2018.02.13 Tue UPDATE CULTURE

明日2/14発売!キュートさに色気も増した〈SCANDAL〉が放つ8枚目は必聴の傑作!(前編)

通算8枚目となるオリジナルアルバム『HONEY』をリリースするガールズバンド・SCANDAL。デビュー10周年を目前に控えた今の彼女たちを表現したような、甘くて、ちょっぴりスパイシーで、色気のある楽曲の詰め込まれたアルバムに仕上がった。今回はメンバー全員にアルバム『HONEY』について、またデビュー10周という年月を経たことで生まれたバンドとしての変化など、現在の心境についてインタビューを敢行。前後編に渡ってお届けします!

――2月14日に発売されるアルバム『HONEY』は、アートワークをツインズアーティストユニット・AMIAYAさんが手がけられているんですよね? どういった経緯でこのコラボが実現したのですか?

TOMOMI「一番初めの出会いは、仲良しのバンド〈ねごと〉の沙田瑞紀が紹介してくれたんですよ。初対面で、そのまま私もAMIAYAのおうちへ行ってみんなで鍋パして(笑)。そのうちライブにも遊びに来てくれたりするようになって、他のメンバーとも絡むようになっていくようになりました」

――なるほど、最初はプライベートから始まったんですね。

TOMOMI「はい。で、今回このアルバムの製作期間に、メンバーと『HONEY』はプライベート空間のような雰囲気だねという話になって。それなら普段から本当に仲の良い人たちとものづくりをしてみたら面白いんじゃない?というところから、AMIAYAにお願いしてみようということになりました」

――実際はどのような流れで進行されていったのですか?

RINA「まずアルバムのコンセプトとヴィジョンのイメージをAMIAYAサイドに言葉で伝えて、資料をみんなで持ち寄って会議をしつつ、方向性を決めたり、イメージカラーを赤にしようとか決めていったんです。で、AMIAYAちゃんに衣装を集めてもらって、それをまたリメイクしてもらったり、みんなで一緒にアイディアを出しながらどんどん固まっていったような感覚で」

TOMOMI「具体的にはスタイリストさんやカメラマンさんのキャスティング提案、ロケーションや衣装のイメージ、ビジュアル面をAMIAYAがプロデュースしてくれました」

――完成したアートワークを見ると、今までのSCANDALとはまた別の角度の魅力がありますよね。仕上がりを見てどんな感想を抱きましたか?

RINA「アルバムのテーマとリンクしているし、自分たちのやりたかったことが形になったなと思いました。『HONEY』は甘さ、トゲ、ちょっとエッチというところをキーワードに掲げていて歌詞の内容もそういうニュアンスが混ざっているんです。私たちの思い描いたテーマをビジュアル化したいという強い思いから始まったコラボレーションだったので、想像以上のものができたことがうれしいですね」

 

――ファンの方からも大きな反響があったのでは?

MAMI「特に女の子からの反応をたくさんもらっていて。AMIAYAちゃんって自身も表に出てモデルやDJとして活躍しつつ、ファッションブランドのプロデュースやっているので表に立つ人の気持ちも、裏方のこともわかる2人ならではのバランス感覚があって。音楽とファッションって密接なので、今回のビジュアルで私たちのことを音楽面で知らなかった子たちが反応してくれるのは、すごくうれしいなと思います」

――パッと見て、かわいいなというところから入る方もいるかもしれないですもんね。

TOMOMI「でも、いつもより肌が見える部分が多かったり、ちょっと大胆な表現だったせいか、男性からの反応と、女性からの反応が全く違ったのは面白かったです。女の子は“かわいい〜♡”って言ってくれるんですけど、男の子のほうがちょっと戸惑っている感がありましたね(笑)」

HARUNA「自分たち的には、海外の雑誌やインスタグラムで見て、こういう写真が好きだなと感じるようなイメージをSCANDALなりに落とし込めたなと思っていて、好きなものを一つの形に出来たのは大きな経験になりました」

RINA「こういうことが好き、こういうことをやりたいという気持ちは、元から自分たちの中にあったと思うんですけど、少し前であれば今のSCANDALがこういう表現をするべきではないという感覚もあったんです。その当時の音楽にはもしかしたら似合わなかったかもしれないし。ただ、この4人で10年バンドをやってきて、音楽にもファッションのニュアンスがより多く入るようにもなってきているし、年齢を重ねたことで、表現できることの幅も増えたなとは思いますね」

