TERMINAL”』を終えて、どんな感想を持っていますか?
GS「初の全国ホール・ツアーで、さらに全14公演というのは僕たちにとって最多の公演数でした。公演が終わる度に修正点を改善してきましたし、いいライヴを作るために最後の最後までチーム一丸となって取り組めたと思います。行く先々で盛り上がり方が違ったり、アリーナ・ツアーを目指す上でも今後につながる経験になりました」
SWAY「アルバムを制作している段階で、ライヴではこうなればいいなとかイメージした曲もあったんですけど、実際にライヴでやってみると予想を超える盛り上がりがあるんです。やっぱりライヴは生き物だなって思うことが多いツアーでした。〈ALL ROUND HIP HOP〉という自分たちの音楽スタイルをしっかり提示できたツアーでもありました」
KAZUKI「ツアーの後半では、終わりたくないっていう気持ちが強かったです。今回は自分たちの音楽で勝負できるという強い自信も感じられたので、これから進むべき道を教えてもらった14公演だったと思います」

――では、5月10日に発売される5thシングル「DO PARTY」は、どのような想いで制作していったのでしょうか?
GS「5月に僕らの結成3周年特別記念公演『iii -three-』があるということで、自分たちの3周年に花を添えられる超ド級なパーティ・ソングを作ろうということで制作を始めました。自ら誕生日パーティを開くといったコンセプトで、そこに向けてのボムとなる曲ですね」

――D.I.=パーティ・チューンというイメージもあるので、みずからハードルを課したところもあったのでは?
KUBO-C「そうですね。今まで以上に振り切ろうという意識は常に持って制作していました。〈ALL ROUND HIP HOP〉というテーマにも通じるんですけど、今回はキャッチーな方に振り切ろうと、歌詞もキャッチーなワードをチョイスしました。タイトルは〈ドパーティ〉と読ませて、ド級とか最上級って意味での〈DO〉になっています」

――リリース前にツアーのアンコールで「DO PARTY」を披露した時の感想は?
P-CHO「お客さんのレスポンスを見て、D.I.史上最高のパーティ・ソングが作れたと感じることができました。リリース前にそんな実感が持てたのは、貴重な体験だったと思います」

――リリースする前の楽曲をライヴで披露することに抵抗を感じたりとかは?
SWAY「ツアー初日の静岡公演が凄い盛り上がりだったので、何も不安はなかったです」
P-CHO「振りがある曲なので、どんどん一体感が増していくんですよ」
SWAY「本当にリリース前の曲とは思えない盛り上がりでした。何かびんびんと感じるものがありました」
KAZUKI「これが曲ヂカラってやつですよね。本当にいい曲が作れたってことだと思います。D.I.を知らない方が聴いても反応していただける曲だと思います」
GS「一度聴いたら忘れられないという声もありましたしね」
KUBO-C「ファンの方の反応を見ると、〈PARTY PARTY PARTY…〉と繰り返すところが耳から離れないって声が多かったです」

――他に歌詞の中でみなさんが気に入っているフレーズ、ポイントになる言葉などがあれば教えてください。
GS「〈このPARTYにスマホはいらないぜ〉って歌詞です。実はここ、僕らがお世話になっている先輩が飲みの席でよく使う言葉なんです。みんなで盛り上がっている時に、ひとりだけスマホを見てたりすると盛り下がるじゃないですか。スマホなんか置いて、みんなで思いっきり騒ぐのが僕らのパーティの鉄則だということなんだと思います」
SWAY「つい先日、その先輩にお言葉をお借りしましたって報告したら、「あれな、実は元ネタはDJ LEADやねん」っておっしゃってました(笑)」
P-CHO「サンプリング・ソースはそこだったと(笑)」
KUBO-C「あと、この曲はダチョウ倶楽部さん的なフレーズがあったりとギャグも多いんです。この曲でしかできないことがやれたし、かなり遊んだ曲ですね」
SWAY「サビがキャッチーな分、初めて聴いても乗れる曲なんですけど、歌詞を頭に入れてからライヴに来てもらうと盛り上がりポイントがたくさんあると思います。たくさん罠を仕かけた歌詞なので、そこにきれいにハマッていただきたいです」

――トラックは、どのようなテーマや視点で制作したのでしょうか?
P-CHO「超ド級なパーティ・ソングにぴったりのトラックを探すために、とにかくデモをたくさん聴いて選びました」
KAZUKI「20~30曲くらいは聴きましたね」
P-CHO「その中からベスト5まで絞って、手応えを感じたこのトラックを選んだ感じです」
SWAY「このトラックにはD.I.が欲しい要素がすべて詰まっていたと思います」

――従来のパーティ・ソングと比べて、手触りの違いを感じるところは?
SWAY「いつもならラップの後にKAZUKIがメロディを乗せたりするんですけど、今回はかなりシンプルですね」
GS「当初はBメロでKAZUKIがもっと歌っていたんですけど、バースを引き立たせるために意図的に抜いたんです。バースがサビみたいな曲なので、サビ自体は超シンプル。そういう意味でも新たな挑戦が多かったパーティ・ソングでした」

