2017.08.17 Thu UPDATE CULTURE

ヒト・モノ・コトをMIXさせるクリエイティブユニット・PKCZ®が初アルバムを語る

パフォーマーとして活躍する一方、ʼ90年代からDJとしても活動を続けてきたMAKIDAI。彼の参加するクリエイティブ・ユニットがPKCZ®だ。グループの成り立ちやDJの感性を活かしたマルチな活動の背景、初のオリジナルアルバムについて話を聞いた。

Photo:DAISHI SATO//Hair&Make:AKEMI MIZUNO[H.M.C]/Text:SEIICHIRO FURUSAWA

 


パーカ6万3000円、カットソー3万円、パンツ3万8000円/すべてマルセロ・ブロン カウンティ オブ ミラン(イーストランド)、ネックレス2万7000円/アンブッシュ®(同・ワークショップ)

 

クラブ・DJで培った
MIX感覚が一番の武器

キーワードは、クラブ・DJでの活動を通じて培われてきた「MIX」感覚。
EXILE HIROの呼びかけにより、DJ MAKIDAI、VERBAL(m−flo)、DJ DARUMAが結成したクリエイティブ・ユニットがPKCZ®だ。
自ら主催するイベントや、三代目J Soul Brothersのツアー等でフロアを湧かせてきた彼らが、初のアルバム『360° ChamberZ』をリリースする。今回はメンバーのDJ MAKIDAIに、ユニットの成り立ちやアルバムの内容について話を聞いた。
MAKIDAIを含むメンバー3人は、1975年生れの同い年。’90 年代のHIPHOPに強い影響を受けてきたという共通点も持っている。

「VERBAL君とはEXILEの前身のJ Soul Brothers時代からのレーベルメイトで、DJ DARUMA氏とはさらに前身のダンスチームの時代から交流がありました。ふたりは2014年にCLUB EXILEというイベントに参加してくれて、自分がEXILE TRIBEのミックスCDをリリースしたときも、VERBAL君のリリックにPKCZという言葉がありました。そこでHIROさんから『このメンバーなら新しくておもしろいことができるんじゃないか』と提案をいただき、始まったのがPKCZ®というユニットなんです」
PKCZ®の活動のベースは音楽だが、「PKCZ® GALLERY STORE」というショップも中目黒でプロデュース。DJ DARUMAとVERBALはアパレルのデザインでも活躍している。音楽に加えてファッション、アート、そのほかのカルチャーまでMIXして、新しい価値を創造するユニットがPKCZ®なのだ。
なお、本作には’90 年代HIPHOPのレジェンド・Wu−Tang ClanのMETHOD MANがフィーチャリングで参加した楽曲『INTO THE CIRCLE』も収録。MAKIDAIはWu−Tang Clanの大ファンで、97年にはニューヨークでメンバーと対面した経験もあったという。
「当時、彼らの拠点のスタッテン・アイランドにWu−Tang Clanが運営する洋服のお店があって。行ってみたら実際にメンバーがいて、興奮したのを覚えています。だから今回の曲に参加してもらえたのはうれしかったですね。またイベントを開催して、洋服も作り、映画にも出演して……と、いろいろなことを自分たちでクリエイトしてきたWu−Tang Clanという集団は、LDHとリンクしている部分もすごく多いなと思います」
そしてMAKIDAI自身もEXILEとして活動する以前から、ダンスと並行してDJを行ない、マルチな活動をMIXして行なってきた。
「ダンスを始めた15歳の頃から、カセットデッキで自分たちのショータイムの音楽をエディットしていましたし、19歳でターンテーブルを買ってからは、イベントでDJもしてきました。僕に限らず、DJをしている人の中にはダンサーの経験がある人が意外と多いんですよ。自分がフロアで踊るときに、『ここでこの曲をかけたら一個上のバイブスで踊れたな』『こういう曲だと女の子も踊りやすいんだな』と身をもって感じたことは、自分がDJをするときの基礎になっていると思います」

 

