2017.07.25 Tue UPDATE CULTURE

【どう回る?】「フジロック」のタイムテーブル攻略法

開催迫る!フジロックフェスティバルの楽しみ方を3つのタイプに分けて提案!

いよいよ開催が迫った、フジロックフェスティバル17。今年も、世界各地から個性豊かなミュージシャンが登場し、我々に異空間の喜びを提供してくれる。お目当てのミュージシャンがいる人も多いと思うが、それ以外に何をチェックしたらいいのかわからない人、また雰囲気重視で遊びに来る人もいるはず。今回は、そんな人のために「今年のフジロックの楽しみ方」を3つのタイプに分けて、ご提案。最高の3日間を過ごす参考になれば、幸いだ。ただし、自然と向き合う環境ゆえ、時には過酷な状況になる可能性もあるので、十分体調に気をつけながら、余裕を持ったスケジュールで楽しむことが絶対条件。
 

FUJI ROCK FESTIVAL’17 タイムテーブルはコチラ>>>

 
 

「ヘッドライナーを中心にフジロックを楽しみたい!」派にオススメは?

ロックフェスにおいて、最も盛り上がるのはヘッドライナーのミュージシャンのパフォーマンスだ。他の出演者は限られた時間や演出の中で、代表曲を中心に披露することが多いが、ヘッドライナーになるとアンコール(やらないポリシーの人もいるが)を含め、ワンマン公演とさほど変わらないボリュームの楽曲を堪能でき、さらに映像やセットなど凝った仕掛けも楽しむことができる。特にフジロックは、苗場の大自然に囲まれたステージになるので、普段の公園とは異なる幻想的な風景を味わうことができると、世界から音楽ファンが押し寄せている。
 
 今年のフジロックは、アニメーションと合体した世界観をみせるゴリラズ。前回出演時には謎の小屋をステージに作り、その中でパフォーマンスをしたエイフェックス・ツイン。毎回、ファンタジックな映像や衣装で観客を魅了させるビョークと、例年以上にビジュアル的にも注目のミュージシャンがヘッドライナーを飾るので、彼らが音響と視覚でどんな世界を繰り広げるのか?楽しみなところ。
 

↑ゴリラズ
 

↑エイフェックス・ツイン
 

↑ビヨーク
 
 だが、そのヘッドライナーだけを楽しみに、1日ひたすら待ち続けるのは、ちょっと勿体無い。そこでヘッドライナーの登場前後の気分をさらに高めてくれそうなアクトをセレクトしてみた。
 
 初日に観ておきたいのは、ゴリラズ前にグリーン・ステージに登場する、ザ・エックス・エックスだ。時にメランコリックで、時にエモーショナルなバンド・サウンドで人気の男女3人組。黒をベースにしたビジュアルから放たれるミステリアスな雰囲気に、思わず見とれてしまうだろう。また深夜のレッド・マーキーに登場するARCA DJ & JESSE KANDA AVは、ビョーク、さらにカニエ・ウェストの作品にプロデューサーとして参加したことのあるアルカによるプロジェクト。ビジュアルをジェシー・カンダが担当し、実験的な世界を繰り広げるはず。ヘッドライナー以上に斬新な体験ができるステージになるのかも?
 

↑ザ・エックス・エックス
 

↑ARCA DJ & JESSE KANDA AV
 
 2日目でチェックしたいのは、15年ぶりのフジロック出演となるコーネリアス。音楽だけでなく映像においても独自の表現をして、世界的評価が高いだけあって、今回のステージでもヘッドライナー陣とは異なるアートな体験をさせてくれるはずだ。
 

↑コーネリアス    Photo by Sukita
 
 またビョークの登場する最終日には、女性シンガーソングライターがグリーン・ステージを飾る。まずは、日本の女性ロック界を牽引する存在になっているYUKIが登場、その後には史上最年少17歳でグラミー最優秀賞を獲得したニュージランド出身のロードがステージを飾ることに。彼女たちもまた、ビョーク同様に独自の美意識や世界観を持ちながら、活動している存在。女性の持つしなやかさ、そして強さをこの一連のアクトから感じ取ることができるのかもしれない。
 

↑YUKI
 

↑ロード
 
【まとめ】

28日(金)19:20ザ・エックス・エックス→21:30ゴリラズ→0:00ARCA DJ & JESSE KANDA AV
 
29日(土)18:50コーネリアス→21:00エイフェックス・ツイン
 
30日(日)16:50YUKI→18:50ロード→21:00ビヨーク

 
 
 

「時代の先を行く音楽に出会いたい!」派にオススメは?

