濃密、そして幸福すぎる!
通算20作目のアルバム
エモーショナルでハッピー、さらにダンディズムを漂わせるスカのビートで今や世界をトリコにしている、東京スカパラダイスオーケストラ。3年ぶり、そして記念すべき通算20作目となるオリジナル・アルバム『Paradise Has NO BORDER』が完成した。
「まず考えたのは、ここ数年のスカパラの活動の軌跡を感じてもらえる内容にしようと思いました。そこにブラジルをはじめ、これまで行った様々な国で得た刺激、さらにヴォーカル曲に匹敵する強さがあるインスト曲を加えて完成したのが、このアルバム。結果、これまでの作品に比べ、かなり濃い内容になったのかなって思います」(加藤隆志、G)
メンバー全員で合宿し、完成へと導かれていったというアルバム。
「1日14時間くらい楽曲制作して、その後飲んで、翌朝早くには起床するというハードなスケジュールだったんですけど、常にメンバー同士でアイデアの交換ができたので、とても充実していたというか。みんなのアイデアが溢れ出てきていて、大笑いするくらいのレコーディングでしたね。バンドは、今一番幸せな状態にいて、それを表現することができたなって」(NARGO、Trumpet)
結果、インスト曲もヴォーカル曲もパンチの効いた、つまり一瞬にしてスカパラ・ワールドに引き込まれるような楽曲ぞろい。なかでも、NARGOが作曲した「天空橋」は、日本の日曜の夕方のお茶の間のような光景が目に浮かび、心に残る。
「(笑)。空港までの移動中のモノレールで『天空橋』っていう駅があるじゃないですか。その響きがいいなと思ったことがきっかけで生まれた曲。以前は日本っぽい音を前面に出す曲を発表することに抵抗があったんですけど、徐々に消えつつある昭和な風景を残したくて、表現しました」(NARGO)
また、本作には多彩なゲスト陣が参加。なかでもKen Yokoyamaは、彼らとの共演で初めて日本語のオリジナル曲のヴォーカルを披露し、話題をさらっている。
「最初はずっと英語で歌ってきた方に、日本語で歌ってもらうのって、かなりの責任じゃないですか。だから絶対に失敗できないっていうプレッシャーはありましたよね。ただ、最近ではほぼメンバーに近い状態でして、実はクレジットされていないんですが、彼が参加している楽曲もあるんですよ。それは聴いてみてのお楽しみで(笑)」(NARGO)
これまでも、奥田民生やCharaなど個性派ミュージシャンとタッグを組み、どの楽曲でも、ゲスト陣に新しい魅力を与えている印象の彼ら。それを導きだすための「交渉術」は、見習うべき部分が多そうだ。
「交渉というよりは、お互いに今この共演が必要だと気持ちが震えた人に声をおかけしているだけで。そうしないと、結果として納得いく曲は生まれない。お互いにきちんと心をぶつけ合うことが、何よりも大切なのかなって思いますね」(加藤)
【プロフィール】
1980年代後半より活動開始、’90年にメジャーデビュー。以降、日本を代表するスカ・バンドとして世界規模で活躍中。5月13日[土]〜全国ホールツアーがスタート。
CHECK!
NEW ALBUM
『Pradise Has NO BORER』
カッティング・エッジ/4200円
(CD+DVD)/発売中
尾崎世界観(クリープハイプ)や、さかなクンなどと共演し話題を呼んだナンバーのほか、TAKUMA(10-FEET)やKen Yokoyamaが参加した新曲も収録の充実盤! 映像作品では、昨年行なわれたツアーのドキュメンタリーなどを収められている。