DOBERMAN INFINITYの3ヶ月連続リリースのラストを締めくくるのが、彼らにとっても初めての挑戦となるウィンターラブバラード。クリスマスの時期にふさわしいドーベル流のビターなラブソングに仕上がった。今回はリリースを控えたメンバー全員に現在の心境、楽曲に込めた思いについてインタビューを敢行。
――DOBERMAN INFINITYとしては初挑戦であるラブバラードに挑戦してみた率直な感想を伺えますか?
KUBO-C「かなり苦戦しながら取り組んだ楽曲なんですけど、こだわって作った甲斐があったなと我ながら思うくらい気に入ってます。変な話、自分たちで聴いてもグッと来ちゃうくらいなので、リスナーの方々も思い出とリンクさせながら聴いてもらえることが本望ですね。きっと共感してもらえるようなポイントもたくさんあると思うんです。ただ、この後すぐにもう1回こういうラブバラードを聴きたいとリクエストがあったとしても、また少し期間を空けてからチャレンジしたいですけどね(笑)」
――今作の歌詞はメンバー全員で共作されたとのことですが、
KAZUKI「今までの“今回はやばかった”の、何十倍も本当にやばいと思う瞬間が何度もあってメンバー全員で何度も詰めなおしました。特にサビは最初に出来たものから何度もチェンジ、チェンジの繰り返しで。しかも自分たちの中で一度完成したものをボツにして、そこからまたブラッシュアップさせていく作業だったので、0から作るのとはまた別の苦労がありました。すでにある程度出来上がっている分、ゴールにたどり着くまでがとても長くて」
SWAY「まず最初に5人で、細かいストーリーを考えました。実際に歌詞には書かれていないけど、この楽曲の登場人物である主人公とその彼女の出身地から性格まで決めて、そこからこの5分弱の中でどうすればこのストーリーを感動的に伝えられるのかと試行錯誤しつつ。周りの方からの意見やアドバイスもいただいたんですけれど、それがスッと入ってくるときと、一度咀嚼しないと上手に飲み込めないときもあって、自分たちなりの答えを見つけていくまでにとてつもなく時間を要してしまいました」
――とあるカップルの恋模様を4年間に渡って描くというのはどの段階で決まったことでしたか?
P-CHO「気持ちの通じ合っていたカップルが年月を経てそれぞれの恋愛に対するウェイトや価値観が変わっていき、少しずつ歯車が合わなくなっていく様を描きたかったんですよ。なので、ストーリーを組み立てる時点から決まっていました」
――ハッピーエンドではなく、ビターな恋の結末も決めていたことでした?
GS「そうですね、元々ハッピーエンドにはしないというゴールは決めて、肉付けをして行った感覚です」
――歌詞をブラッシュアップさせていく上で、メンバー間の共通認識として核にしていたことがあれば教えてください。
SWAY「東京という街にキーワードがあるのかな、と。このカップルは地方出身同士で、進学か就職で上京してきた東京で出会って、やがて東京で別れる。最初は一緒にいる時間が長かったかもしれないけど、主人公はどんどん仕事が忙しくなり東京という街の持つ特性に染まっていき、彼女は地元にいた頃の感覚を変わらずに持っているせいか、お互いの間にすれ違いが生まれてしまう。でもいかんせん、主人公はそれに気付けないんですよね」
KAZUKI「気付いたときには、時すでに遅し、という」
SWAY「まさにそう。それに僕らも全員が地方出身なので、東京へ来たことで芽生えた感情の揺れや気持ちの動きというものが多かったから主人公の気持ちもよくわかる。だからこそ、こういう内容の楽曲に仕上がったのかなと思います」
――メンズジョーカー世代も共感を覚えたり、昔の恋愛を思い出したりする人も多そうです。ティファニーなど、具体的な固有名詞が使われているところも、感情を投影しやすいのかなと思いました。
KAZUKI「そこはこの楽曲のポイントでもあると思います。初めて出会ったときはまだ彼女に高価なブランド物を買ってあげられる力がなくて、でもいつかプレゼントしてあげたいからと仕事を頑張るのですが、その分、彼女と会う時間が減ってしまう。主人公にとっては彼女のためという思いがあっても、彼女にはうまくその思いが伝わらないから寂しさを募らせていってしまう。そこは自分たちが楽曲に落とし込みたかったことの一つですね」
――ティファニーよりも、一緒に過ごす時間が欲しかったんでしょうね。彼女はきっと。
