去年4月にソロデビューをして以降、音楽活動のかたわら3本の舞台に出演、映画『Naoki~Time is Life~』では主演に抜擢されて、テレビ番組のナレーション、ラジオのMCなど、マルチな活躍を見せている宮田悟志。そんな彼が、1月10日に待望の初のアルバム『RISE』をリリースする。このバイタリティの源はなんなのか? 新作のインタヴューを踏まえつつ、彼のチャレンジスピリッツについて迫った。
——ソロになって約1年半が経ちました。活動を振り返ると濃い時間だったのではないかと
宮田悟志(以下:宮田) 「そうですね。BREATHEが活動終了になった直後は、これからどうしていこうかすごく悩んでいました。そのときにEXILEのMATSUさんから舞台(『かげろう』)のお話をいただいて」
——宮田さんにとって初舞台ですよね
宮田 「今となれば、その経験がボーカリストキャリアのプラスになったきっかけで。『かげろう』の直後から『THE面接』の舞台に出させていただいたり、映画の出演、ナレーションの仕事まで出来て。1年半の間ですごく充実した時間を過ごさせてもらいました」
——仕事の幅が広がることで「歌に集中したい」という葛藤はありました?
宮田 「いただいたからやったというより、そこで学ぶことが多かったので楽しい時間でしたよ。これって歌に通じるんだ、って発見もあったので」
——じゃあ、舞台やナレーションも音楽につながっていると。
宮田 「全てに共通しているのが声を発して、自分を表現するお仕事。だから、歌手の枠からは外れてないと思ってます。そういう意味では全部、音楽にアウトプット出来ていたんだなって、アルバムを作って気づきました」
——主演を務めた映画『Naoki~Time is Life~』は、主題歌だけではなく劇中音楽の監修もされましたね。
宮田 「そうですね。ソロになってから表だけじゃなくて、裏のスタッフさん目線で音楽と向き合う場面も増えて。映画の監修については、前だったら自分よがりになっていたと思うんですよ。だけど、今は「この感じをお客さんが聴いたらどう思うんだろう」って俯瞰で物事を考えられるようになりました。そういう目線が身につくと、自分のワンマンをやるときも「これだけの集客が見込めるから、会場はここが良いな」とか、バンドメンバーも自分で探したりして。エンターテイナーとして一皮むけた気がします」
——まさにセルフプロデュースですね
宮田 「1人のアーティストとして、表だけじゃない部分を観るのが面白くなってきたというか。色々と挑戦できたからこそ、アルバムリリースに繋がりました」
——その“チャレンジ精神”についてもお聞きしたくて。歌手になるために勤めていたアパレルの会社を辞めて、26歳でオーディションを受けてデビューを掴んだわけですよね。挑戦する姿勢はどこからきてるのでしょう
宮田 「物凄く考えて行動してるかと言われると、そうではなくて。基本的にフィーリングなんです。自分が何をしたいのかってことが重要で。後悔するってわかってるから、何事も挑戦したいんです」
——自分に正直になると
宮田 「やりたいことがあるのに我慢している時間って、無駄じゃないですか。思ったらすぐにやろうって心がけてます。というか僕の性格上、本能に嘘をつけないんです」
——なんて男らしい……。ちなみに、ソロになって歌い方は変わりました?
宮田 「BREATHEの時は、いかに上手くハモるかが重要視されていた部分で。お互いに呼吸を合わせて同じ間で歌わなきゃいけないんですけど、ソロは自分の間で歌えるのが良いところなんです。思った通りの歌い方を最初から最後まで完結できる面白さは、デュオの時になかった魅力ですね。今作は、表情を大事にしたというか、人間っぽさをすごく意識して歌いました」
——改めて『RISE』はどんな作品でしょう。
宮田 「 BREATHEが活動終了になって、ソロとしてもう一度立ち上がる覚悟を決めたアルバムです。辛いことや悲しいことを乗り越えることで、人は強くなっていくものなんじゃないかなと思っていて。1曲目から切ない感じなんですけど、悲しみを乗り越える強さだったり、生きることの強さを感じてもらえると嬉しいです」
——“生きることの強さ”という言葉が出ましたけど。宮田さんって強いイメージがあるんですよ。先ほど話したような、リスクを恐れずに前進する力強さ。
宮田 「あはははは! それは、野球をやっていたことが強く活かされていると思います。僕の根本にあるのはアスリート魂」
——プロを目指していたんですよね。
宮田 「そうですね。野球でいうと、今作で大きな出来事があって。中学・高校の同級生でヤクルトスワローズの(高井)雄平という選手がいて。彼が今シーズンに怪我をして、離脱したんですよ」
——かなり辛いですね……。
宮田 「直後に会った時は「リハビリが辛くて、孤独だ」って言ってたんです。手を怪我したから、下半身のトレーニングしか出来なかったらしくて。だけど、次に会った時には「下半身がふた回りデカくなったから、来年は50本打てるんじゃない?」って(笑)。この人はマイナスなことも全部プラスに捉えられるんだな、と。それが「RISE」って曲と彼の状況と重なる部分を感じたので、歌詞を書き直しました。このアルバムを通して、彼のように前向きになる力を感じてもらえたらって思います」
スタイリスト/村田友哉(SMB International.)、ヘアメイク/さいとうあやこ(make mariee´)、カメラ/早川岳大、取材・文/真貝 聡
<プロフィール>
小学校からプロ野球選手を目指し、高校時代には甲子園に出場。大学時代にもレギュラーとして活躍。卒業後に、歌手を目指し、2010年に行なわれた『EXILE Presents Vocal Battle Audition2~夢を持った若者ちへ~』三代目 J Soul Brothers のボーカリストを決める約3万人オデションファイナとして残り、2011年にボーカルデュオ「BREATHE」としてデビュー。2016年にデュオを活動を終了し、ソロシンガーとして再始動した。
宮田悟志 1st Album
『RISE』
2018/1/10(水)release
¥4,000(税込)
【CD収録曲】
1. Sorry~海になれない~
2. RISE
3. アレコレ
4. Goodbye
5. Dried Flower
6. 僕はコウモリ
7. かげろう
8. サンサーラ
9. Mask
10. 待ってて
11. STORY
【DVD収録曲】
Music Video
1. RISE
2. Sorry~海になれない~
3. 僕はコウモリ
4. 待ってて