2017.10.13 Fri UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第七十七回【釜本選手を目指す人生】


旧バンダイのサッカーボールとシューズのプラモデル。
これは以前《ニッチ十傑》として紹介した希少な剣道( http://mensjoker.jp/culture/28375 )と同じスポーツシリーズのカテゴリーだ。
発売された年代的にも剣道と同時期だ。
このサッカーの年代がなぜ判ったかというと、箱の側面に発売年を探るヒントがあった。
そこには”最近の出来事”としてメキシコオリンピックサッカーの試合結果(日本銅メダル)が記されていた。
と、いう事は1969年の商品でほぼ間違いないだろう。
箱のデザインやサイズ感はまるで実物の靴箱にも見えて、なかなかスタイリッシュ。
なによりもボールとシューズのセットを模型にしようという企画部の発想がニッチプラモ的にもたまらなくユニークなのだが、時代的にサッカーが盛り上がっていたのは間違いない。
おそらくこのプラモを発売するきっかけになったであろう先述したメキシコオリンピックには釜本邦茂選手のようなスター選手も出てきていた。
サッカーに憧れる少年も増え、このプラモデルの発売後に漫画『赤き血のイレブン』もスタートしている。

 

 


-説明書-
ボールは骨組みを作り、そこからパズルのように多面体を組んでゆく面白さ。
そしてシューズもスパイクはメッキ加工、靴紐もプラスチックではなくリアル素材で表現するこだわり様だ。
定価は500円。これは当時のうな重と同じくらいの価格だった。
昭和40年代の子供達は高価な実物シューズやボールの前に、とりあえず先にこの模型を組み立て飾り釜本選手のポスターを貼って未来のサッカー選手を夢見ていたのかもしれない。

 

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。絶版・現行品問わず。

 

 

PROFILE
エンドケイプ
《りゅうちぇる》×《カネボウ化粧品suisai》コラボソング『TRUE TRUE』やジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない3期オープニング『Great Days』等の作詞家でクリエイター
TV出演「笑っていいとも」「めざましテレビ」「モーニングバード!」「スッキリ!!」「Nスタ」「月曜から夜ふかし」他多数
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog  http://lineblog.me/endcape/

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