世間を騒がし続ける新国立競技場。
2500億円である。
新しい事案は何をするにしても批判されるものだが、まぁ、それを踏まえても高い気がする。
日本国民がひとり2000円払うと完成する額である。

だが今回それよりもデザイン。
新国立競技場に限った事ではなく、丸さを帯び無駄なくシンプルにツルンとしてたら超クールという風潮が嫌いである。

流線型=最先端

いつまでこの図式は続くのか。

そんなもの卵に任せておけばいい。

流線型は「未来的でしょ」という押付けがましいアピールは何とかならないものか。
そもそも昨今のデザインはこの先の時代を意識しすぎている。十年先の人々の視線ばかり気にして今を見ていない。
それは全てが商業的な側面を持ってしまった必然でもある。
どうしても流行を加算してイメージする訳で、流行りが過ぎたらダサくなってしまう。
競技場も車も炊飯器も別にゴツゴツしていていいじゃないか。角が多いとダサいのか？
なぜ丸くしたがるのか。
日本のオリンピックだ。海外どこでも出来るデザインではなく城の造型をベースに競技場造ったほうが人気出る。

いまだにスターウォーズの初期三部作のデザインが愛されるのは無駄も多い無骨なデザインだからだ。
今の解釈でR2-D2をデザインしてもそれが30年先まで愛されるとは思えない。そうでしょ？

デザインは無駄を省けば近未来という誰も疑わない思考が出来過ぎていて気持ちが悪い。
無駄だという線は本当に無駄ですか？
無駄だという装飾は本当に無駄ですか？

無駄は味でもある。雑味であり旨味だ。
デザインにしろ人生にしろ絶対に無駄は必要で、そもそもそれを無駄と呼ぶべきではないのだ。

-無駄を省いた人生なんて人生ではない-

今回はそんな新国立競技場をバナナに彫ってくり抜いた。
2500億円のバナナだ。

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PROFILE
エンドケイプ
作詞家・クリエイター・バナナーティスト
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