GS「本当に。高価なものが欲しかったり、話題のお店で食事がしたくて一緒にいるわけじゃない、あなたと一緒にいる時間が幸せだったのにというのが恐らく彼女の本音で。でも主人公は、<光るティファニーブルー 眩しさにキミを見失った>。そこが男性にとっては一種の“あるある”な価値観だと思うので」
KUBO-C「逆に女性にはどんな風に聴いてもらえるのか想像がつかないから、リスナーからの反応が楽しみですね」
――打って変わってカップリングの『Your Santa Claus』は、DOBERMAN INFINITYらしいアゲなテンションのクリスマスソングですね。
GS「表題曲とは真逆で、ハッピーなパーティーソングです。自分たちがサンタになった気分で書いた曲なんですよ」
P-CHO「“いっちょ俺らが盛り上げに行きますか”みたいな気分で。サンタの格好をしたドーベルメンバーがクリスマスパーティーに乗り込んで盛り上げにいくような感覚で」
SWAY「まさにサンタの視点で書いたので、クリスマスは偽物のサンタが街にいっぱい溢れるから、本物のサンタが歩いていても気付いてもらえないという哀愁も<俺が本物のサンタか分かりゃしないぜ>という部分に込められています」
――この楽曲の歌詞にも<マライアの名曲>というワードだったり、DOBERMAN INFINITYと同世代のリスナーがより楽しめる仕掛けがありますね。
SWAY「サウンドも、俺ら世代の人により懐かしく感じてもらえるようにというのは意識しています。ニュージャックスイングを今の時代で表現したいと思って、サウンド面では『GA GA SUMMER』でセッションさせてもらったSUNNY BOYくんとご一緒しました。冬とニュージャックって合うなと思っていたのですが、実際に上がって来たものを聴いてみたらイントロの鈴の音もイメージ通りで」
――そこを新鮮に感じる世代、懐かしさを覚える世代、幅広い層に訴求しそうですね。ちなみに皆さんの思う理想のクリスマスってあります?
KUBO-C「どんなんやろ? チキンバーレルを買うために並んだり?」
P-CHO「テーマパークに行ったりとか?」
SWAY「そうですね、いわゆる王道はそんな感じで。まあでもドーベルで考えたら大人数でパーティーしたいですよね。みんなで資金を出し合ってとんでもないビッグな規模で開いたり、あとはやっぱりボーリングとかビリヤードとかのある施設に行ってワイワイしたいです」
KAZUKI「サンタの格好で?」
KUBO-C「いいな、それ。面白そう」
GS「トナカイ連れて、サンタの格好でボーリング?」
SWAY「トナカイってレンタルできるのかな」
――実現可能かはわかりませんが(笑)、DOBERMAN INFINITYらしさ溢れる回答をありがとうございます。今作は9月からスタートした3ヶ月連続リリースの最終章ということで一つの区切りではあると思うのですが、来年に向けて新たな野望や目標があればお伺いしたいです。
P-CHO「『あの日のキミと今の僕に』でドーベルを知ってくれる人もたくさんいると思うので、そういう方々にオールラウンドなドーべルの音楽の幅を感じてもらえるような作品を今後もリリースしていきたいですね。それと、やっぱり自分たちの活動の中でライブが非常に大きなウェイトを占めているので、来年は軸となるような作品を完成させて、それをより多くの方に聴いてもらうために全国へツアーに回れたら。しかもそのツアーの規模をどんどん大きくして最終的には全国アリーナツアーがドーベルの掲げる夢のひとつなので。そこはブレずに抱き続けたいですね」
ラップグループ『DOBERMAN INC』として活動してきたKUBO-C(クボシー)、GS(ジーエス)、P-CHO(ピーチョウ)の3人に、野替愁平名義で劇団EXILEに所属しラッパーとしても活動していたSWAY、シンガーのKAZUKIを加え、2014年6月よりDOBERMAN INFINITYとして活動を開始。HIPHOP、R&B、FUNK、ROCK、EDM等あらゆるジャンルをDOBERMAN INFINITY流にクロスオーバーさせた“オールラウンドヒップホップ”というテーマを掲げて活動中。経歴も世代も異なる1シンガー、4ラッパーの異色のグループがもつ無限の可能性から目が離せない。
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街並みが幸せに溢れるこの季節に五人が贈るこの一枚は、恋人や家族、仲間と過ごす人から仕事や今誰かと過ごす予定のない人、全ての人に捧げる2曲が収録。