バツ3の和菓子職人・久留里卓三(吉田鋼太郎)の恋模様をコミカルなタッチで描き、“平成の寅さん”として人気を博しているドラマシリーズ『東京センチメンタル』がスペシャルドラマとしてカムバック! 今回は御茶ノ水を舞台に、料理教室の講師・秋本楓(吉瀬美智子)と、卓三、そして楓に恋する増田との三角関係というストーリー。卓三のライバルである増田を演じた青柳翔に、ドラマへの思いを語ってもらった。
取材・文/加藤 蛍、カメラ/早川岳大
――今回、青柳さんが出演される『東京センチメンタルSP〜御茶ノ水の恋〜』は2014年から続く人気ドラマシリーズですが、ゲスト出演が決まった際のお気持ちを聞かせてください。
「僕自身『東京センチメンタル』を観ていましたし、お声がかかったことは素直に嬉しかったです。長く続いているシリーズなので、そこへ飛び込んでいくことの緊張感もありましたが、吉田さんを中心にチームとしての温かさがあって。皆さんがゲストの僕らも溶け込みやすい環境を作ってくださったことに助けられました」
――吉田さんは恋敵である青柳さんの役について、“一目見ただけで、敗けが確定するキャスティングをするのか、と思いましたね”というメッセージを出されていましたが、初共演の感想を改めて伺えますか?
「僕自身吉田さんのお芝居が大好きなので、ご一緒出来ることが素直に楽しみで。現場では、演技をする上での柔軟性や、みんなを引っ張って行ってくださる頼もしさを間近で感じることが出来ました。いつかまたご一緒出来るよう頑張ろう、と刺激もいただきました」
――現場ではどんなお話をされました?
「お芝居の話はもちろん、吉田さんは普段からお料理をされるそうで、そういった話も聞かせていただきました」
――吉田さん演じる卓三と、青柳さん演じる増田はお料理教室で出会うんですよね。ちなみに青柳さん、お料理は?
「普段はあまりしないんです。でも増田は思いを寄せる楓さん(吉瀬美智子)のために2年くらい教室へ通っている設定なので、ある程度は料理が出来ないとリアリティがないということで、料理指導の先生に教わりつつ悪戦苦闘していました。特にロールキャベツを巻くシーンでは、僕の作ったロールキャベツがいびつ過ぎて吉瀬さんにも爆笑されてしまって(笑)」
――和気あいあいとした現場だったのですね(笑)。近年、青柳さんが演じた役柄の中では増田は等身大に近いのかな、と思いました。
「そうですね、いわゆる普通の男ですし、年齢的にも等身大の僕に近い部分はあると思います。増田は、まっすぐで不器用な性格で、空気の読めないタイプ。少し子供っぽい部分があって、そのせいで卓三さんとぶつかったりもしますが、最終的に愛されるキャラクターとして映っていればいいな、と思いながら演じていました」
――楓を演じた吉瀬美智子さんとも初共演ですよね。
「はい。過去の出演作から妖艶な雰囲気の方、というイメージを持っていましたが、現場ではとても気さくに接してくださいました。楓さんは魔性の魅力を持つ女性ですが、吉瀬さんの美しさと佇まいで見事に楓というキャラクターを体現されていたのが素晴らしいと感じました」
――増田は花屋の仕事をしているため、日常的に花を扱う場面や、とあるロマンチックなシーンもありましたね。
「普段はクランクアップの際にいただく時にしか花に触れることがないので、花の持ち方や、仕事をしているシーンではプロの方に指導していただきました。とあるシーンで一輪の花を差し出すという経験をしたのですが、初めてのことだったので少し照れくさかったですね(笑)」
――どんなシーンなのかはO.Aまでのお楽しみにということで! 吉田さんともし次回共演する機会があるとしたら、どんな役柄を演じてみたいですか?
「個人的には吉田さんの悪役が好きなので、対峙する役などをやってみたいです」
――『東京センチメンタル』は、毎話ごとに都内の街がクローズアップされており、卓三の恋模様と共にその街の魅力を再発見できるのも楽しみの一つだと思います。今回は御茶ノ水が舞台でしたが、実際に訪れてみていかがでしたか?
「仕事以外ではなかなか足を運んだことのない街なので、僕自身も新鮮な気持ちでした。とはいえ、僕のシーンは花屋か料理教室がほとんどで、御茶ノ水を散策するタイミングがなかったのでドラマのO.Aを観て楽しみたいと思います。そういえば、撮影していた場所のすぐ近くに“かえで通り”という場所を見つけたんです。意図して選んだわけではないそうですが今話のヒロインが“楓さん”だっただけに、こんな偶然もあるんだな、と思いました」
――そんな偶然が起きるというのも素敵ですね。青柳さんにとって思い入れのある都内の街を挙げていただくとしたらどちらでしょう?
「学芸大学です。上京して初めて住んだ街で、その頃の思い出も含めて大切な場所であり、出発点。最初は右も左も分からない状態で引っ越して来たのですが、住んでいく内に行きつけのバーも出来て、仕事終わりに1人でそこへ行くのが日課だったんです。あれこれ不安だった時期に居心地の良い場所を見つけて、そこで知り合った方々と仲良くなったりして。今ではもうあまり頻繁に足を運ぶことが出来ないのですが、当時良く通っていたお店へ行くこともあります」
――それでは最後に、ドラマ『東京センチメンタルSP〜御茶ノ水の恋〜』の見どころを教えてください。
「卓三さんと増田と楓さんの三角関係は、端から見るとバカバカしく、コミカルにも見えますが、2人は楓さんにいたって真剣に恋をしていて。良い年をした大人が恋する気持ちに振り回されながら翻弄されていく姿を、クスッと笑いながら楽しんでいただけたらと思います」
◆番組概要
公式HP/http://www.tv-tokyo.co.jp/tokyo_sentimental/
放 送 局 :テレビ東京
出 演 :吉田鋼太郎 高畑充希 片桐仁 / 青柳翔(劇団EXIEL) 吉瀬美智子 ほか
脚 本 :松本哲也 / 監 督 :松本佳奈
プロデューサー:阿部真士(テレビ東京) 祖父江里奈(テレビ東京) 藤原 努 小坂智尚
製 作 著 作:テレビ東京
青柳 翔
1985年4月12日生まれ、北海道出身。2009年に舞台『あたっくNo.1』で俳優デビューし、劇団EXILEメンバーに。2012年に出演した映画『今日、恋をはじめます』では第22回日本映画批評家大賞新人賞を受賞。現在、Amazonドラマ「紺田照の合法レシピ」に若頭・狼須武蔵役で出演中。初のフォトエッセイ「青柳翔/Aoyanagi sho」が5月24日に発売。