――楽曲が仕上がった今、リスナーにどんな風に届いて欲しいと考えていますか?
KUBO-C「落ち込んでいる時に聴いたら元気が出るとか、どんなシチュエーションにも合うと思うんです。ただ、僕たちからリコメンドするとしたら、BBQとか楽しい雰囲気に拍車をかける時に聴いてもらいたいです」

――今年でグループ3年周年を迎えますが、これまでで最も印象に残っている〈PARTY〉とは?
KAZUKI「基本的に僕らの飲みの席は“DO PARTY”ですね(笑)」
KUBO-C「ことあるごとに飲んでるから、楽曲が完成したパーティとか(笑)」
SWAY「あとはレベルの問題ですね。その中で印象的だったのは…」
P-CHO「翌日に全員予定が入ってなかった夜だね(笑)」
SWAY「わかった! KUBOさんの誕生日だ。サプライズで企画した誕生日会で、KUBOさんにヘッドホンと目隠しして野球場に連れて行って…。そこにいつも遊ぶ友人たちがユニフォームを着て待ってたっていう(笑)」
KUBO-C「そこで試合して、その後に飲み行ったと。あれはめっちゃヤバかったし、嬉しかったですね」
SWAY「イベントの後に野球してと疲れもあったせいか、みんなブチ上がってたよね(笑)」
KUBO-C「あとは、メキシコで撮った「DO PARTY」のMVですね」
SWAY「あれもマジで〈DO PARTY〉だった」

――どんなパーティだったんですか?
KUBO-C「こんな過酷なスケジュールあります? って中でメキシコへ行ったんですけど、現地の人が凄くハッピーなんです。尋常じゃないほどの疲れと現地のヴァイブスの高さで、
まさに感情のスクランブル交差点でした(笑)」

――そもそもメキシコで撮影することになったのは、どんな話からだったんですか?
SWAY「メキシコの街が凄くきれいだってスタッフさんが言ってくださったのがきっかけです。写真を見せていただいたら、確かに凄くきれいな街並なんですけど、ツアーの最中に行く時間あるのかなって聞いたら…」
KAZUKI「マネージャーが5日間だけ取れますよ、と(笑)。そこから、大宮公演後の2泊5日の強行撮影に出発するという」
P-CHO「14時間くらい飛行機に乗って、メキシコに到着してすぐ監督さんと食事して、23時くらいに解散して翌日の集合時間が3時という。ホテル戻ってシャワーを浴びたら、仮に寝られても2時間…。車移動で5時間あるから、その間に寝られると言うマネージャーさんの言葉を当てにしたら、メキシコの道路が酷くて寝れる環境じゃなく…」
SWAY「車の天上に頭をぶつけるくらい揺れてハネるんですよ! KAZUKIなんて半泣きでしたからね(笑)」
KAZUKI「いやぁ、自然と涙が出てきましたね(笑)」
P-CHO「でも、現場に到着したら眠気も吹っ飛ぶほどの景色で、とてもいい撮影をさせていただきました。で、そこからまた同じ道で帰るという苦行が(笑)」
KAZUKI「恐怖心しかなかったですね。帰りはもう寝るのを諦めて起きてたんですけど、CHOさんは柳のように揺れを吸収して寝ていて侍かと思いましたよ(笑)」
P-CHO「邪念を捨てて寝るしかなかった、あの状況は(笑)」
KUBO-C「しかも帰りは事故渋滞というおまけがついて6時間半もかかったんです」
P-CHO「夜中の3時に集合して、その3時間後に撮影して、そのまま帰るという」
GS「僕は移動がしんどいことを予想して、家から枕を持って行ったのが正解でした。おかげで車の中でもずっと寝られたので、そんなにキツくはなかったんですよね」

――メキシコではどんな撮影をしてきたのでしょうか?
KUBO-C「ほのぼのとした空気感で、通りすがりの人とハイタッチしたり、メキシコという国の陽気さも含めて撮影してきた感じですね」
P-CHO「グアナファトというヨーロッパの匂いも残る色彩豊かな街だったんですけど、ちょい観光気分を味わいながら歩けたのは楽しかったです」
KAZUKI「出会った人は、純粋でハッピーな人たちばかりでした」
SWAY「東京で衣装のフィッティングをした時は、派手すぎませんかね? と思ったんですけど、いざメキシコに行ったらめっちゃマッチしてました。逆にあの衣装だったから、メキシコの人も一緒に盛り上がってくれたんだと思います」
GS「それは確かにある。私服に着替えたら、あんまり反応されなくなった(笑)」
SWAY「過酷なスケジュールではありましたけど、メキシコでMVが撮れてよかったですね。あのスケジューリングだから出たヴァイブスもありました。あと、サボテン畑でスカルメイクもしました」

――あとは、メキシコの楽団マリアッチやメキシコ流プロレスのルチャリブレ会場でのコラボがあったそうですが?
KAZUKI「マリアッチの楽団員さんは陽気なおじさま方でした」
KUBO-C「確かに人生楽しんでいる感を強烈に感じましたね」
GS「プロレスの会場には僕らよりも若い世代もたくさんいて、自発的に演技ディレクションしたり、一緒に映像チェックまでしてくるんですよ(笑)。そんな彼らのヴァイブスも活かされたMVですね」