ジャンルにとらわれず
〝いいものはいい〟曲を

そんなMAKIDAIとPKCZ®のミックス感覚は、本作の楽曲でも存分に発揮されている。本作にはEXILE THE SECOND、三代目J Soul Brothers、GENERATIONSから、世界的なDJであるAfrojackまで、国内外のアーティストがゲスト参加。さまざまな音楽ジャンルとアーティストをMIXした11曲のダンスミュージックが収録されている。
「自分たち3人が青春時代に強く影響を受けたのは’90 年代のHIPHOPですが、自分はJポップのド真ン中でも活動してきましたし、VERBAL君もDARUMA氏もいろんなジャンルの作品に関わってきました。『360° ChamberZ』というアルバムのタイトルは、『360度、どの角度から聴いても“いいものはいい”と言える曲を作っていこう』という意味を込めているんです。好きな音楽を、『この人と一緒にやったらおもしろいものが生まれるはず』というアイディアと一緒に形にしたのが、このアルバムの楽曲ですね」
たとえば三代目J Soul Brothersが参加した『X−RAY』はレゲエ風のアレンジ。普段の彼らとは違う表情を楽しめる楽曲に仕上がった。
「ギャップを感じる組み合わせかもしれませんが、PKCZ®が入ることにより、そのふたつを上手くミックスできた楽曲だと思います。この曲ではラッパー・CRAZYBOYとしてELLYがラップをしていますが、ラップのパートが多いのもPKCZ®のアルバム全体を通しての特徴ですね」
すでに2年前から披露されている『PLAY THAT』は、PKCZ®のアンセムと言える一曲。最新のダンスミュージックにR&B、J−POPの要素もミックスされた楽曲で、登坂広臣、Crystal Kay、CRAZYBOYがゲスト参加。PKCZ®の入門には最適な楽曲だ。
「三代目J Soul Brothersのドームツアーで披露したときからすごく盛り上がる曲でした。どんなミックスの仕方で、どうステージで表現すれば盛り上がるのか……と考えていろいろなトライができるのは、PKCZ®ならではの曲の作り方だと思います」
なお本作のDVDにはミュージックビデオを4曲収録。砂漠とピラミッドをバックに三代目J Soul Brothersの面々が踊る『X−RAY』の映像は特に壮観だ。
「夏のリリースで、レゲエ調の曲なので、ビーチで撮影するのも良かったと思いますが、今回はエジプシャンな雰囲気の映像になりました。ミュージックビデオについては、その音から連想する世界や国の雰囲気を大事にして、『曲の頭の部分の音色から世界観を考えてみようか』と監督とも何回も打ち合わせをして仕上げていきました」
参加するアーティストは、PKCZ®とコラボすることにより、普段の自分たちとは異なる表現にトライすることができる。その斬新さと、参加したアーティストの楽しそうな雰囲気が伝わってくるのも、このアルバムの特徴だ。
「PKCZ®と曲を作ることで、エッジの効いた音楽性に挑戦できたり、その挑戦がみんなの刺激になっていたりしたらうれしいです。さまざまな人に会い、いろいろな音楽を聴く中で、出会いを大切にしてPKCZ®流に咀嚼し、新しいものを生み出すのが自分たちの活動。PKCZ®というプラットフォームを使って、ヒト・モノ・コトをMIXして、これからも世界中の人達とおもしろいことをしていきたいです」

 

 

PROFILE

PKCZ®
EXILE HIRO、DJ MAKIDAI、VERBAL(m-flo)、DJ DARUMAが中心となり結成したクリエイティブユニット。音楽、ファッション、アート、カルチャーなどさまざまなジャンルで「本物の感動や理屈抜きに良いと思える感覚」をMIXし、世界最大級の野外音楽FES「Tomorrowland」への出演から、セレクトショップのプロデュースまで幅広い活動を行なう。

 

NEW ALBUM

『360°ChamberZ』
DJ MAKIDAI、VERBAL、DJ DARUMAが生み出す音のChamberから、あらゆるDANCE MUSICをMIXしたPKCZ®初のオリジナルアルバム。EXILE THE SECOND、三代目J Soul Brothers、GENERATIONSらが参加するほか、HIPHOP界のレジェンドMETHOD MAN(Wu-Tang Clan)まで参加。13組のアーティストが共演する豪華な作品に。

LDH MUSIC
4320円(CD+2DVD)
発売中

 

 

« 一覧