――初期の頃は制服のイメージもありましたし、みなさんの中にも“ SCANDALはこうあるべき”というような固定概念があったのでしょうか。

RINA「そうですね。SCANDALはスーパーヒーロー的な存在じゃなきゃいけない、みたいな考え方が私の中にはあって。ステージに上がる前に、SCANDALに変身するような感覚でした。だから、このアルバムとファーストとかを比べると、歌詞の内容が全然違うなって我ながら思います。今は、4人それぞれのパーソナルな部分を音楽に出せているし、私生活も変わってきているし。でも、それは当然の変化だなとも思うんです。学生時代、それから10年後って、どんな生活をしている人でもやっぱり大きな変化があるので。10代、20代、もうすぐ30代と、ずっと音楽を作り続けているから、年代ごとに表現の仕方は全然違うなと感じます」

――そういうお話の後に改めて『HONEY』を聴くと、今の年齢のみなさんだからこそ作れたアルバムなんだろうな、と感じました。

RINA「意識せずとも自然とそうなってきましたね。SCANDALは全員が作詞作曲をしてHARUNAが歌うというスタイルなので、あまり現実世界であり得ないようなラブソングを歌い続けると年齢的にどこかで限界がくるな、という予感は持っているので、よりその人自身が見える音楽のほうが長く歌い続けられるような気がしています」

――メンズジョーカー読者に向けて、オススメの楽曲をアルバムの中から1曲ずつお伺いできますか?

MAMI「私は『Oh! No!』で。女の子って、恋愛するとわりと頭の中がぐちゃぐちゃになるというか、常にフル回転していると思うんですよ。好きな男性のためにメイクをこうしようとか、髪型をこうしようとか、洋服をこうしようって考えているけど、でも実は、きっとそういうモチベーションでいられる自分とか、鏡に映る自分のことが好きなんじゃないかな、と。私の中にもそういう部分がありますし。女の子はきっと、どんな時でも自分がヒロインでいることを忘れないんですよね。そこがキュートなところだし、強さだと思っていて。そういうことを考えている自分の頭の中をバーッと楽曲に仕上げたので、歌詞もメロも演奏も忙しい曲になりました」

――その複雑さこそが、女の子の脳内って感じですね。ワード数も他の曲に比べてかなり長いですし(笑)。

MAMI「そうなんです。めちゃくちゃ長くて、言いたいことがぎゅっと詰まった歌詞で、あまり深く考えずにすらっと書けちゃいました。男性には、女の子は恋をしている時ってこんな感じなんだよと、この曲から感じてもらえたら」

――TOMOMIさんはいかがですか?

TOMOMI「〈ねごと〉の沙田瑞紀と作った『窓を開けたら』です。3年前くらいに出来たものなんですけど、友達と一緒に曲を作れたというのがすごくうれしかったですね。沙田瑞紀の作る楽曲やアレンジの世界観が好きなので、個人的に大好きなシンセのローズの音を入れて、アレンジを作り込んで欲しいという発注をしました。『HONEY』の中で唯一、ストック楽曲の中から採用されたものなんです。当時プライベートでよく聴いていたループ感のあるサウンドをアルバムに収録できたのも感慨深いです。トーンがちょっと暗くて(笑)落ち着いた大人のムードがあるので、読者の方とはリンクするかもしれないなって思います」

――ありがとうございました! RINAさんとHARUNAさんのおすすめ楽曲はインタビュー後編でご紹介します!

 

『HONEY』
エピックレコードジャパン
2018年2月14日(水)発売

記念すべきバンド結成10周年を祭囃子のように彩り、今やライブの定番曲になった「テイクミーアウト」や デジタルシングルとしてiTunesチャートでも堂々の1位を獲得し、ランキングを賑せた「恋するユニバース」 、ソリッドで疾走感あふれるモダンでモードなサウンド感を取り入れた「プラットホームシンドローム」など全曲メンバー作詞作曲で、恋の衝動や高揚と感傷的で切ないストーリーなど恋愛をテーマにした楽曲を多数収録。 色気や甘さなどガールズバンドだからこそできる表現を詰め込んだ8枚目のオリジナルアルバム。

▲完全生産限定版[CD+Tシャツ]
ESCL4957〜ESCL4958
5700円(税込み)
※AMIAYAプロデュースのオリジナルフォトTシャツ付き

 

▲初回生産限定版[CD+DVD]
ESCL4959〜ESCL4960
3700円(税込み)

 

▲通常版(初回仕様)[CD]
ESCL4961
3200円(税込み)

Profile
HARUNA(Vocal&Guitar)、MAMI(Guitar&Vocal)、TOMOMI(Bass&Vocal)、RINA(Drums&Vocal)からなるガールズバンド。2006年8月に結成。2008年10月にシングル「DOLL」でデビュー。これまでにリリースしたアルバムは7作連続でTOP5入りを記録し、ガールズバンドシーンを牽引。近年では日本のみならず、海外にも活動の場を広げ2015年には単独ワールドツアーを成功させるなど、実力派バンドとしてタフに活動中。

 

SCANDAL OFFICIALサイト
www.scandal-4.com

アルバム特設サイト
www.scandal-honey.com

 

写真/河田浩明 取材・文/加藤 蛍

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