――カップリング曲「Put Your Kicks Up」はどんなテーマを持って制作していったのでしょうか?
SWAY「靴の防水スプレーとかクリーニング・グッズを扱っているクレップ プロテクトっていうメーカーさんがあるんですけど、そことコラボした曲ですね」

――歌詞にはどんなメッセージを込めたのでしょうか?
SWAY「スニーカーを人間に例えて、汚れを外からの批判や偏見として表現しました。自分の芯を持って、流されることなく生きていくってメッセージですね」
KUBO-C「〈泥まみれの生き方〉とか〈キズの数はキリがない〉とか、スニーカーと一緒で人生に汚れやキズはつきものだけど、何度も再生できるっていうのが僕のバースのテーマでした」
KAZUKI「しつこくまとわりついてくる変なウワサや目を汚れに例えて、今の俺には汚れはつけられないぜっていう歌詞を書きました」
GS「自分自身をピカピカのスニーカーに例えて、最後の〈錆びないBody譲らない旅 終わらせない限り終わらないParty〉って2行でD.I.節を表現しました。〈Yeah!! 〉とか〈Jump〉とか、これまでのシングル曲で使ったフレーズも出てくるので、そこも気にして聴いていただきたいです」
P-CHO「己をしっかり持つというメッセージを軸に、純粋に自分の持ち場を楽しみました。最後のリリックでソール(SOLE)とソウル(SOUL)をかけて、うまく表現できたと思います」

――少なめの音数と展開がユニークなトラックについても聞かせてください。
P-CHO「曲調を決める時に、この曲はDJ SACHIHOさんにお願いしようってことになったんです。たくさんのビートを作っていただいたんですけど、どれもいいよねって話から、それぞれのバースで異なるビートが展開していくトラックに仕上げていただきました」
KAZUKI「曲自体を遊び感覚で作れましたね」
SWAY「今後は映像も作っていくので、そこでも光るトラックだと思います」

――そして、5月13日(土)と14日(日)は、幕張メッセ国際展示場ホールで3周年特別記念公演『iii-three-』の開催が決定! 意気込みを教えてください。
KAZUKI「14公演まわった『TERMINAL』ツアーは、自分たちにしかできない表現や長所が明確に見えたツアーでした。そこを新たなアベレージにして、自分にとっても記念になるライヴを作りたいです」
GS「この3年で2枚のアルバムと1枚のミニ・アルバム、5枚のシングルをリリースすることができて、気づけばたくさんの曲が揃いました。どんな構成にするか迷うところではありますが、自分たちを成長させてくれたライヴで3年間を振り返りたいと思っています。記念公演にふさわしく名曲が並ぶと思うので楽しみにしていてください」
P-CHO「『TERMINAL』ツアーを終えてさらに強くなったと思いますし、それを超えるライヴを『iii-three-』で用意したいと思っています。D.I.のライヴを初めて観る方にも、これまで応援してきてくれたみなさんにも、やっぱりD.I.が大好きだと思っていただける2日間にしたいと思います」
SWAY「また幕張メッセの舞台に立てるのが嬉しいです。まだD.I.としては3周年ですけど、その間も濃厚な時間を過ごしてきたので、このライヴを機に振り返る作業もしてみたいなと思っています。昔の曲も当時と今では表現の仕方が変わると思うので、新しい自分たちを観ていただきたいです」
KUBO-C「3年前に作った曲も、フレッシュな気持ちで聴いていただけるライヴにしたいです。『TERMINAL』ツアーでは披露してない曲もやっていくので、ライヴのベスト盤のような2日間に期待してください」

――最後に、5thシングルを楽しみに待ってくれていたファンのみなさんにメッセージをお願いします。
P-CHO「みんなで楽しめる振りも考えたので、MVを観たりして振りも一緒に覚えてこの曲を楽しんでください」
SWAY「前作のリード曲が「Finally I…」で今回が「DO PARTY」という、この振り幅が僕たちが掲げる〈ALL ROUND HIP HOP〉。今回は元気ない時よりも、元気ある時に聴いて欲しいです。ぜひ今夏の1曲にしていただけたら嬉しいです」

 

 

【DOBERMAN INFINITY プロフィール】

もともとラップグループ『DOBERMAN INC』として活動していたKUBO-C、GS、P-CHOの3MCに、ラッパーや俳優などマルチに活躍するSWAYと「EXILE Presents VOCAL BATTLE AUDITION 4」ファイナリストのシンガー・KAZUKIが新メンバーとして加入。それをきっかけにグループ名を変え、ボーカリストを擁するヒップホップ・グループとして新たに活動を開始した。

5thシングル

「DO PARTY」

2017年5月10日発売

 

トイズファクトリー

初回限定盤(CD+DVD) TFCC-89616 1389円

通常盤(CD) TFCC-89617 926円

dobermaninfinity-ldh.jp/

 

Inteview&Text:NOBUHIKO MABUCHI

 

図2

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