 世界や日本を席巻させているミュージシャンはもちろん、これからを担う存在も多数出演しているフジロック。ここでの出演をきっかけにブレイクすることもよくあるのだ。今年も「未来」を騒がせそうなミュージシャンが多数。その可能性を探りにステージ巡りをしてみるのも、楽しみのひとつである。
 
 初日に注目したいのが、レッド・マーキーに登場するR&Bシンガーソングライターのサンファ。カニエ・ウェストやドレイクなど今をときめくミュージシャンの作品にフィーチャリングされたこともある、サウスロンドン出身の実力派。昨年末にザ・エックス・エックスの来日公演のオープニングでパフォーマンスしているのだが、その透明感のある声で多くの人々を魅了させ、フジロックでも心が洗われるような体験ができるはずだ。また、深夜のレッド・マーキーに登場するyahyel(ヤイエル)、そのメンバーも参加しているDATSは、世界基準で評価されている日本バンド。ポップ性がありながらも、独特な浮遊感のあるエレクトロニックなバンド・サウンドから音楽の未来が見えるのかも。また、ホワイト・ステージのトリに登場するクイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジは、キャリアのあるグランジ系バンドなのであるが、間もなくリリースされる最新アルバムでは「アップタウン・ファンクfeat.ブルーノ・マーズ」のヒットでおなじみのマーク・ロンソンがプロデュース。今回は、どういう音を繰り広げるのか?楽しみである。
 

↑サンファ
 

↑yahyel
 

↑DATS
 

↑クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ
 
 2日目は、レッド・マーキーに登場するニューヨーク発の兄弟バンド、ザ・レモン・ツイグスに注目。60~70年代のビンテージっぽいサウンドをベースにしながらも、コラージュ感覚に溢れたサウンドは、今まで聴いたことのない質感。また、同じくレッド・マーキー登場のデイ・ウェーブジ・アマゾンズも、現在音楽メディアで注目されている逸材。さらに深夜には、90年代より活躍しているMONDO GROSSOが登場。彼が提示する、ダンス・ミュージックの現在も見逃せない……と終日レッド・マーキーから離れられなくなりそうな予感!
 

↑ザ・レモン・ツイグス
 

↑デイ・ウェーブ
 

↑ジ・アマゾンズ
 

↑MONDO GROSSO
 
 最終日は、グリーン・ステージに登場するルーカス・グラハムに注目したい。昨年リリースしたメジャーデビュー盤がヒット、今年のグラミーでは主要2部門にノミネートされたバンドが、待望の初来日!フォーキーでありながらもヒップホップ感覚もある音が印象的、今世界を魅了させている音は要チェックだ。他にも、ファレル・ウィリアムスが絶賛したという才能の持ち主である、ニューヨーク出身の女性シンガーソングライターであるマギー・ロジャース。さらに深夜に登場するゴールドルームといった新人も、海外ではすでに注目されている存在。どんなステージを披露するのか?見逃せない。
 

↑ルーカス・グラハム
 

↑マギー・ロジャース
 

↑ゴールドルーム
 
【まとめ】

28日(金)11:00DATS→20:30サンファ→21:00クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ→23:00yahyel
 
29日(土)12:40ザ・レモン・ツイグス→14:00ジ・アマゾンズ→17:50ザ・レモン・ツイグス→23:00MONDO GROSSO
 
30日(日)12:50ルーカス・グラハム→14:00マギー・ロジャース→0:00ゴールドルーム

 
 
 

「音楽をつまみに、3日間ひたすら酔いしれたい!」派にオススメは?

