2017.06.20 Tue UPDATE CULTURE

JAY’EDが語る NEW ALBUM『Here I Stand』への軌跡

レーベルを移籍し、EXILE ATSUSHIを共同プロデューサーに迎え3年ぶりのアルバム『Here I Stand』を完成させた、JAY’ED。今や実力派R&Bシンガーとして知られる彼のこれまでの軌跡、そして紆余曲折乗り越えられたからこそ見出した、現在の心境に迫った!

 

歌うことへの感謝を噛み締めて、新たな一歩をここから。

これまで数多くのヒット曲を輩出、実力派R&Bシンガーとして人気を揺るぎないものにしているJAY’ED。10代後半で、自分の進路について真剣に考え出さなくてはいけない頃に、音楽の道へ進むことを決意。そして2008年にメジャーへ進出して以降は、実力派R&Bシンガーとして多くの人に認められる存在になっているが、実は活動当初は人前で歌うことが苦手だったのだとか。

「これがJAY’EDだよね、と周囲に認められるようなものが欲しくて、以前から興味を持っていた音楽の道へ進んだんですけど、最初は人前で歌う自信がなかったんです。その後、レッスンを積んでようやく度胸がついたものの、当時の(地元)大阪にはR&Bシーンが盛り上がっている状況とは言えなかったので、披露する場所がなくて、無駄に時間を過ごしていることが多かったですね」

ライヴハウスに足を運び、パフォーマンスできる場所を自ら探す日々も続いたそうだが、共通の友人の結婚式で偶然にも席が隣になったというJUJUとの出会いがきっかけで、2009年に「明日がくるなら」を発表し、大ヒット。拠点を東京に移して、シンガーとして全国区の人気を獲得した。以降は、自身のオリジナル曲のリリースはもちろん、国内外のミュージシャンとのコラボレーションで楽曲を発表するなど、幅広い活動で注目を浴びる。と、順風満帆に見えるミュージシャン人生であるが、実はメジャーレーベルとの契約が解除になり、フリーの活動をしていた時期もあった。

「このまま音楽活動を続けていけるのか?という不安は、もちろんありました。でも(フリーの活動期間は)決してネガティブなことばかりだった訳じゃないんです。制作の現場に行って裏方のような仕事をさせていただいたりとかして、今まで見えなかったことにも気づくことができましたし。改めて、自分の活動は多くの人に支えられているんだという感謝の気持ちを強くさせてくれた時間になりましたね」

そして今年に入りレーベルを移籍し、10年来の親交があるというEXILE ATSUSHIを共同プロデューサーに迎え、アルバム『Here I Stand』がここに完成した。

「以前の作品は、自分だけで完成させることが多かったんですけど、今回は海外留学しているATSUSHIさんとSNSなどを通じてやりとりをしながら、出来たんです。僕の意見を尊重してくれながらも、『ライヴで盛り上がる楽曲を最初に収録した方がいい』とか、『こういう人をフィーチャーしたらいいのでは?』とか、第三者的な視点でどうしたら多くの人に楽しんでもらえるアルバムになるのか?真剣に考えてくれましたね。だから、いろいろと学ぶことが多かったです」

アルバムには「明日がくるなら」をはじめ、彼の代表曲のセルフカバーや、多彩なゲスト・ミュージシャンとのコラボ曲も収録されている。なかでも、「P.B.E feat.今市隆二 (三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE)」は、1990年代のダンサブルなR&Bを連想させるアップ・ナンバーで印象的。

「今市くんが、R&Bをはじめとするブラック・ミュージックが好きなのは以前から知っていたので、せっかく共演できるのだから普段表現できないことをやろうという話になったんです。それで、お互い1991年にR&Bバンドのミント・コンディションが発表した『Breakin’ My Heart (Pretty Brown Eyes)』が好きで、その要素を取り入れようと完成させたのが、この曲。タイトルは<Pretty Brown Eyes>の頭文字を取っているのですが、これはマイケル・ジャクソンの1982年発表の『P.Y.T. (Pretty Young Thing)』のオマージュもあったりして。いろんな遊びがありますね(笑)」

紆余曲折、さまざまな出来事を乗り越えて、より自由にそして真剣に音楽と向き合うJAY’EDの今の姿がうかがえるアルバム。

「何枚もアルバムを発表させていただける機会を与えてもらえるのって、そうそうないことだと思うんです。だから、与えていただいたチャンスを何とか活かしたい。新しい一歩を、このアルバムで踏み出していきたいと思います」

 

PROFILE
ニュージーランド生まれ。17歳の頃から大阪のクラブを中心に活動をスタートさせ、2008年にメジャーデビュー。最新アルバムを携えて、この夏はさまざまなイベントに出演予定。
dreamusic.co.jp/sp/jayed/here/

 


『Here I Stand』
ドリーミュージック/3800円(CD+DVD)/6月21日発売

今市隆二 (三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE)、Crystal Kayなど豪華ミュージシャンがゲスト参加。さらには「明日がくるなら」をはじめ彼の代表曲のセルフカバーなども収録。これまでの軌跡も感じられる充実の内容となっている。

Text: TAKAHISA MATSUNAGA

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