2018.03.09 Fri UPDATE REGULAR

【エンドケイプ】出汁をでじると読む人生 第九十四回【コンポに憧れた人生】


はじめて買ってもらったシステムコンポはSANSUIだった。
確か中学の終わりから高校にかけての時期だ。
大きなスピーカーはこれまで家にあったどんなスピーカーよりもいい音を出した。
そして音と共にヌルヌル動くグラフィックイコライザーがたまらなく格好良くてずっと意味なく眺めていた。
そのコンポでレベッカのMONOTONE BOYを聴くのが大好きだった。今でもMONOTONE BOYを聴くと当時の記憶がSANSUIのコンポと共に蘇る。
コンポは僕らにとって憧れで、当時かなり親に無理を言って買ってもらった記憶がある。

 

そんなコンポの※ニッチプラモを1980年代アオシマは多く展開していた。
画像はSONYのリバティtype1。
中の紙には「ソニー株式会社承認済」とあり正式ライセンスである事が判る。
箱側面には各ユニットの詳細な仕様について記載されていたり、マイクやカセット、ムギ球で光るトーチを持った自由の女神のマスコットまで付き盛りだくさんの内容となっている。

 

 


こちらはパイオニアのプロジェクトA99。
このスピーカーの実物は現在でも多くオークションに出品されている。
《今にも音が飛び出しそう》と謳っている通り、1/12スケールにも関わらずとても精密かつ忠実に元の造形が再現されている。
今も昔も全てのプラモデルのコンセプトはやはり”憧れ”を安価で作り手元に置けるという魅力に他ならない。
ましてや当時のコンポなんて馬鹿高かった。学生の小遣いでどうにかなる値段じゃない。
そんな憧れを少しでも身近にしてくれるモノがプラモデルの役割でもあった。
コンポにしてもスポーツカーにしても何でもそうだ。
小さな模型を手元に置いて「いつか必ず実物を手にしてやる、触れてやる」という気持ちを奮い立たせる。
プラモデルは僕たちにとってそんな前向きな原動力となっていた。

※ニッチプラモ
カテゴリー分けすら難しいニッチ(隙間市場)な需要を持つプラモデル。絶版・現行品問わず。

 

 

PROFILE
エンドケイプ
《りゅうちぇる》×《カネボウ化粧品suisai》コラボソング『TRUE TRUE』やジョジョの奇妙な冒険ダイヤモンドは砕けない3期オープニング『Great Days』等の作詞家でクリエイター
TV出演「笑っていいとも」「めざましテレビ」「モーニングバード!」「スッキリ!!」「Nスタ」「月曜から夜ふかし」他多数
Twitter https://twitter.com/endcape
Blog  http://lineblog.me/endcape/

« 一覧