2009年9月、全米チアダンス選手権大会で奇跡の優勝を遂げた福井県立福井商業高等学校のチアリーダー部JETS。ひとりの女教師と普通の女子高生たちの絆が生んだこの実話を、広瀬すず主演で映画化した青春感動サクセスストーリー「チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~」(3月11日公開)。この映画で知性・美貌・ダンスの技術のすべてを兼ね備える部長・玉置彩乃を演じるのが、中条あやみ。スラッとした頭身でかっこよく写真撮影をキメながら、インタビューではふにゃんと笑ってゆっくりしゃべり出す姿が印象的な彼女が、同年代の共演者たちに受けた刺激とは――? キャスト一丸となった猛練習で、実際にチアダンスのパフォーマンスを演じきった撮影の裏話、リアル学生生活の思い出、今後の女優としての目標などを前編・後編2回にわたって激白!
――映画、ラストのパフォーマンスに向けた展開にすごい感動しました! ご自身で完成した映画を観られた感想を教えてください。
ありがとうございます!(映画のプレスシートのサブタイトル部分を指しながら)ここに“女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話”って(笑)、もう「優勝する」って書いてあるのに、そこに行くまでが濃いから、私も夢中になって観ちゃいました。普段だったら「自分の演技が大丈夫か」とか、いろんなことが気になっちゃうんですけど、何か初めてこう…一人ひとりの表情が輝いていたりとか、闘っていたりとか、その表情がすごく「いいなぁ」って、素直な気持ちで観られたんですよね。この映画は実話を元にしているんですけど、これを実際にやり遂げた福井商業高等学校のJETSの方々も、五十嵐(裕子)先生もすごいなって思いました。
――今回演じられた玉置彩乃という役について、どういう理解で臨まれましたか? そういえば、名前(「彩乃」と「あやみ」)も少し似てますね。
ハイ(笑)。でも、名前が似ているようで違うように、私自身とは似ているようなで違うのかな~って。共感できる部分もあるんです。ちょっと真面目過ぎちゃうというか、何でもかんでも真剣に考えて自分で解決しようとして、結果ダメな方向に行っちゃうところとか。自分も結構そういうところがあるんだろうな~って思うから、「努力しても叶わないことはあるけど、努力し続けるしかない」って考えるところはすごく共感します。でも私自身はこんなに…根本的に普段は福井弁じゃなくて大阪弁ですし(笑)、ここまでリーダー気質じゃないというか、みんなを引っ張っていこうというより付いていく側のタイプの人間だなって思います。
――実際に撮影に入ってみていかがでしたか?
彩乃は勉強もダンスも全部できる感じで、チアダンスも中学校からやっていた設定なので、やっぱりプレッシャーとかはありましたね…。入部テストで”はじめて踊る”シーンをインしてすぐに撮ったんですけど、映画を観る方にファーストインプレッションを与えるようなシーンなので、みんなもすごい緊張していて。その中で結構最初のほうに踊ったので本当に緊張しました。でもひかり(広瀬すず)だけは、役と同じで「うえ~い」みたいな感じなんですよ。もうそのときからすずはひかりのようでしたね。で、他のみんなも既に役に入りきってたから、私自身も彩乃になりやすいっていうか、入り込みやすかったです。
――オンとオフの違いがない現場だったんでしょうか。
うーん、私はもともと、よくも悪くも「ヨーイ、ハイ!」で入って、カットが掛かると素の自分に戻っちゃうタイプなんです。でもこの作品は、彩乃たちJETSの3年間の部活を、半年くらいにギュッと詰め込んでやった感じで。何か、ちょっとでも満足がいかないと「もう一回やりたいです!」って、みんなで撮り直してもらうような熱い現場だったんです。やっぱり年が近いし、女の子しかいないっていうのもすごく、団結力につながったのかな…女子校みたいって言ったら女子校みたいで。といっても、彩乃たちみたいに内輪もめでぶつかることもなく、ぶつかると言ったら自分自身とだけって感じで。みんなお互いの気持ちが分かるし、他人のこともとやかく言ってられないので、本当にプロって感じで取り組んでいました。
――広瀬さんはじめ、山崎紘菜さん、富田望生さん、福原遥さん、柳ゆり菜さんとすごい個性的なメンバーですしね。
ハイ、一人ひとりが個性を出さないと埋もれるってくらい、みんながキャラ濃いし、だからこそこう…みんなが食らいついていく感じが、すごく刺激的で。いい意味でライバルのような存在になったし、それがあったからこそ、この映画もひとつにまとまったんだろうな~ってすごい思います。私も「彩乃になっている以上、リーダーらしくしないと」って思って、ちょっと背筋を伸ばした気持ちで、みんなと話していたり(笑)。でも、そうじゃないときはみんなに「ここダンスどうやるの?」って聞いたり、くだらないことでケラケラ笑っていたり、そういう普通の自分っていう時間もありました。
――JETSのメンバーみんなでアメリカロケにも行かれてましたね!
そうなんですよ! インしてから1ヶ月間ずっと新潟で撮影していて、もうその時点で結構、合宿みたいな感じになっていたのでもう仲は深まっているんですけど、アメリカに行ったときはみんな泊まっているホテルが一緒で、そこのホテルのプールで「みんなで泳ごうよ!」ってなって泳いだりして…もうそんときは本当に素の顔をしていて(笑)。本当に修学旅行みたいで楽しかったです。
【PROFILE】
なかじょう・あやみ
1997年2月4日生まれ、大阪府出身。2011年、雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディションでグランプリを獲得。2012年、『黒の女教師』で女優デビュ-後、主演映画『劇場版 零~ゼロ~』(’14年)をはじめとするさまざまな作品に出演。2016年はドラマスペシャル『ストレンジャー~バケモノが事件を暴く~』、映画『ライチ☆光クラブ』『セトウツミ』などで重要な役柄を演じたほか、「ポカリスエット」「NTTドコモ」「ハーゲンダッツ」などのCMで鮮烈な印象を残す。現在、日本テレビ系『another sky – アナザースカイ』(日本テレビ系)にMCとして参加中。主演映画『覆面系ノイズ』が、今年11月25日公開予定。
カメラマン:早坂直人[Y’s C]/ スタイリスト:山田莉樹 / ヘアメイク:脇坂美穂 /ライター: 坂戸希和美
県立福井中央高校に入学したひかり(広瀬すず)は、中学からの同級生でサッカー部の孝介(真剣佑)を応援するためだけにチアダンス部に入る。しかし彼女を待ち受けていたのは、県大会も勝てないうちから全米制覇を目指し、地獄先生の異名を取る顧問・早乙女先生(天海祐希)による超スパルタ指導だった。部長の彩乃(中条あやみ)の存在により何とかチアダンスを続けるが…。
監督:河合勇人、出演:広瀬すず、中条あやみ、山崎紘菜、富田望生、福原 遥、真剣佑、天海祐希ほか。3月11日(土)より応援ロードショー。