 「音楽ファンにとってのお正月」と言われ、苗場の壮大な自然も手伝ってか、日常とはかけ離れた開放感が、開催中の3日間ずっと溢れ続けている、フジロック。だから、朝っぱらからお酒を飲んだりなど、日常生活だと「後ろめたい」行為も、そう感じさせないほどのピース(無礼講)な雰囲気が流れている。また、そこにノリのいい・気分を自然に高揚させる音楽が加わると、お酒(陶酔)のスピードがさらに早まっていく。
 
 まず初日は、毎年多国籍なミュージシャンが多く登場する、フィールド・オブ・ヘヴンに足を運びたい。日本のサニーデイ・サービスや、ネオ・フォーク・バンドとして人気を呼んだフリート・フォクシーズの元メンバーによるプロジェクト、ファーザー・ジョン・ミスティなど、これまで溜まってきた疲れをゆっくりと洗い流してくれそうな美しいサウンドが特徴のミュージシャンのパフォーマンスで、じっくりと日頃の乾いた心と身体を潤わせたい。
 

↑サニーデイ・サービス
 

↑ファーザー・ジョン・ミスティ
 
 そして浄化が終わった2日目は、KYOTO JAZZ SEXTETの洗練&官能のジャズ・グルーヴでテイクオフ。その後グリーン・ステージのジェイク・シマブクロの奏でる心地よいウクレレでまったりハワイ気分に。続いてホワイト・ステージに登場するジャマイカ出身クロニックスのレゲエ・ビートで心をラヴ&ピースなモードに切り替え、グリーン・ステージに登場するオーストラリア発アヴァランチーズのドリーミーでポップなエレクトロ・サウンドを聴くと、あっという間に世界音楽紀行。そして最後に、ホワイト・ステージで小沢健二のヒット曲でも口ずさめば、お酒が飲めない人でも、最高の幸福感に満たされるのではないだろうか。
 

↑KYOTO JAZZ SEXTET
 

↑ジェイク・シマブクロ
 

↑クロニックス
 

↑アヴァランチーズ
 

↑小沢健二
 
 だが、さすがに最終日になると、体も疲れてくるところ。なので、まずはジプシー・アヴァロンへ足を運び、DJみそしるとMCごはんのケロポン定食のゆるくてキュートなステージで、心を和ませてみてはいかがだろうか。それからフィールド・オブ・ヘヴンへ。グラミーにもノミネートされている実力派シンガーソングライターのスタージル・シンプソンの奥行きのあるアコースティック・サウンドを堪能し、ニューオーリンズ・ジャズ界の新世代として注目のトロンボーン・ショーティによるファンキーなステージ、そしてケンドリック・ラマーなどの作品に参加している実力派ベーシストとして人気のサンダーキャットの濃密すぎるソウル、と立て続けにチェックしてほしい。3組とも異なるサウンドであるが、その圧倒的なパフォーマンス力、そして苗場の自然と一体になって生まれるグルーヴ感は、他では味わえない陶酔を感じられるはずだ。と同時に、この心地よさはフジロックだからこそ得られるもの、また来年も同じ空気を堪能したいという充足感に包まれて、日常生活へ足取り軽やかに戻ることができるだろう。
 

↑DJみそしるとMCごはんのケロポン定食
 

↑スタージル・シンプソン
 

↑トロンボーン・ショーティ
 

↑サンダーキャット
 
【まとめ】

28日(金)16:20サニーデイ・サービス→18:10ファーザー・ジョン・ミスティ
 
29日(土)12:10KYOTO JAZZ SEXTET→12:50ジェイク・シマブクロ→16:20クロニックス→16:50アヴァランチーズ→20:10小沢健二
 
30日(日)12:00DJみそしるとMCごはんのケロポン定食→16:50スタージル・シンプソン→18:50トロンボーン・ショーティ→21:00サンダーキャット

 
 
 
FUJI ROCK FESTIVAL ’17
7/28~30 新潟県・湯沢町 苗場スキー場
http://www.fujirockfestival.com/
チケットはソールドアウトしている可能性もあるので要注意。
 
<出演>
28日(金):ゴリラズ、クイーンズ・オブ・ザ・ストーン・エイジ、ザ・エックス・エックス、グループ魂、Yogee New Wavesほか。
29日(土):エイフェックス・ツイン、LCDサウンドシステム、コーネリアス、小沢健二、くるりほか。
30日(日):ビョーク、ロード、メジャー・レイザー、レキシ、水曜日のカンパネラ、トクマルシューゴほか。
 
 
 
Text:TAKAHISA MATSUNAGA

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